37話 叫びと無数の映像
とりあえず僕らは何事もなく(まぁ、語弊というか、僕自身はわざとらしく怖がった隣の歌姫に抱きつかれ首を絞められ生死の境をさまよったけども。)お化け屋敷を出て、まだ残りの二人が来てないことを知るとお化け屋敷を振り返った。まぁだ出てこないのかぁ―――――
ぎいぃぃぃぃぃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!1
びくっと体がはねる。・・・・いや、ここお化け屋敷の外だよな・・・・。こんなところまで音が届くようにできてないだろう、普通。しかもこの声・・・・、聞いたことあるような・・・・。え〜っと・・・。
「・・・・・・・・・・社長さんの声か!?」
えぇ!!?っと驚く歌姫。
緊急事態に僕はさっき見たお化け屋敷の構造図を即座に思い返し、有効な手段を検討する。
まずは位置把握だ。犯人や社長たちとすれ違うなんてことは危険すぎる。確か・・・あそこはここから近かったはずだ。
「歌姫!ここで警備員よんで待機してて!!僕は監視室を見てくる!!!」
え、ちょっと、と反論がくるがそれを待つ暇なく僕は走った。
がちゃんっ!!
「失礼します!!!!」
な、なんだい君は!?という40代後半のおっさんの声を無視して僕は監視カメラに映る映像を注視した。
横では困るよお客さ〜ん、と頭をかくおっさんを無視して目的の場所を見つける。
(いた!!)
社長が走ってカメラを横切っていくのが見えた。先生は・・・・いない。
横で、まぁいいけどねぇ、っと監視カメラを見続ける僕を眺めるのをやめて、おっさんはテレビをつけた。音からしてニュース番組だ。
先生を見つけられず、焦った僕は手当たり次第にいくつもの映像を眺め、苛立ちを募らせる。
(!!!?)
そして、僕はその無数の映像たちの中で、ありえないものを見つけた。
「マジかよ・・・・・。」
僕は呆然としながら、つぶやいた。