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断罪の時

の~~~ん!!ΣΣ(@ロ@

2/17 日間異世界〔恋愛〕ランキング1位!!総合8位!!2/18には総合5位!!

全てブックマークや評価を下さった皆様のお陰です。

本当に有難う御座いますm(__)m

 ロミオ殿下は、この場では誰からの反論も許さず、ひたすら一人舞台を繰り広げられます。


「魔女セーラだけが家族と離されて暮らしていたのも、家族が魔女の邪悪な本性を知っていたからです! 元々私との婚約も魔女セーラが欲した物でした! しかし、奴は己の自尊心を損なわない為に「王家よりの打診にしろ。さもないと家族を皆殺しにする」とクルー家を脅したのです! だからこそ、婚約は王家よりとせざるを得なかったし、結果的に私も婚約を了承せざるを得なかった! クルー家もランダース王家も魔女セーラの被害者なのです!」


 確かに、前に仰られたご説明と今回のご説明を合わせれば、魔封石が呪法を防げるという情報が広まる前に婚約自体は成立していた。即ち、まだ私の呪法を誰も防げなかった時に成立したとなります。

 上手く時系列を操作して、クルー家に叙情酌量の余地を作り上げましたね。


「魔女セーラの行いは王太子の婚約者以前に、人にあるまじき所業!断じて許しがたい! 国王陛下に進言致します! 魔女セーラの呪法よって砕かれた魔封石の欠片と、フローネ嬢を呪ったとされる証言も取っております!」


 その台詞を受けてずっと私を睨んでいた愚弟が、国王陛下の元へと駆け付け、書類と小さな袋を手渡しました。

 受け取った袋の中を覗いた国王陛下は、中から魔封石の欠片を1つ取り出し、次に書類へと目を通します。その間も無表情は変わりません。

 読み終えたであろう後、ロミオ殿下と同じく有り得ない事を仰いました。


「確かにフローネ嬢を呪った立派な証拠に証言だな。これでは、婚約破棄も已む無しだ」


 この言葉には、夜会に招かれている各国の賓客達も驚きを隠せません。

 でも、私は分かりますよ。要は、国王陛下も全てご存知なので、この断罪劇の一役を買っているという訳です。


「畏れながら陛「これでもう言い逃れは出来んぞ!」」


 ロミオ殿下が私の言葉に自分の叫び声を被せてこられました。

 更には、今迄沈黙していたフローネ様も何のお許しも無く勝手に発言なさいます。まぁ、皆グルなのだからお許しなどいらないのでしょう。

 ほほぅ、うっすらと瞳を潤ませてますね。この庇護欲をそそる役者っぷりで令息達をたらし込んだのですね。


「セーラ様!私は何度もご説明申し上げたでは御座いませんか! 王太子殿下とは、友人以上の関係は御座いませんと! 私は今でも貴女様が私を呪い殺そうとしたとは信じられません! でも、国王陛下が貴女様の犯行だと断定なさいました! こうなったら素直に自分の非をお認め下さい!」

「こんな心優しき彼女だからこそ王太子妃に相応しい。フローネ嬢よ、魔女セーラに慈悲はいらん。奴から聞かされた恐ろしい話を今一度皆の前で聞かせてくれ」


 何なのでしょう? 私がロビン家に訪れても一方的にフローネ様が自慢話をするばかりで、私は相槌を打つしかしてませんよ?

 フローネ様は、女性の裏の顔を知らない世間知らずな令息達には通用する見事な演技力を披露なさいます。


「……セーラ様は、私が何度弁明しても信じて下さいませんでした。しまいには、各国の要人からの依頼で、魔女に忠実な使徒達と共に呪法を用いた暗殺を請け負っている。私が持つ莫大な財は、その謝礼金だ。魔女の使徒達と呪力を持つ私こそが王太子妃に相応しい。死にたくなければ早急に王太子殿下から離れろとも仰って脅されました……」


 彼女が発した嘘の告白で、また会場中にどよめきが起こりました。

 この場には、私の屋敷に訪れていた方々も多分にいらっしゃいます。にも関わらず、私に暗殺を依頼していたと言われたのですから。

 当然、激怒なさる方もいらっしゃるでしょうが、そんな間すら与えず国王陛下がお応えになります。


「そうか、暗殺まで請け負っていたのか。なら、財産没収に極刑も致し方無いな」


 あら、私から何もかもを奪い取る理由をこじ付けましたね。

 と、思っていたら、ロミオ殿下は決定的な事を口にしてしまいました。


「いえ、国王陛下! 例え魔女セーラを極刑にしたとしても、まだ邪悪な使徒共が残っています! 私はランダース王家の名に掛けて、魔女セーラと魔女の使徒共を討ち取ります! 陛下!御許しを!」


