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さようなら人生、こんにちは龍生。

「こんな日でも強盗って出るんだなぁ…」


今現在、生まれつきの赤目赤髪の僕、白天光牙は、コンビニ強盗にあっています。いやなんでさ。本当になんでさ。しかも人質のせいで警察も迂闊に手が出せない状況…早く帰ってしまいたかったんだけどなぁ…


「くそっ、こうなったら…」


あ、何かこっちに向かってきた…いや待って!?何で僕の腕を掴んで…


「動くんじゃねぇ!こいつも道連れにするぞ!」


「何でそうなるんだよあんた!?」


ああ最悪だ!?生まれつき運が悪いんだよこっちは!…あ、ちょっと待って、そんなにナイフを傾けたら…


最後に僕が見たのは、赤い鮮血が宙を舞い、地面に落ちた光景のと、逃げる犯人の足だった…


─────────────────────────────


《お前を選んでやろう》


「…うぁ?」


もう目が覚める事はないと思っていたのに、何故か目が覚めた。


…草むらで。


「…公園で寝たのか?それにしてはやけに現実味のある夢だったなぁ…」


何故かふと気になり、腕を見た。すると…腕が鱗に包まれ、鋭い鉤爪が指についていた。


「…なんだよ、これは!?僕は化け物にでもなったのかよ!」


僕は自分の腕を擦り続ける。もしかしたら、誰かのタチの悪い悪戯だと思ったから…暫く続け、何も成果が無いことを確認出来、これは自分の腕だと漸く理解出来た…理解、してしまった。


「…取り敢えず…ここは何処だろ…」


辺りを見回すも、見えるのは木、木、木…木ばっかだな。それと広がる草原。


「歩くしかないか…人がいるといいけど…」


草原を行こうとした瞬間、僕の周りが暗くなる。


「何だろう、曇ったかな…」


空を見上げるとそこには、巨大な鳥がいた。その鳥は嘴を広げ、僕目掛けて襲ってきた。


…あっ、やっばいこれ…


「…そんな馬鹿な!?一番あり得ないパターンを引き当てた!」


森の中に駆け込み、身を潜める。それと同時にここは異世界で、自分の常識が通じない。その二つを僕は悟った。取り敢えず…


「どうやって、生き抜くかなぁ…」


《生きたいのなら、敵を喰らえ。あの程度の鳥、楽に倒せるわ》


「いや大きさがねぇ…は?」


…あー、ついに頭がイカれたのかな…理解が出来ないことが続いたからなぁ…


《大きさが何だ。それに頭は正常だ戯けめ》


「…えっと…あなたは誰?」


《む、何だ知らんのか?…おかしいな、丁度死んでいたから…いや待て、何故我はこいつと話せるのだ?そもそも我は誰だ?おい、教えろ》


「こっちが聞きたいよ…」


ああもう、鳥のせいで森に駆け込んで迷うし、空腹だし…空腹は満たせるかも。


「ねぇ、アイツを喰らえって言ってたよね」


《我は…我は…む?確かに言ったぞ?》


「じゃあ好都合だね、教えてよ、これがなんなのか」


鉤爪をプラプラと動かす。全く武器がないと思ってたけど、この鉤爪を使えばアイツを倒せるかも…!


《ふむ、お前は我と融合し、龍人というべき存在になったのだ…人の身で空を飛べるのだ、喜べ》


…拝啓、もう会えない両親へ。


僕は…


純粋な人間、止めてしまったみたいです。


《む!?おいまて、気絶するやつが…》


「あーあー、聞こえない…聞きたくない」


《聞いておるではないか戯けが…!》


何度でも言おう、何でこうなった!?






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