表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/198

再会。

「ちょっ、ちょっと……待って……吐くよこれ……なんか酸っぱい風味が口の中一杯に……うっぷ……」


白焔から降りると、足はフラフラ、視界はグラグラするはでまともに動けず、五歩ほど進んだ所で俺は地面に突っ伏した。


だってあんなに速度上がってるとは思わないじゃん……あんなんデカイ銃弾だよぉ……


「なぁ、ティナにリーネ。後で馬鹿って辞書で調べないか……?」


「構わんが? 何を調べる気だ?」


「私も気になるよ! 教えてレイン先生!」


「先生止めろ。……いや、何故か馬鹿って調べたらそこで伸びてるやつのことが載ってる気がしてな」


失礼な……俺そこまで馬鹿じゃねぇだろ、後先考えないだけだわ……それとすぐ物理に走るだけだわ……皆こいつにビシッと言ってくれ……


「そんなこと、調べる必要もないだろう……」


「そうだよレイン先生、分かりきったことでしょ?」


そうだ、その調子で……


「腕ごと爆破したり後のこと考えずに実行に移すやつは馬鹿以外あり得ない」


「脳味噌筋肉とも言うね!」


「おい、泣くぞ俺、ここで大きな声上げて情けなく泣きわめくぞ……」


「諦めろ、満場一致で馬鹿だとさ。……それとさっき言ってたことをやってみろ? 殴って黙らせるぞ、見苦しい」


こ、こいつ……!! 最初の頃のあの刺々しい感じじゃなく、困ったやつの扱い方にシフトしやがった……!!


というか止めろ、その目! 哀れみの目を! あぁ、こいつ頭可笑しいんだなみたいな目を今すぐ止めろ!


あ、待って引き摺るな……! 往来の目がなんか馬鹿を見る目になってるからぁぁ!!


俺は襟首を掴まれ引き摺られながら暴れ、レインの腹に何発か拳を叩き込んだ。


──────────────────────


「お前か、話にあったあの人達の仲間ってのは。聞いてたより多いんだが?」


「道中、色々とあって」


今、俺とレインはここの里長の人に雛達の居場所について話を聞いてる。リーネとティナは色々と見てくると言い、別行動中だ。


「話を聞いた限り、ひどい命知らずのようじゃねぇか。あんなんに一人で挑むたぁね。勇気なんて物じゃねぇ、蛮勇だな」


「……あぁすれば、他は逃げられると思ったから……」


「おっと、責めてるわけじゃあねぇんだ。協力とかはできなかったのか? ……まぁ、何言っても変わらんわな。もう過ぎたことだ」


煙管を咥えながら、そう言ってくる。確かに、あれが最善だった……とは言いきれない。それと煙管かっけぇ。


「……まぁ、なんだ……ようこそ南の龍人の里、ソレイユへ。坊主が探してた……探されてたか?まぁいい、そいつらはここにいる」


そういうと里長は、その場所を記した紙を、俺の顔に投げてよこした。……何故当てたんだ。取り敢えず……こういうのでも礼儀は欠かしちゃいけないよな……


「……ありがとうございます?」


「あ? 紙ぶつけられて礼とかそっち系統かおめー」


「前言撤回、殴らせろ」


そっちがその気ならこっちだって考えがあるんだよ! 武力行使じゃあ!!


──────────────────────


その後、敵う筈もなく、俺は腹と鼻を押さえながら歩いていた。……パンチ一発の威力じゃない……里長の家の壁突き破ってそれでも止まらなかったぞ……


「……あの人本当容赦ねぇな、何で全部顔面に入れてくるんだよあのおっさん……」


「目を狙われなかっただけ温情だと思え、すぐに殴りかかったお前が悪い」


こいつぅ……!


「取り敢えず、そこじゃないのか? お前の仲間がいるのは。久々に会うんだ、俺達は外で待ってるよ」


気付けば、俺とレインは皆が借りた家……その前に辿り着いた。


「出来れば、腕についての説明手伝ってくれねぇかなぁ……?」


「はっ、ぶん殴られてこい。怒られた分だけ心配かけてたってことだ」


「……それもそうだな、すまん、変なこと言った」


「いつものことだろう?」


「先にお前殴っていいかな?」


どれだけ馬鹿にすればいいんだこいつは……! さて、来たはいいものの……なんて声かけりゃいいんだ……? 心配かけたとか、元気だったかーとか?


……間違いなく怒られるだろ……この二つのチョイス……どうやっても怒られる気はするけど……いやでもなぁ……何も言わない方が怒られるだろ……


「なんだ、何を躊躇ってる? というか大体分かったわ、気色悪い……!」


後ろから背中に衝撃が走り、前のめりに倒れ、更に鼻を強打する。恐らく、レインが蹴りを入れたのだろう。


「ぶあっ……! 待って鼻がまた逝った! さっき血がやっと止まったばっかなんだけど!? 後そこまで言うか普通……!?」


「こっちだってお前がスッと入っていったら何も言わねぇよ!? けどよ、お前扉の前でウダウダしてやがりますから! なんです? お前後ろめたいことでもあるんです!? ないだろ!? ヘタレかお前は!?」


おおう……なんか怒ってる……そして認めたくないぞヘタレは。


「おい、うるせぇよ……家の前で喧嘩しないでくれま……す……?」


ロビンが扉を開け、俺に気付いたのか呆然としている。これは……うん。申し訳ない……


「ひ、久しぶりだな……?」


「……こんの……大馬鹿野郎がぁぁぁぁ!!」


「ぐふっ……!」


頬を思いきり殴られ、後ろによろけ尻餅をつく。


滅茶苦茶怒ってるよこれ……! どうすりゃいい……!?

































評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