6話 平凡な、朝
天井。
・・・・・・。天井。
「へ?」
小鳥のさえずりが聞こえる。・・・どうやら朝、らしい。いつもの朝だ。
(突然・・・だな、今回は。)
帰ってくるのが・・・と考える。もう僕にはクルやサンサ、クロセムのことをただの夢だとは思うことができない。少なくとも、あそこまで僕の夢がリアルになるはずがないだろう。だからこその帰ってきた、だ。
まだたった2回目の夢だけども、僕の中で3人は大きな存在となっている。
(・・・それにしても。)
「岩・・・ねぇ・・・。」
自分の腕を窓の光に当ててグーパーグーパー。指の間からみえる太陽の光がまぶしい。つうか目が痛。この細っこい腕がどうやったらあんな無骨な腕になるんだか・・・。しかもその岩の腕が動くんだから現実には到底起こり得なそうなことだし。・・・まあ、ゲームの中のゴーレムとかモンスターとかなら話は別なんだけどね。やっぱり異世界、とかそういうノリなんだろうか・・・。夢の中だけなんだから召還されちゃってがんばんないといけない勇者様よりはいくらかマシかも知れない、なんて訳のわからんことを考えてみた。
不思議なことがあったんだから他にもなんかあるんじゃねぇか精神を発揮してみると・・・。・・・割と本当にいたりするんじゃねえかな、勇者様とか。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ふぁ・・・
[AM8:16]
ちっ、遅刻!!!!?
僕はあわててベットから飛び出した。
「んぎゃ!!」
んで部屋の入り口に足の小指を打ちつけた。