【たった一人の生存者 前編】
生存者の反応があった場所に向け、ミッテを移動させる。接近して、更に詳しくセンサーで探査を行う。すると反応は、檻の中からであることが確定した。
ミッテを残骸の側に片膝を突いた状態で止め、コクピットの外に出る。
パイロットシートから立ち上がり、胴体から腕部の装甲や関節を手掛かりや足場にして伝い、素早く地面に降りた。
事前にミズキから、タラップ無しでCAに乗り降りするコツをレクチャーされたおかげだ。
急いで檻に駆け寄り、中の様子を確かめる。
「うっ……!」
思わず呻いてしまう光景が、檻の中にあった。
同じ作りの簡素なチュニックのような服を身に着けた一〇人以上の人物が、歪んだ檻の中で折り重なるようになって死んでいた。誰もが檻の中で激しく体を強打していたようで、格子状の打撲痕や骨折が、遺体の複数カ所に確認できる。
ヘルメットのフェイスシールド越しでも、死臭を感じてしまいそうな錯覚を伴う光景だ。
虎の衝撃波に吹き飛ばされた、別の車両の光景を思い出す。あの時は空中で車両に乗っていた人物が、衝撃で車外へと投げ出されていた。
この檻は人が車外へ飛び出さないようにこそしたものの、内部が死のミキサーとなってしまったようだ。
「誰か、生きているか!? 返事をしろ!」
檻の外から見た限り、とても人が生き残れるような状態ではない。それでもセンサーの反応を信じて、檻の中に声を掛ける。檻の格子を掴みながら、声を掛けつつ些細な変化も見逃すまいと、全神経を檻の中に集中させる。
「…………」
不意に、何かが聞こえたような気がした。折り重なる遺体の中ほどから、何かが聞こえた気がしたのだ。
「この檻は――鉄か? ここまで歪んでいると、扉の開閉も……だめだ、動かない。中を調べるには、強引に壊すしかないな」
恭一郎はすぐさまミッテへと引き返し、機体をよじ登ってパイロットシートに着座した。コクピットの中に納まると、頑丈な檻を破壊するためにコントロールパネルで細かく機体のモーションパターンを設定して、超振動を切ったソニックブレードの刃を慎重に檻に突き立てた。
ソニックブレードは狙い過たず、檻の一部を切り取ることに成功した。これで檻の内部へ進入することができる。
パイロットシートの背後に取り付けられているサバイバルキットを取り外し、再びミッテから降りて檻へと向かう。そのままソニックブレードの一刀で破壊した檻の中に躊躇なく飛び込む。そして、遺体に向けて一度手を合わせて祈りを捧げてから、折り重なった遺体の山の解体を始めた。
「これは……首輪!? まさかとは思っていたが、この世界には奴隷制度があるのか?」
不自然な形で重なっていた遺体には、首に頑丈な金属の輪が嵌められていた。その遺体の一人、まだ幼い少年の遺体に手を掛け、丁寧に檻の外へと運び出す。
「なんだ、この感触は? 服の下が妙にごわついて……何かの尻尾?」
遺体の腰のあたりに腕を差し込むと、毛に覆われた動物の尻尾のような手応えがあった。不審に思いながらも遺体を持ち上げ、檻の外へと運び出す。
作業の邪魔にならない場所でそっと、遺体を地面に静かに横たえさせる。この時になって恭一郎は、ようやく手触りの正体に気が付いた。遺体の身体に、普通の人間にはないモノが、本当に生えているという現実に。
「頭に何か、生えている? これは、耳か? まさか、あの手触りは本物!?」
横たえた遺体の脚の間に目を向けると、そこには確かに、動物の尻尾があった。頭部側面にあるはずの耳も、頭髪をかき分けて確かめる。人間ならば本来そこにあるべき耳が、側頭部にはなかった。頭頂部付近の獣耳が作り物ではなく、身体から直接生えていることも確認する。
