里の外へ。
今回短いです。
「よかった…よかったけど、雛さんに怒られたのが一番堪えた…」
あれから5日。目を覚ました途端に目が笑っていない雛さんの顔が目に入って来た時は正直死を覚悟した。…割と本気で。
あの子はどうやら、病気の弟のために薬草を取りに行って、そのまま迷ってしまったらしい。両親に連れられて入って来た時には大きな瘤が…痛そうだったなぁ…まぁとにかく、お礼を言われたが正直怪我とかしていない事が一番良いことだった。
そして今は…
「治ったから、畑仕事…もう完全にやってる事農家だよね…」
畑で土を耕しています。…自分の体の治癒能力が高過ぎると思ったよ。前にあんなダメージを受けたらポックリあの世行きだね!…本当に人間止めて来たかな…あ、それと。
「お兄ちゃん、これはどこに蒔けばいい?」
「うん?あー、それはね…」
手伝いが増えました。前の助けた子供、少女でした…完全にボーイッシュな髪型してたから、完全に男の子だと思ってた…
何故かなつかれた…なんで?本当になんで?いやなんでさ…ロリコンじゃないよ?
まぁ、手伝いが増えるのは素直に嬉しいんだけど。
今日も一心不乱に、鍬を地面に振り下ろす。
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「今日の分は終了…疲れた…」
「大丈夫?まだ寝てた方が…」
「いいや、早いとこ元の体力を戻さないと…」
五日も寝てたから、せっかくついた体力がなくなってるからね…また起こらないとも限らないし…
「光牙さーん!」
「うん?なんだろう、どうかしましたか?」
「長老が呼んで来てくれって」
「…うげぇ、また長い階段登るのか…」
あの階段が一番印象に残ってるよマジで…あ、飛べる分、楽か!
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「それで、話とはなんでしょう?」
「うむ、お主らに使いとして、別の里に向かってもらいたくての…」
別にもあったんだ…それは僕でも分かるべき事だったなぁ…それにしても…
「今から…ですか?ちょっと急過ぎませんか?」
雛さん、それは僕も思ってたんだ。もっと言ってやれ!
「…忘れておったわい、すまん…」
「んがっ!!」
つい、ずっこけたぞ…何でそんな重要な事を忘れんだよ…
「いやすまん、歳はとりたくないのぉ…」
「…とりあえず、向かえばいいんですね?了解です」
「うむ、気をつけてな」
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ちゃっちゃっと準備を済ませ、出発した。
「あ、そういや、空を飛べるようになったんですね!よかったです!」
「…その代わり、テリーの声は聞こえなくなりましたけどね…」
あいつ、よく分からないまま消えてしまったなぁ…今度会う時はどうなってるんだろう…やっぱ、死んだ後かな。
「…そうでしたか…なら、その分頑張りましょう!ってうわっ!」
話の途中で何かが下から飛んで来た!どこからだ!?
「光牙さん、まだ来ますよ!…矢です!多分…」
「盗賊か…!?」
矢を避けながら、地面に向かう。
空中戦じゃ勝てる見込みが薄い、地面で迎え撃つしかない!