TS幼女は心のままにビートを刻む
“TS幼女は”シリーズです。
オチの為のタイトルです。
ここまで直接アレしちゃってますが、大丈夫でしょうか?
ヤバそうならちょっと指摘を頂きたいです。出来るだけ方々へ角が立たない様頑張らせて頂きますから。
はいはい、なんか気が付いたら年の瀬。二年参りするには微妙に早い位の時間になって、アホ毛が不安定に動き回ってドが付くほど緊張してる、異世界からの帰還者で普段着ぐる民して、色々アレな視線を浴びまくってるダンジョンマスターの薄ピンク髪ポニテ巨乳TS幼女ですよー。
……自己紹介文が長いな。
とまあそんな訳でして、クリスマスなんてイベントはさっさと爆破して、年の瀬ですよ。
あ゛あ゛?「お前どうせミニスカ幼女サンタをどこかでやらされて、からかわれまくって恥ずかしい思いをしたから、忘れて欲しいんだろ?」って?
正解だよっ!あんなのもう2度とやりたくねーよっ!!
何が『ミニスカなのに、下にレギンスは反則だ!』だよ!「プレゼントは添い寝で!」って母娘そろってなに言ってんだよ!「(クリスマス)ケーキはお父さんと入刀しようか」って訳分かんねーよ!何で涙目だったんだよォ!!
……ハイ、忘レテサクサク行キマショウ。
俺の最初のダンジョンである【本拠地】……そう言ってたらいつの間にか周りも言い出して、本拠地ダンジョンで呼称確定したっぽい。
その本拠地で、この度独立した単層ダンジョンを用意しました。
その名も【神社エリア】で地球の主神を祀っておく社を設置した、魔物は出現しないエリア。転送された場所にそびえる紅い鳥居と50段位の幅広石階段。
ソコを登ればもうひとつのデカくて紅い鳥居と1000人入るんじゃないかってサイズの広場。そして奥に呆れるほど大きなお社、そして周囲に基本オート起動の鐘突堂とか社務所とか。
なんか役所の人に頼まれたんだよ「アンタが神様の代理人みたいな位置で、神様からのお言葉も貰える人なら、神社を建立すれば御利益たっぷり頂けるんじゃないか?」って。
それで神に訊けば『よしやろう、さあやろう、今すぐやろう、ほらやろう』と引くほど乗り気。
それでダンジョンに特殊なエリアとして新設したって話。ダンジョンだから建物は壊れないし埃も積もらないし、細かいお手入れ不要で維持費も不要。最強神社の完成。
んで、年末年の瀬。やることと言えば、初詣。これも役所からの打診。
ウチは神楽殿とかねーから見せ物は無し、社務所だって形だけでお守りとか破魔矢とか作ってねーし、賽銭箱を置いて参拝と鐘突きしか出来ねーよと言ったら「それで十分」って言われた。
ダンジョン内の神社なら除夜の鐘の音が周辺(ダンジョン外)に響かないし、望むところなんだと。
そしたら大晦日を翌日に控えた頃、本拠地ダンジョン前に屋台だ露天だお祭りだ!ってヤイノヤイノやりながら、瞬く間に組み上がっていくお祭り会場。その時に理解した。
「俺に神社を用意させて、ひと儲けを企んでやがった」
町を着ぐるみパジャマで歩いている時、時々俺の神社のポスターが貼られてたのは知ってるよ。こんな大々的に宣伝しなくても……って恥ずかしく思いながら見てたし。
「神に一番近い神社とか仰々しく書いてあって、見るたび体がムズムズして、ポスターを剥がしたくなったし」
設営されて行く会場。そこにまた新たなポスターが貼られていく。
『巫女ダンマス幼女の除夜の鐘』
「はあぁぁ~~~っ!?」
俺の高過ぎるステータスとスキルでもって吐き出された魂の叫びは「おっしゃ、もう少しだけ右なー」とか言ってたオッサンを圧倒し、圧巻の声量にて周囲の時を止めた。
そんな訳で、これから除夜の鐘を突かねばならんのです。
普段の自動モードから手動へ。手に持った携帯端末で、鐘突き開始の時間を確認する。
あー、ダンジョン内での電子機器使用、電波使用は設定次第。携帯端末等が使える所も有れば、使えない所もある。ウチの全ダンジョンは最初から許可している。
「あと20分。目覚ましなら2度寝をしたいのに……」
ダンマスルームで驚くほど盛況な神社の様子を見ながら、シオシオしているアホ毛をウジウジいじり倒していると、冷たくて無機質な声が響いてくる。
〈用意しましょう。いい加減覚悟を決めてください〉
「いや~いつの間にか押し付けられて、逃げられなくなった巫女服での鐘突きなんて、やらなくて良いじゃんとか――――」
