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健くんと猫ちゃん
おどろおどろしい音がテレビから流れていた。
『それ以来そこでは死んだ女の叫び声が聞こえる』というナレーションの後に女の叫び声がテレビから上がった。
とても分かりやすい心霊特集だ。
俺が怖くも何ともない物でも猫には違うらしく、ギュッと握った両手が俺の腕を締め付けていた。
猫の目はテレビに釘付けで、不安そうに揺れている。
唐突に、俺は読んでいた本をテーブルに置く。
カタンと小さな音がして、びくりと猫が震えた。
視線を本に向けて、ホッとため息を吐くと不安そうに俺を見上げる。
「ったく……怖いなら見なきゃいいだろうが」
そう言いながら俺は猫を引き寄せて後ろから抱き締めた。
「怖くないもん!」
分かりやすい嘘をつきながら俺の両手をギュッと握る猫。
俺はそんな猫の様子に小さくため息を吐いて、素直じゃねーな。と呟いたのだった。




