奏太くんと藍ちゃん
私、きっと病気だ。
そう思ったら居てもたっても居られなくなった。
「奏太くん……大変なことが起こった」
だからとりあえず近くにいた奏太くんに相談することにした。
年下だけど奏太くんはとても優しいくて可愛い私の彼氏だ。
可愛いって言うと怒るけど、とても頼りになる。
「どうしたんですか?」
ほら、唐突な私の質問にも笑顔で答えてくれる。
「藍さん、どうしたんですか?」
急に黙り込んだからか、奏太くんが……いや、もはやカナたんと言わせていただこう。
とりあえず、カナたんが下から私をのぞき込んでいた。
この身長差も彼は嫌らしいが、私としては是非ともこのままで居てほしい。
上から見上げるカナたん可愛すぎます。
ありがとうございます……じゃなくて私、病気かも知れないんだった……。
「あのね、急に胸がドキドキしたり心臓が止まりそうになったりするの。これって不整脈ってやつなのかなぁ?」
しょぼんとしながらカナたんに問い掛ける。
カナたんはうーん……と少し悩んでから、どう言うときになるんですか?と私に聞いた。
「カナたんと一緒に居るときが多いかなぁ……はっ!もしやカナたんが原因!?」
「すみません、カナたんって何ですか?」
「萌えキャラっぽくしてみたの」
「やめてください」
「じゃあ奏太きゅんで」
「やめてください!」
「……怒られた」
しょぼんとすると奏太くんは焦ったように「そういえば病気のことですけど」と言った。
奏太くんは話をそらすのが下手だ。
そんなところも可愛いのだけれど。
「そうそう、奏太くんと一緒にいたら不整脈になるの」
仕方なく乗ってあげた私に奏太くんは「奇遇ですね」と笑った。
「俺も藍さんと一緒にいたら不整脈になるんですよ」
何故かニッコリ笑いながら言う奏太くん。
「ダメじゃん!?」
だから思いっきりダメ出ししてやった。
「このまま放っておいたら奏太くんも私も死んじゃうよ!」
ガクガクと奏太くんを揺さぶりながら言う。
私だけならともかく、奏太くんもだったなんて……。
「このまま一緒にいたら私たちダメになる!別れよう!ごめんね奏太くん!!」
そう言って私はダッシュしようとして思いっきりこけた。
それはまた盛大に。
「藍さん、大丈夫ですか?」
慌てて奏太くんが駆けてきて私に手を貸す。
私はその手を掴みながら、自分の心臓がバクバクと速くなるのを感じた。
「藍さん、それは不整脈じゃないと思います」
慌てて奏太くんから離れようとする私に、奏太くんが言う。
「違うの?」
私は首を傾げながら奏太くんを見上げた。
なんだか新鮮な気分。
「藍さんのも俺のも、好きな人がそばに居るからです」
そう言って奏太くんは私の手をグイッと引っ張って抱き起こしてくれた。
「だから、一緒に居なきゃいけないんですよ」
抱き締められて、胸がドキドキする。
好きな人といるのは大変だなぁと思った。