〈――――あり得ません。と言うか、用意はしてあるんでしょ?〉
「してあるよ?っつーか、ゲーム時代のトンデモ性能の正統派巫女服だから、用意以前の問題でずっと持ってる」
そう、神の用意したコスプレ然とした改造巫女服ではない、カッチリキッカリした正統派。
ある程度髪が長いキャラがこの巫女服を装備すると、垂髪とか言う髪をひとつにして紙でまとめて背中に流す髪型に、一瞬で変更される本格的な巫女服だ。
ダンジョンコア兼ダンマスサポートAIのタマちゃんへ見せるために、ささっとメニュー操作して装備する。
〈アホ毛はポニテから髪型が変わっても、立ったままなんですね〉
その指摘はごもっとも。だがしかし、だがしかしなのだ。
「着ぐるみのフードを被ろうが、鎧の兜で押し付けようが、それらを無視してピョロンと飛び出るアホ毛だぞ?髪型が変わったくらいで負けるアホ毛だと思うか?」
〈…………どんなアホ毛なんですか、それはもはや毛ではありませんよ〉
何と言うか、とても言い表せない、様々な感情が籠っているように聞こえるタマちゃんの声に、答えてやれない俺ではない。
「素晴らしきかな、ゲーム仕様。頭に鳥が乗ったとしても平然と貫いてそこにあり続けるし、水で濡れてもツヤめいて輝くだけ。ゲーム時代では単に透過処理された頭部アクセサリー的オブジェだったんだよ。それが異世界へ転生したら、急に俺の意思と連動して動くようになった」
どんなのかタマちゃんに紹介してやったら、アホ毛が胸を張るみたいに、逆にくるりと反り返った。
〈…………気にしたら負けと理解しました。そろそろ鐘突きの時間です。ジャンプしてください〉
ついに時間が来てしまったようだ。
鐘突堂へとジャンプすると、とてつもなく大きい歓声に包まれた。
おいコラ、分かっているぞこのロ○コンどもめ!おとなしい巫女服でもやたらと存在を主張する、合わせが微妙にゆるんでる部位へと集中する不躾な視線を浴びれば、通報のひとつでもしたくなるわぁ!
っつーか装備のサイズ自動補正!お前なんでソコだけ働かないんだよ!……仕様?知ってるよ!俺だって操作キャラだったこいつのソレをガン見してたよ!!でもソレはソレ、コレはコレってヤツなんだよぉっ!!!
っとと、そんな羞恥にやられている場合じゃない。今は鐘を突かねば。一応作法について調べたのだが、場所によって違うとか言う結果にしかならず、ならば俺らしくやってやろうと決めた次第です。
その為に、今から始めますよと気持ちを込めて、方々へ一礼、一礼、一礼。……おいアホ毛、礼の度にくったり視界に入ってくるなよ、ちょっとウザいぞ。
ついでに○リコンども、頭を下げる度にナニかを覗き込もうと背伸びをするんじゃねーよ、うおおと奇声を上げるなよ「見えっ……見えっ……」ってオットセイか何かか?お前らの周り、女性の目が恐いぞ?
それらの光景から目を離して撞木に付いている紐を持ち、目を瞑って深呼吸。落ち着け、大丈夫。スキルの演奏と音感とリズム感と精密操作はマックスなんだ、やれるさ。集中だ集中。
「ふるえるぜハート!燃えつきるほどヒート!」
おおおおおっ!
「刻むぞ、鐘突のビート!」
この日、この光景の目撃者達は口を揃えてこう言った。
「ダンマス幼女は達人、釣り鐘の達人だ。108……フルコ○ボだドン」
いつものイベント後の感想抜粋
「桜色した髪の巫女幼女ってのも新鮮です」
「鐘突き棒と共に荒ぶるアホ毛に全てを持っていかれました」
「基本に忠実な巫女服は見事でした。でも、何であんなに幼い外見でまとう雰囲気に艶が有るのでしょうか」
「次はミニスカ巫女服幼女を見たいです」
「鐘突き棒をあんな風に使って音楽を刻むだなんて、新しい世界に触れたと思いました」
「突かれたい」
「鐘を突く度に震えるバルンバルンばかり見てました」
「なんでこう見せつけたがるのよ。絶対にもいでやる」
ヒラッヒラ。
『なんでミニスカ胸開き改造巫女服を着てくれなかったの?キミなら絶対に似合うはずーーーー』
ーーーーすぱーん!!
「前にもくれた、もぎ子(仮)さんがまた出て来て怖いんだが」
〈他は……やはり変態発言が多いですね〉
「もぎ子(仮)さんをどうにか出来る方法を知らないか?」
〈無いです。強いて言えば、マスターのモノをもぐのは私の最終目標です〉
「もぐなよ。それより、もぎーー」
〈ーーしつこいですね。もぎますよ〉
「やめて!!」