巨体…封殺しますか。
今回短いです…ごめんなさい…
「あぁ?羽虫どもが集まって何言ってやがる?俺様を倒すみてぇな事を言ってるように聞こえ…」
瞬間、魔法障壁で巨人の脳天に鈍い一撃が入る。そのまま倒れそうになった所を高速で二人が近付き、顔を蹴りあげ、竜巻が巨人を襲う。
「えぇ、その通りよ?」
「俺達はてめぇをぶっ倒す」
「里の皆さんを返してもらいます!」
「よくよく考えれば、あんたのお陰でいきなり痛い目にあったんだ…骨が粉砕骨折とかなら、安いものだろ?」
魔法を使用したのは雛、レーテの二人。顔を蹴り上げたのは光牙、ロビンのコンビ。図らずも、前衛と後衛が元々別れていたため、連携等は即興で拵えるという認識がそれぞれにあった。
「てめぇら…!ぶっ殺…」
「あーハイハイ黙りましょうねー」
ロビンが思い切り顎を蹴り上げ、強制的に黙らせる。そこに後衛2人の援護射撃が入り、巨人が膝を着く。
「ちょっ…まっ「トドメの一発ぅ!!」げふぅ!?」
すぐに立ち上がろうとするが、光牙の炎を纏った飛び蹴りによって撥ね飛ばされる。
「はぁ…よし。スッキリした!ボスとかには容赦しないのが普通だよね!」
「あら、まだ終わってないのに油断しちゃダメよ?」
土煙の中から、棍棒が振り下ろされるが、障壁によって防がれる。
「くそっ…!てめぇら覚悟…「黙ってて下さい」ぐはっ!」
一瞬で肉薄した雛が鳩尾に薙刀の柄の部分で殴り、黙らせ、巨人はその場に崩れ落ちる。
「皆容赦ないねぇ…怖い怖い。斬られそうだ」
「味方を斬るわけないだろ、状況判断位できる」
剣を収めながら、軽口を叩き合う。
「にしても…こんなに弱かったのねぇ…私たちだけで十分過ぎたわね」
「確かに、レーテさん達と戦った後だと…そうだ、龍人の皆さんは!?」
「こっちよ」
レーテの案内に従い、地下に降りていく。徐々に湿気が強くなっていくのが分かる。とても湿気が強く、少し蒸れて気持ち悪い…
「…ここに入れるって、かなりひでぇ話だよな。龍人とかを化け物としか見てねぇ」
「…それは、狼人と吸血鬼も化け物としか見てないですよね」
「確かにな。実際叩き伏せなきゃ、こっちも身動きとれなくなった」
…やはり、この世界での龍人等は化け物としか見られていないようだ。龍人の場合、その身を完全に龍に変化させられるため、それも相まって魔物のような存在と見られているのだろう。
「…人の偏見って、怖いよな…」
「はっ!俺にとっちゃ、魔物より人の方が化け物だね!あんたもそのうち化け物って言われんだぜ?」
そう言い、足を早めてロビンは先に行ってしまう。それを聞いていたレーテがゆっくりと近付き、クスクス笑う。
「あまり気にしなくてもいいわ。あの子はあの子、あなたはあなたよ。自分の道を進みなさい」
「あの子って…あなた何歳ですか…」
「あら、そういう事を女性に聞くのはマナー違反よ?」
その言葉と同時に、部屋の温度が少し下がったような気がした。笑ってはいるが、目は笑っていない。
(やべっ…こええ…)
「さて、行きましょう?」
「そっすね…」
暫く変な喋り方になった。こええよ…
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「着いたわね…ここよ」
「…うわ…酷い…」
首輪など、拘束具を付けられ、龍人が部屋全体に押し込まれている。
「とりあえず、鍵とか…ああめんどくさい!離れて下さい!」
格子戸を蹴りで壊し、中に入る。
「…すいません、遅れましたが助けに来ました!」