黄色い体毛に三角の耳、全体が太めで先端が細くなっている尻尾は、狐の特徴に似ている。
「まさか、獣人!? 本物の狐の亜人なのか!?」
急いで檻の中に戻り、別の遺体も確かめる。二人目の青年には、肌の一部が灰色の鱗に覆われていた。三人目の少女には、額に角が切り落とされたような跡があった。半開きになった口の中には、糸切り歯とよばれる歯だけが抜歯された跡もある。
「普通の人間が、一人もいない……!?」
これまでに運び出した遺体は全て、人間以外の特徴をその身体に持つ亜人だった。それも恐らく、奴隷の身分の者達だ。
普通の人間が奴隷にされていないことを、一瞬でも喜んでしまった自分自身に強い罪悪感を覚える。彼等の死の遠因は、恭一郎自身にあるのだから、そのような感傷は不謹慎だ。
五人目の亜人の遺体を搬出し終え、六人目に取り掛かろうとした時、遺体の中に埋もれていた手の指が、僅かに震えていることに気付いた。
真冬の東京の最低気温並みの冷気に曝され、体温が低下しているようだ。
折り重なる遺体を慌てず急いで丁寧に、近場に横移動させて生存者を掘り起こす。
三人目の遺体を横移動させると、件の生存者がその姿を現した。
他の遺体と同じ簡素な服を身に纏った、一〇歳前後と思しき痩身で小柄な獣耳少女だ。どうやら他の犠牲者の遺体が緩衝材となって、この少女だけが檻の中で致命傷を避けることができたようだ。
少女に意識はないが呼吸はしっかりしており、顔色だけが青褪めている。寒さに体温をかなり奪われているようだ。唇が紫色になっている。パッと見た限り、外見に目立った外傷は認められない。
パイロットスーツのグローブ越しに、骨折の有無を触診で確かめる。手足の数カ所に打撲が認められたが、骨折はしてないようだった。けれど、素人診断であることを考慮して、内臓損傷や非開放性の骨折や亀裂骨折があればすぐに対応できるように、慎重に扱うことを心掛ける。
まずは、この寒さをどうにかしなければならない。意識のない状態でこのまま冷気に曝され続けると、低体温症に陥って死に至る危険がある。
サバイバルキットの中に入っていた薄い銀色のシートを取り出して、少女のか細い身体を包み込む。これは、アルミ製の温熱シートである。このシートは自身が発する熱を反射して、寒さを凌ぐことができる。シートそのものが薄くて軽いため、一般の防災用品にも広く普及している代物だ。
温熱シートで簀巻きにした少女を抱き上げ、檻の外へと慎重に移動する。
この場で火を起こして暖を取り、少女の介抱をと考えた。だが、いつあの虎のような危険な存在が現れるか、まったく知れない状況だ。この場に長く留まるのは、やはり得策ではない。
この冷蔵庫の中のような寒い気温ならば、この一日二日で遺体が腐敗するということはないだろう。遺体の埋葬は、この少女を連れ帰った後で勘弁してもらうことにした。
まずは少女を安全にコクピットに乗せるべく、行動を開始する。
CAにタラップなしで搭乗することは、意外と簡単だった。しかし、気絶した人物を抱えてとなると、その難易度はかなり高くなる。相応の訓練を行っていない者が、無理をするべきではない。
周囲を見回し、何か使えそうなものはないかと思考を巡らせる。
片膝を突いた状態のミッテの高さは、およそ四メートル。この高さをどうにかできる、タラップの代わりになるようなものが必要だ。
周囲には、車両の残骸の木材と、朽ちた石材の塊があった。
「あの石の上まで登れば、腕を伝って上がれそうだな」
少女の身体を一度地面に降ろし、近くにあった三メートルほどの高さの石材の塊の具合を確認に向かう。石材はかなり朽ちていたものの、人が乗った程度ではびくともしそうにない。手を使わずとも、頂上まで登れる足場もある。
