15話 ビンタ
星楼学園、放課後。
「やっぱりあいつ・・・・来てないんだ。」
「あかる、ちょっと。」
「あっ、はい。え〜と・・・、先生。」
「ふふ、別に教人でもかまわないぞ。あいつ、狂人もそう呼んでるからな。」
「はぁ。」
「でその狂人のことなんだが・・・。」
ぴきゅん・・・・ぴきゅうんぴきゅん。ばしゅ!ばしゅ!
ぱぱらぱっぱら〜。ぴこん・・・・ぴこん。ぱぱらぱっぱら〜。
たたたたたたたたたたたたたた!!!!!だぁ〜ん!ど〜ん!!!
「・・・・つまんない・・・。」
こんなにゲームがつまらないってのは久しぶりだ。・・・。久しぶりに学校休んで・・・・、でも、こんなにもつまらない。
「はぁ・・・。」
(僕・・・何やってんだろ・・・。)
(・・・当然か。)
僕は『狂人』で、狂人は『僕』。僕は嫌われていて、その原因を作ったのは僕。夢も現実も同じ、狂ってるやつは狂ってて、僕は平凡なんかじゃなくて、むしろあの時の変質者に近い異常者。よく平凡ななんて言えてたもんだな・・・。笑えてくるよ・・・・。
居場所がないのはいつもどおり・・・。僕が勝手にあかるのそばに居場所を作ろうとしただけであかるのせいなんかじゃない。
サンサとクルにおびえられるのも、僕が根っからの『狂人』だから。あの子達は何にも悪くなくて、勝手にキレてカッとなって狼を殺した僕のせい。
関係のない別のものを殺すことは僕にとってどうでもいいことで、この考え方も異常。加減なんかしなかったし狼相手にあの岩の体で本気で殺しに行った僕の行動も異常。それを隠すどころか人の目にさらしてしまうような僕自身が異常・・・。
(異常で・・・。)
(狂っている・・・。)
(嫌われてて・・・。)
(危険な・・・。)
(僕はただの、『狂人』・・・なんだ。)
「・・・私は今、怒ってるわ。」
(・・・え?)
あ・・・かる?何で、ここに?・・・いや・・・。
「何・・・?」
「私は今、怒ってる。あんた・・・・・・・・私のこと、なめてるでしょ。」
(そんなこと、ない・・・。)
ただ、・・・ただ僕は、狂人でしかなくて・・・。
「私はね。」
あかるは目を細めて言った。
「私は人が怖くなるほど弱くなんてないの。見くびらないで。」
「!・・・・でも・・・。」
「あんたは狂人?異常者?・・・知らないわよ、そんなこと。そんなの、私には関係ないことよ。」
(・・・・・・)
「私はもともとあんたとは仲良くなるつもりなんてないもの。あんたは私の好敵手で、それ以外のなんでもない。」
ライバル・・・?
「頭がおかしいから人を殺せる?人を殺すだけなら誰だってやれるわよ。」
「でも・・・、僕は異常で・・・・。」
だから危険で、流した血を見てもどうも思わなくて、どうしようもなく狂ってて・・・。
「異常?通常がなんだって言うのよ、狂人?人なんてどこかしら狂ってるわ、あんただけじゃない。」
あかるは続けて、
「私はあんたのどうでもいいプロフィールに振り回されたりしないの。私は私のしたいようにするわ。・・・・だからね、私はは今、こうする。」
ッッバチンッ!!!
頬が熱を帯びたようにじぃんとする。
「・・・学校に来なさい。あんたがいないのは・・・少し、つまらないわ。」
「帰る。」
あ・・・、
「・・・・・あり・・・がと・・・。」
そろそろゆっくりペースにして行きます。
一日にひとつアップできるといいですねぐらいです。
それでは失礼。黒田猫男でした。