8話 邂逅 私と彼
私の名は苦栖 灯。この私立星楼学園にやってきた転校生。
趣味は人の上に立つことで特技は、ん〜、一応合気道を少し。チャームポイントは自然と赤みがかった肩までの髪。第一印象は針のしっかりしたいい子、だ。この転校デビューで私の計画のすべてが決まる!!けど、・・・・・決まるんだけどなぁ・・・。
実はバスの中でこの学校に来て最初の難関に現在進行形で差し掛かってたりする。
(財布、忘れてきちゃった。笑)
誰かから借りるにももう駅は到着してて、私以外の人はみんな降りてしまったわけ。運転手さんに謝るしかないのかなぁ・・・。くぅ・・・苦栖 灯最大のミス!!転校初日にこんな恥をかいては私の『学校の中心格に君臨して私のための学校にしてしまおう計画』が一気に崩れ去ってしまうぅ・・・。ここ数日着々と作戦を練ってきたのに・・・・。
「??君たち、ここが終点だぞ?」
と運転手さん。やばい、審判のときがきた・・・!!!
(ん?・・・君『たち』?)
「んあ?・・・・寝てたのか。」
と大あくびをする少年一人。真後ろに1人救世主がいたぁ!?
「お〜い、そこの二人〜。ここ終点だから降りてくれんか?ここの学生だろう?」
「ひゃい!?」
しまった、あせって変な声が出た。うわ、待って行かないでそこの女顔男子学生!!私の財布代わりになって!!
ガシィッ!!!
よし、捕獲成功。
「何。」
「バス代、貸してくれない?」
「嫌。」
えぇぇぇぇ!!??いい感じの女の子が頼んでるんだよ!?迷うぐらいしなさいよ!!いいからさっさと・・・
「貸せ。」
「嫌だ。」
(はぁ!?何よこいつ!!!)
「何でよ!?こんなかわいい女の子が必死こいて頼んでるでしょう!?男らしく貸しなさいよ!!女顔だけど!!」
「なおさら嫌。」
くそう!恥を捨ててでも借りなきゃ!!やさしめに!!!
「お願いだから!!転校初日からこれはかなりのイメージダウンなのよ!!貸して!!!」
「実は自分の分しかないんだ、お金。」
・・・・・・・・・・。
「え、・・・そう・・・。」
じゃあ、どうしよう・・・。うわ、ううううう・・・、計画、破綻か・・・。
「うそだけどね。じゃ。」
「嘘かい!!がっくり来て損したよ!!!なら貸せぇぇぇえええええ!!!!!」
借りたらその後ぶっ殺してやる!モザイクが必要なぐらいに嬲り殺す!!んで山に埋めてやる!!!
「つうかそこの座席に置いてある財布って君のじゃない?それ使えば?」
「え?」
私の財布!?置いてきたんじゃあ・・・。まさか?え、え、え?座席に置いてあるってどこに?見つからない・・・。えっと
「ねぇ、どこに落ちてるって?っていないぃぃぃぃ!!?」
てことは嘘かぁ!!!だまされたぁ!?
「あのぉ、降りないの?」
出たぁ!!地獄の審判者!!!(若干失礼)ど、どうしよう。お金ないので払えません、て誤ろうか・・・な。それともダッシュで逃亡?・・・まだ犯罪で社会的に死にたくないし・・・。
「さっきの子が君の分の代金って言って置いてったけど、いいの?なんかさっきの子かなり笑ってたけど・・・。」
「・・・あのぅ、すいません・・・私・・・・って、え?」
払ってくれた?あのさっきのやつが?あのいやぁなやつが?助かっ・・・た・・・?
・・・助かった?・・・・。
・・・あれ?・・・・。
・・・・笑ってたって・・・。
・・・・・・・くぅっ、
もてあそばれた・・・。・・・いいようにもてあそばれた。内心笑いながらあしらわれまくった・・・?この私が・・・あの一学生に?
(・・・・・・・・・・・・。)
「あ、・・・・あんのくそやろぉがぁあああああああああ!!!!!!」
いつか・・・絶対復讐してやる。覚えてろよぉ、女顔学生!!!ふ、ふふふ、ふふふふふっ、はぁっはっはっはっはっはっ!!!!!!
私の口から出た地獄の底からの声と笑い声に運転手さんはたいそう驚いたそうな。
私、苦栖 灯の計画、『学校の中心格に君臨して私のための学校にしてしまおう計画』の序章は、あの男に復讐し下僕として私に仕えさせることから始まるのだ!
続く!!