「ここに乗り付ければ、比較的安全に運べそうだな」
足早に石材から降りた恭一郎は、ミッテを石材の側に寄せると、ソニックブレードを装備している右腕を石材の上に置いてから片膝を突いた。コクピットを出て、右腕の上を歩き、石材の上に降り立つ。
問題はなさそうだ。即席のタラップとしては、これで十分だろう。
石材から地面に降り、意識のない少女を再び抱き上げ、石材を上り始める。足取りは、慎重かつ大胆に。石材の上から、腕を歩いて胴体へ。
恭一郎は無事に、少女をミッテのコクピットに収容することができた。
パイロットシートに座り、少女を背中から抱きしめるようにして、膝の上に座らせる。CAのコクピットは単座で、内部には最低限の空間しか確保されていない。居住性などという要素は、設計段階から考慮されていないのだろう。
少女を抱いたままコクピットの中に納まり、パワーパックの排熱の一部を利用してコクピット内の温度を高めながら、改めて生存者の反応を確かめる。残念ながらこの少女だけが、この場で唯一の生存者だったようだ。
少女の身体がコクピット内で動き回らないよう、サバイバルキットの中に入っていたロープを使って、たすき掛けのようにして恭一郎の肩で少女の身体を固定する。何やら少女の背中と腰にしこりのようなモノを感じるが、特別熱を持って腫れているわけでもないので、ひとまず今は無視をする。恭一郎は固定された少女の背後から前を見る格好になったが、戦闘にならなければ問題はない。
恭一郎は意識を失ったままの少女の身体を気遣いながら、ゆっくりとミッテを動かし始める。加速も時間を掛けてゆっくりと行い、極力少女の身体の負担にならないように気を配る。長い時間を掛けて安全の確保できる最大の速度まで達したミッテは、そのままの速度を維持して大樹の森を駆け抜けた。
それから基地に帰還するために、未踏査領域を突っ切る最短ルートを進み、一時間半ほどの時間で戻ることができた。
◇◆◇◆
ガレージに帰ってきた恭一郎は、ミズキの誘導でメンテナンスハンガーへとミッテを直行させた。機体がハンガーに固定され、胴体前方にタラップが取り付けられる。
コクピットから出た恭一郎は、少女の身体を固定したロープを解き、慎重に抱えてから、ゆっくりとタラップを降りた。
『その子が、生存者ですか?』
「そうだ。虎に襲われていた、商隊と思われる護衛付きの集団が運んでいた、亜人の奴隷のようだ」
基地との通信圏内に入ったおり、事前に何があったのかを簡単に伝えてあった。だが、実際に亜人の少女を目の当たりにして、ミズキも息を飲んでいる。
『亜人は、ファンタジーの中の存在。そう認識していたのですが、この世界には亜人が実在するのですね』
「俺は今から、この子を介抱する。ミズキにも手伝ってほしいところだが、着替えとか頼めるか?」
怪我人とはいえ、亜人の少女が相手である。ましてや異世界で、文化や価値観も定かではない。極端な話、夫となる異性以外に裸を見られたら、死ななければならない。なんてことになったら、恭一郎にはどうすることもできない。とはいえ、命に係わる損傷を服の下に受けている可能性が残っているため、どちらにしろ診察のため服は脱がすことになる。
だからといって、責任を取って娶ればいい、とは考えられない。恭一郎は、包容力のある年上が好みなのだ。この少女は恭一郎にとって、余りにも幼過ぎる。
少々、思考に不純物が混じっているようだ。
