11話 夢 子供たちの悩み
「ねえ、どうして!?お父さん!どうして私たちにエンシェントを教えてくれないの!!?」
「そうだよ!!僕らはまじめにやるつもりだよ!?」
僕とサンサは父さんの部屋で抗議する。でも何と言ってもだめ、の一点張りなんだ。
「だめだ。お前たちにエンシェントは教えない。」
「お父さんの・・・お父さんの・・・・馬鹿!!!」
「あ、サンサ!!ふう・・・、・・・お父さん、僕も納得なんてできないよ。・・・サンサの所に行ってくる。」
泣いて出てったサンサを追って僕も父さんの部屋を出て行くことにした。
サンサは・・・。家・・・にはいないみたいだな。じゃあ・・・ヴァンのところかも。あの馬鹿、面倒掛けすぎだよ、もう・・・。
「うぅぅぅ・・・。」
やっぱり、泣いてたか・・・。
「クル・・・・。ねぇ・・・どうしてお父さんはだめって言うの?私、わからないよ・・・。」
それはたぶん・・・。
「母さんのようにしたくない・・・とかって思ってるんじゃないのかな・・・。」
「グズッ・・・なんで?お母さん、あんなに楽しそうにエンシェントやってたじゃない。」
「でも、母さんはエンシェント使えるから死んだようなもんだからね。」
「わかんない・・・、わかんないよ・・・。だって・・・お母さんは」
「そうだな。・・・。」
はぁ・・・。どうしたらいいんだろう。
「なぁ、ヴァン。どうしたらいい?僕らは・・・。」
まぁ、答えないことはわかってるんだけどね・・・。年に何度かしか返事をしてくれないっぽいんだよね、ヴァンは。
だいたい返事してくれるのは夏至あたりに2〜3時間ぐらいで。
「今は、僕たちだけで何とかしないといけないんだよね・・・。」
ふぅ〜。
僕の吐いた息は、白く漂っていった。そこにちらちら見え始めた銀色のつぶ。
「サンサ帰ろ、雪が降ってきたよ。ほらほら早くしないと。」
僕は、ぐずるサンサの手を引っ張ってさくさくと霜の降りた道を下っていった。
着々と進んできました・・・。
今は時間に余裕があるんでバンバンアップしていきます。




