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プロローグ
ある幼馴染の、互いに対する評価は、『結婚相手としては申し分ないが、恋人にするには不満』だった。
女曰く、「彼には経済力があるし、子どもは好きだし、嘘をつくのが下手。結婚相手としては信頼できるし、これ以上を求めるっていうのは贅沢かもしれない。 ただ、私を女として見ていない節がある。そこだけが許せないのよね」。
男曰く、「彼女は、料理はできるし、綺麗好きだし、倹約家で、その上美人だ。彼女と結婚すれば安心できる生活が送れることには間違いない。 ただ、少し生意気というか、冷めているというか……そうだな、言うなれば、可愛げがないんだ」。
二人の男女は、やがて違う道を歩み始めた。
それぞれの未来を見据えて。