『残念ながら、今のワタシには、自由に動かすことのできる機械の器――アバターがありません。使用不能になったライヒトのジャンクから、アバターに使えそうなパーツを抜き出すことは可能ですが、足りない部品はライヒトのまだ使える機体モジュールから取り出す必要があります。それに加えて、アバター作成には、メンテナンスハンガーの一基をワークショップに改造する作業を含めて、最低でも七日は必要です』
そう都合よくはなかったが、壊れたライヒトを完全に潰せば、ミズキのアバターなるモノが、七日程度で作れるらしい。一般人である恭一郎にとって、高い技術を有するミズキは、本当に頼りになる優秀な相棒だ。
「分かった。ライヒトからパーツを抜いて、アバターを制作してくれ。それまでは、この子の世話は俺一人で請け負おう」
恭一郎は少女を抱いて、ガレージを後にした。そのまま現在二階となった自室へと向かう。
ゲストルームや父の部屋という選択肢もあったのだが、ゲストルームは掃除や布団などの準備に時間が掛かること、父の部屋は単純に汚いことが理由で却下した。自分の部屋なら、こまめに掃除をしているから問題はない。はずだ。そう断言できる自信はないのだが、今は目を瞑ろうという結論に至った。
自室に到着すると、まずエアコンを動かして室温を上げた。そのままベッドの端に、少女の身体をそっと横たえる。
ベッドの掛布団を捲り、少女をアルミの温熱シートのまま横に寝かせる。温熱シートを一度解き、少女の汚れた服を剥ぎ取りに掛かる。しかし、脱ぎ着の簡単そうな見た目に反して、上手く事が運ばない。
恭一郎は仕方なく、医療現場と同じように服を切り裂くことにした。少女の纏っていた服自体も酷く汚れていて、他の犠牲者のモノと思われる血液や体液などが付着していた。それに加えて、服自体が数日間現れていないようで、見ただけで酸化した皮脂やアンモニアの発する鼻を突く刺激臭も感じられそうだったため、この服の廃棄は即断即決されたという事情もある。
落ち着いた環境での診察の結果、少女の怪我は救助現場での見立て通りであった。それとは別に診断の結果、少女には頭頂部の獣耳の他に、背中に手羽先のような突起、腰に尻尾のような突起が確認できた。腰の突起はまだ肉腫のような小さな塊の状態で、恐らくこれから成長して本来の姿となるのだろう。現在はどのような種族の亜人なのか、判断するには特徴が足りない。獣耳と翼と尻尾を持つ動物は、恭一郎の記憶の中には存在しなかったからだ。
ひとまず命の危険に直結するような怪我がなかったことに安堵した恭一郎は、再び少女を温熱シートに包み直した。それから急いで部屋を出た。
自宅の中を駆けずり回った恭一郎は、湯を張った風呂桶とタオルを数枚、それから着替え用の服と食事を自室へと持ち込んだ。
少女は身に着けていた服と同様に、かなり身体も汚れていた。普段から衛生環境に気を配る癖が付いている恭一郎にとって、少女の汚れは看過できない問題だ。贅沢を言えば、この少女を風呂に入れて丸洗いしたいのだが、怪我でしばらくベッドからまともに動けそうにないので、今は濡れタオルでの拭き取りで我慢することにした。
意識を失ったままの少女を綺麗に拭く作業は、少女の身体が小さかったことで簡単に終えることができた。そのまま着替えとして持ち込んだ、クリーニング済みのワイシャツを少女に纏わせる。少女の裸ワイシャツとは激しく倒錯的な光景だが、そもそも烏丸家は男所帯の父子家庭だ。そんな家に女性物の衣服が常備されている方が、どう考えてもおかしい。下着などは論外だ。そこで仕方なく、急場凌ぎでワイシャツを持ち出してきたのだ。ちなみにワイシャツの色は、どこで源一郎が手に入れてきたのか不明な朱色の一着である。使われている素材が上質なので、専門店で注文したオーダー品かもしれない。ますます謎である。