 はて?先程から話に出て来ている魔女の使徒とは何でしょう?それにしても家名に掛けてしまわれるとは…

 私の中での答えが纏まらない内に、国王陛下もまさかを口にしてしまいました。


「お前の決意がそれほどとはな。では許す。見事相手を討ち取ってみせろ」

「はい! しかし、私の敵はあくまでも邪悪な魔女セーラと魔女の使徒共のみ! 魔女の呪法に見いられ、暗殺を依頼された方々もある意味被害者なのです! 魔女一行を討ち取った後は、なにとぞ彼等には一切の御咎め無きよう」

「分かった」


 ここまでの会話の後、今度は私の父であるクルー公爵が、やはり発言のお許しも無く、出番とばかりに応えます。


「国王陛下、勝手に口を開いた無礼は後程謝罪致します。しかし私は、皆に御咎めなきよう仰った殿下のお心広き内容に酬いたいと存じます。故に今、この場をもってセーラ・クルーは、クルー家より廃嫡、絶縁致します。更に、クルー家はランダース王家に組する事を宣言致します」

「クルー家の忠義、受け取ろう」


 国王陛下の返答をもって、夜会会場は今日一番の喧騒に包まれました。

 ロミオ殿下はランダース王家の名に掛けてと仰いました。これは、貴族が家の全てを掛けて相手を倒すという事を意味します。

 つまりは、貴族家が他家へ、若しくは王家が他国へ戦争を起こす時の宣戦布告に用いられます。

 理由は何だって構いません。例えば、他家や他国に不敬を働かれたという私怨であっても。

 但し、基本的には、国が相手であったり立場の弱い下位貴族が上位貴族に宣戦布告する時に用いられます。

 極まれに国王陛下の御許しさえあれば、没落上位貴族が成り上がり下位貴族への宣戦布告として用いられる事も御座います。


 今回の場合、表向き国王陛下はランダース王家とクルー家の戦力差が互角と判断して許可を出されました。

 しかし、ロミオ殿下は私という魔女と魔女の使徒のみを討つと仰られ、その直後、私はクルー家から廃嫡、絶縁されてしまいました。

 更には、お父様……いえ、もう父では御座いませんね。クルー公爵は、ランダース王家へ組するとも宣言なさいました。この宣言が重要なポイントなのです。

 普通、国と国との戦争なら王家の臣下としてクルー公爵の発言は何の問題は御座いませんが、貴族家同士の戦争の場合、大規模な内乱にならないよう、他の貴族家がどちらか一方に組したい場合も国王陛下のお許しが必要となるのです。

 そうです。国王陛下はクルー家がランダース王家に組する事を許可なされました。


 これでクルー家を含めたランダース王家、即ち、一国対私個人の戦争が成立したのです。


 こうなってしまっては、私に暗殺を依頼したとして濡れ衣を着せられた方々や、私を可愛がってくていた方々もどうする事も出来ません。

 フローネ様が暗殺を請け負っていると発言した直後なら、名誉毀損での抗議や謝罪要求、冤罪解明の調査請求等が可能でしたが、事は戦争にまで発展してしまいました。

 私に組してしまうと、魔封石を牛耳る国に戦争を吹っ掛けたという事になってしまうのです。

 そうなると、此方は生活に必要な魔封石の供給を断ち切られ、敵は魔封石により増幅された魔法攻撃を仕掛けて来ます。

 しかも、ランダース王家は魔女と魔女の使徒以外は咎めないとも仰いました。

 つまりは『ランダース王家が各国要人に被せた有りもしない罪を、ランダース王家自らが許してやる』と仰られたのです。

 魔封石を独占しているからこそ、誰も弁明出来ない事を利用して、自分達が作った冤罪を用いて各国に恩を売ったという訳です。


 しかしながら、この宣戦布告の一番の真意は、魔封石を作り出せる私を他国へと逃がさず、確実に葬り去る為の大義名分。

 あくまでも魔封石の製造法はロビン家のみが知り、ランダース王国が独占販売するという訳ですか。

 恐らく、フローネ様を王太子妃に据えるのも、ロビン家改めスカール家に恩を売ると共に、人質にする為でしょう。本当に強欲ですね。

 こんな壮大でエゲつない罠は、良くも悪くも普通の為政者であらせられる国王陛下や王妃様には思い付かないでしょう。間違いなくロミオ殿下がシナリオを書かれたに違い御座いません。

