22話 舞台裏で
「ごめん、買い物があるから。」
ということで戦線を離脱。4時間ぐらいいろんなゲームをやってた。・・・・大体勝ったのは僕だけども。
そんなことはともかく3人前で減ってしまった食料を買い足しに外に出た。もうすっかり辺りは暗い。
(・・・寒ぅ・・・。)
春先でもやっぱり夜は冷える。ブルルッと震えた僕は道を歩こうとした、が。
(あ、そうだ。携帯・・・。)
あの路地裏に落としたまんまだった・・・。取りに行かなくちゃ・・・。さっきのあいつら、いないといいけどなぁ。また面倒なことになったら困る。
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「剛田さん、命令どおりあの女の連れ捕まえてきました。」
と入ってくるモヒカン男。さっき絡んできた奴である。そいつは目の前にいる大柄な学生服の男・・・剛田に使い慣れない敬語でしゃべった。
「よぉし。ブツは手に入ったな。おい銀二、兵隊は集まったか?」
どっしり構えたその姿は周りの空気を張り詰めさせている。周りにいる数人の強面の男たちもその空気に呑まれ、手に汗握っている。
「お、おう。しかしよ剛田クン、100人ぐらい集まるがいいんですかい?たった1人なんでしょう?」
強面のうちの1人、銀二が答えた。確かにおかしいといわざるを得ない。
「かまわねぇ。いやぁ、むしろ足りねぇ位だ。奴は半端ねぇバケモンだからな。」
「そ、そうっすか、ならいいか。とりあえず今は〜・・・、80人ぐらい集まってます。」
「よし。ならそろそろ始めるぞ。」
そうして剛田の取り出したものは、・・・汚れた携帯。そのアドレス帳の、ある番号にかけ始めた。
ガチャッ
「どうした?狂ちゃん。」
電話口に低めの女性の声が響く・・・。
「そろそろ俺の舎弟になってもらうぜ、・・・・強人。」
ニタリ・・・とその男は口をゆがめた。