朱色のワイシャツを少女に纏わせ、ボタンを留めて痩せた裸体を覆い隠した。すると少女の瞳が、ゆっくりと開き始めた。さすがに身体を拭かれて着替えさせられたら、意識を取り戻すだけの刺激にはなるだろう。
「目が覚めたか?」
「――ふぇ……?」
恭一郎が目覚めたばかりの少女に声を掛けた。焦点の会っていなかった少女の視線が声のする方向を向き、双方の視線が交錯した。少女の瞳は、透き通るような琥珀を想わせるハチミツ色をしていた。そのような美しい色の瞳と見つめ合った刹那、少女は怪我人とは思えない瞬発力を発揮して、ベッドから飛び起きた。
「といへふーまー!? ――っ、あういぃぃっ!?」
恭一郎の存在に驚いた少女が牙を剥いて威嚇してきたが、怪我の痛みで威嚇どころではなくなった。その場で身体が崩れ落ち、全身の痛みに声にならない悲鳴を上げて身悶える。それでも恭一郎に対して、警戒する視線だけは外さない。全ては少女の与り知らぬところで起こった展開なのだ。当然の反応と考えられる。
「どうやら、喋れるだけの元気は残っているようだな。もっとも、何を喋っているかは解らないが……」
少女の反応から、恭一郎の言葉が通じていないのは明らかだ。当然、恭一郎も少女の言葉の意味が解らない。人種の違いということ以前に、文化どころか住んでいた世界が違うのだ。ミズキのような存在こそが、この異世界では特殊な事例なのだろう。
それはともかく、目の前で怪我の痛みを必死に耐える少女の姿は、見るに忍びないものがある。まずは安静にして、怪我からの回復を図るべきだ。そう考えた恭一郎が少女に手を差し伸べようとすると、少女の顔に怯えの強張りが表れた。
ふとここで、恭一郎はパイロットスーツを着たままだったことを思い出した。少女の介抱にばかり気を取られていたため、着替えを完全に失念していたのだ。当然、ヘルメットも着用したままだ。少女の視点からすれば、恭一郎の素顔はフェイスシールドの奥に隠れていて、正体不明の不審人物にしか見えないだろう。
「俺も存外、取り乱していたのかもしれないな」
そう言葉に出すことで自らの反省をした恭一郎は、ヘルメットを脱いで素顔を曝すことにした。首にある固定具を外し、ヘルメットを取り去る。そしてアンダースーツのフード部分を脱いで、少女に素顔を曝した。
「怖がる必要はない。俺は、烏丸恭一郎。君を助けた者だ」
一切抵抗できない少女の身体を抱き上げ、ベッドの端に座らせる。恐怖で身を固くしていた少女は、恭一郎にされるがままだ。警戒されているのは仕方のないことなので、恭一郎は少女の反応を無視することにした。
「まずは怪我を直すために、これを食べなさい」
そう言って恭一郎が少女に差し出したのは、梅干しを乗せたおかゆだった。恭一郎は消化に良さそうな食事として、病人食の定番であるおかゆ、種を取って潰した梅干し、ハチミツ入りの生姜湯を用意してきた。少女の身体はとても痩せ細っていて、よほどの長期間、栄養状態が悪い環境で過ごしていたことを物語っている。この食事を少女の胃袋が受け付けるのならば、次の食事からはタンパク質の食材も出すことにする。
おかゆをスプーンで掬い、少女の口元へと向ける。だが少女は突き出されたおかゆと恭一郎の顔の間に視線を移動させるだけで、決して口を開けようとはしない。どうやら一服盛られるとか警戒する以前に、おかゆが食べ物であることに思い至っていない様子だ。
「大丈夫だ。もう火傷するほど熱くはない」
恭一郎が少女を安心させるため、おかゆを一口頬張った。味の方は、悪くない。梅干しの味が、いい塩梅に口の中に広がる。そして再びおかゆを掬い、少女へと食べるように促す。さすがに今度は少女も理解してくれたらしく、おっかなびっくりといった感じでおかゆを口に収めた。