 改めて、腹黒王子様にはヘドが出ますね。


 ここ迄を一気に捲し立てて全てをお膳立てした当人は、今度は誰でもが分かるようにニタリと笑いました。


「既に、屋敷で働いていた者達も魔女の使徒共も全員捕らえているぞ」


 この台詞を聞いて嫌な予感が過りました。


「まさか……使用人達やお爺さん賢者達を……」

「フフフ、魔封石を持った者が相手を一撃で気絶させ、その間に牢屋に入れてしまえば、貴様が連中に与えた呪詛返しの加護も意味を持たないだろ? 拷問までは出来ないがな」

「もしかして、私を後宮に押し込めたのは……」

「お前が会いたがっていると言ったら簡単に信じて、どの国に住んでいようとも態々向こうの方から出向いて来てくれたぞ」


 確かに、彼等に与えた呪詛返しは物理的攻撃や毒に対しては効果絶大ですが、幽閉だと何の効果も発揮しません。

 私への人質兼、複製法を知る者全員を逃がさないという訳ですか。

 流石は腹黒王子様……いえ、もう愚王子で十分ですね。ここまで私を()()()させたのは貴方だけですよ。

 国王陛下も愚王子の暴走に踊らされなければ、後々愚王と呼ばれずに済んだのに。

 クルー家もロビン家も同罪ですね。あれほど()()()()()()()になるとご忠告申し上げたのに。まぁ、裏切るだろうなとは何となく分かっていましたが。

 愚王子の愚側近の方々に元愚弟もフローネ様……いえ、もうビッチ姫で十分ですね。ビッチ姫に良いように使われなければ、明るい未来が待っていたのに。


 貴殿方の望み通り、()()()()で破滅を差し上げましょう。


 ()()()した私の内心を知らない愚王子と愚側近の方々は、見せしめのように罵声を浴びせて来ます。


「貴様がもっと従順だったなら、性奴隷として生かしてやったものを」


 いやいや、愚王子の慰みものになるぐらいなら死んだ方がマシですよ。


「王太子妃の地位欲しさにフローネを呪うとは! 外見と違い、心は魔女そのものだな!」


 あらハック様、一応外見は褒めて下さってるのね。


「フン、魔女の使徒と言ってもジジィばかりだな。股を開いてたらしこんだのか?」


 ベンジャミン様……それはビッチ姫で、たらしこまれたのは貴方でしょ。


「貴様がロミオ殿下の婚約者になれたのが有り得なかったのだ! フローネこそが後の王妃に相応しい」


 ジャフ様、婚約は王家からの打診ですってば。


「魔女は殺せーーーーー!!」


 ……愚弟……貴方に掛ける言葉は何も御座いません……


 ひたすら私を罵る皆を涼しい顔で眺めていた愚王子が号令を掛けました。


「よし、私の騎士よ!骨の一本や二本は構わんが、魔女セーラを生きたまま捕らえるのだ! 使徒共と一緒に皆の前で火炙りにするのだからな!」


 火炙りとは、完全に私を魔女認定して見せしめにするつもりですね。各国の王子様達が貴方を恐れていたのも頷けますよ。

 余裕の表情をした騎士団長ご子息のベンジャミン様が私に歩み寄ります。


「魔女如き私一人で十分だ! それに、貴様を生け捕りにせねばならん! 魔女は火炙りと相場が決まっているしな!」

「そうですの? でも、火炙りどころか生け捕りも止めた方が宜しいと存じます。でないと()()()()()()()になってしまいますもの」


 私からの返事を聞いたベンジャミン様も、ロミオ殿下同様ニタリと笑いました。


「とんでもない事だと? フッ、呪い殺せるなら呪ってみろ! 私も魔封石を幾つも持っているぞ! 当然、呪詛返しも私には効かん!」

「そんな真似などしなくても、貴方は私をどうする事も出来ませんよ。それに、何度も申し上げますが、私に手を出すと()()()()()()()になりますよ」

「負け惜しみをほざく前に呪法詠唱でもすれば良い! それでも、魔封石が砕けている間に生意気な減らず口を閉じさせてやる! 覚悟しろ!」


 ベンジャミン様は怒声を吐くと、私の腕を取り、後ろで捻った後、体を床に押し付けます。

 しかし、その瞬間。


 バギィィィィィィィィィィーーーー!!


 辺り一面に凄まじいまでの何かが割れる音がしたかと思うと、夜会会場全体が暗闇に包まれてしまいました。

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