19話 台風の後
午後2時くらい、寄り道後の僕の家。やっほ〜い、なぜだか居間が荒らされてる〜。
つうか文字通り荒されてるってどういうことさ・・・・。なんていうか・・・台風が通り過ぎた、みたいな? その中心に人影2つ。
「よぉ、帰ってきたか。なんか不法侵入者がいたからとりあえずしめといたぞ。」
「た〜す〜け〜て〜。」
(・・・・・・?)
・・・・・。いや、先輩がいるのはわかってたけど・・・。その下に踏み潰されてるのは・・・あかる?何であかるがこんなことに・・・・。つかなんでここに?
「あかる、説明プリーズ。」
「暇だったから鍵開いてない狂人の家に窓から入ったんだけどさぁ・・・。少ししてからこの人がぁ・・・・。」
・・・それは犯罪です。
「回想するよ・・・・。
そう、あれは入って数分後・・・。
「おっじゃま〜。勝手に入るけど気にすんなよ〜、つうか狂ちゃん合鍵の位置ぐらい変えろよなぁ。」
「・・・・ども。」
ん?って固まっちゃったよこの人。つうか誰?あいつの知り合い・・・だよね?
「・・・・推理するぞ。まず第1に鍵開いてなかった。第2、窓から入ったぽい。第3、なんかかわいい子だ。第4、あいつ友達いない。」
「は、はぁ・・・。えぇっと・・・。」
「貴様空き巣か!?」
「えぇ!?てか第3の理由が嫉妬っぽい!?」
「空き巣は犯罪だぞ!!!・・・・・鎮圧してやる!!!!」
「ひゃぁぁ!!」
早!怖!?てっ・・・てい!!
「うおっ、俺を投げ飛ばすとは・・・。やるな!!」
ひゅん、たっ、たっ!だん!!
「投げ飛ばしたのに天井と壁使って着地したぁ!?」
「戦いはこれからだぁ!!ふふははは、久しぶりに燃えてきたぜぇ!!!」
「ひぎにゃぁぁぁ!!!」
〜10分ほど割愛〜
今に至る。って訳よ。」
「・・・・そう。なんかすごいとは思えど、僕んちが大変なことになったのは変わらないんだよね・・・。」
台風が通り過ぎた、で説明済ませたけど詳しく説明するとTVが倒れて、いくつかコップが割れて、ひそかな趣味だった僕の観葉植物のサボテン君が端っこに転がってる。ベットの掛け布団がぐちゃぐちゃになってて、枕からは中身が出てる。なぜか天井にコゲ後があるし壁には鋭利なもので切り裂いた!!!的な傷ができてる。ガラスが割れてないのが奇跡に近いような惨状だ。・・・・家族がこれ見たら卒倒するな。
「・・・狂ちゃん、実はこいつ知り合いだったりすんのか?」
「うん、クラスメート。」
「・・・・・よいしょっと。」
「ううううう・・・・。なんなのよこの人ぉ・・・・。」
よしよしっと頭なでてやるととりあえず僕の後ろにひっさがって様子を見ている。・・・僕を盾にしてるつもりか、こいつ。
「うちの学校の卒業生。んで・・・・・。」
「はぁ、強人・・・ねぇ。」
「あんたもなかなか強かったぜ?そうだなぁ・・・町の番町クラスか、デスイーターぐらいに。」
「・・・・・デスイーター?」
「あ、やめとけやめとけ、この人たまに訳わかんねぇこというから。」
変な人だから、って小さく付け加えておく。
「訳わからないって何だこら。そんなこと言ってると焼肉食わせないぞ。」
「僕の所有物だけど!?」
「弱肉強食。意味、弱いものの肉を強いものが食う。」
「なんか間違ってる!!」
「焼肉かぁ・・・。ありがとね、狂人。」
「僕に拒否権は!?」
「弱肉強食。非常任理事国は黙ってなさい。」
「ぐぅ!世界公認の不平等を今初めて呪ったよ!!?」
ぐぅ〜。×3
「・・・・・とりあえず片付けようか。それからだね。」
「「はぁ〜い。」」
・・・。
天井と壁を謎の業者を呼んで30分もかけず修復してたり。(あかる)
サボテンと自分の将来についての不満を語ってたり。(僕)
何もしてなかったり。(先輩)
「誰も片付けしてない!?」(僕)