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龍の里。

「いっ…たぁ…」


《当たり前であろう、あの怪我だぞ?》


いや確かにそうですけど!…教えてくれたっていいじゃないか…


「あの、目は覚めましたか?」


そんな声が聞こえ、そちらの方を向くと長い黒髪の優しげな緑色の目をした女性が立っていた。


「ええ、まぁ目は覚めました…ここは何処ですか?」


「あ、この辺りに住んでいたわけではないんですね。ここはリュミエール、龍人の隠れ里です」


…どうやら、話を聞いてくれる人に初めて会えたようだ…長かった…って待って?


「僕って、何日位寝てました?それと剣とかありませんでした?」


「えっと、上流から流れて来たのが3日前ですね。それと剣…ですか?いいえ、ありませんでした」


なんてこった、あれに意外と愛着湧いて来てたんだけどなぁ…しかもメインウェポン喪失か…はぁ…


《何を言っておる、紅蓮は貴様の力と同義だ。呼び出せるであろうよ。》


「あ、そうなの?良かった…」


「あれ、今の声って誰ですか?」


…あれ、この声って僕以外にも聞こえるの?初めて…というより前の追い剥ぎどもには聞こえた様子もなかったから、僕だけだと思ってたんけど。


「…あー、説明すると長くなるんですけど…何故かずっと頭の中に響いて来てるんですよ…何か分かりませんか?」


「うーん…ごめんなさい、分からないです…長老に聞けば分かるかも知れないですけど…」


…今の会話で、大体確信が持てた。テリーの声は龍か、龍人にしか聞こえない…何故だろう。まだ判断材料が少ないから何とも言えないけれど…


疑問と言えば、何故あんな草原に僕はいたんだろうか…それに、僕もあの時、完全に…


僕の頭の中を、沢山の疑問が渦巻き、思案に沈む。


「あの…どうしました?ちょっと怖い顔してますけど…」


あ…しまった…悪い癖が…


「あ、ごめんなさい…僕、考え事をすると顔が強ばるって言われるんです。大体、そういう時にはいい結果が出ないんですけどね…」


「難しく考えすぎるって事ですか?たまには物事を客観的に見てみるといいですよ?」


「はい、アドバイスありがとうございます」


…愚痴みたいになってしまった…会って間もない人に何言ってるんだろうか…はぁ…


「…そう言えば、名前をお聞きしてませんでしたね、…はく…コウガ・ハクテンです」


…やっぱね、名前って西洋風だと思うんだ。あのまま名乗ってもいいけど、何かね…


「あ、西の方からいらっしゃったんですか?天羽雛です。よろしくお願いします」


「…すいません、知り合いにとりあえず人にはこう名乗れって言われたので西方の名乗り方で言ってました…白天光牙です、よろしくお願いします…」


…うん…こういう世界観って大体西洋の感じで名乗る物だと思ってた…実際だと違うよね…思考から変えていかなきゃ…


──────────────────────


「それで…何処に向かっているので?」


「長老様の家です。とっても優しいおじいちゃんなんですよ?」


うーん…おじいちゃんと言われてもなぁ…どっちの意味で?厳しいけど相手の事を思ってる感じなのか?それとも本当におじいちゃんみたいな感じ?


…にしても…家は中世とかの町並みにそっくりなんだな…てっきり家とかも和風なのかと思ってた…


「おう、雛ちゃん!何か買ってくかい?」


「あ、すみません、後でお願いします。光牙さんを長老の所に連れて行かないといけないので」


「あー、それは残念…それとアンタ、目が覚めて良かったな!今後からご贔屓に!これを持ってきな!」


そう言って、リンゴっぽい物を投げ渡す…ってちょっと待って!?


「おっとっと!急に投げ渡すのはやめて下さいよ…僕飛んでくるものを掴むのは苦手なんですから…」


「そいつは悪かったな!でもそれ食ってみ?絶対に旨いから!」


見た目は、青色のリンゴなんだけど…何が起こるか分からないからなぁ…そんな事を考えながら、リンゴ擬きを口に運ぶ。


「…あ、甘くて旨い…」


「だろ?」


見た目は毒々しいのにね…本当に、よく分からない果物だな…


まぁ、この後沢山貰って長老様の所に向かったんだけどね!





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