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第一章 capter-3   「根底にあったもの」

 それから2日程したある日、順、イフットと共に須賀谷は久しぶりに藪崎のいる生徒会室へと召集を受けた。

 ーー全く、なんだというのだ。

「やぁ須賀谷君。まずは今回、大会の後に軽く触って今まで面識のなかった人を……紹介したい」

 相変わらず改造制服を着ている薮崎を見て変わりはないなと安心しつつも、篝火二号機の持ってきてくれたお茶を口に運ぶ。

「……どうも、お初にお目にかかります。古海・マルクカ・テスラ・コレカイですよ。こっちの発音じゃ上手く言いにくいんでマルクカか古海と呼んで下さい」

すると痩せ型かつ長髪で長身の白衣を着た科学者が部屋の置くから歩いてきて、軽く会釈をしてきた。第一印象としては、不健康そうな顔をしているという事だ。

「マルクカさんは君のタマチルツルギの開発並び順のアーマー、そしてこの篝火二号機の設計をした男だ。とても我々の側の人間として欠かせないものであり、そして……異界の人間でもある」

「……っ!」

その言葉を聴いてイフットと俺は驚く。

「正確には亡命者ですがね。私自身は頭脳労働担当の科学者でありますよ。私は彼らのやり方が許せなくてこちらにきた……いわば彼らのやり方ではマッドサイエンティストの烙印を押された男でありますがね。……まぁそれでも私自身は最低限の常識はあるつもりなので宜しくお願いします」

 するとマルクカと名乗った男はそれを察したのか頭を下げ、 申し訳なさそうな顔をして謝罪をしてきた。

「……貴方もあのフランベルグとか言う男の子のように超人的な身体能力はあるんですか?」

 イフットが、妙そうな顔をして訊ねる。

「まさか。運動は個人的に嫌いではないですが私はあんなふざけたステータスは持ち合わせちゃいませんよ」

「あんなふざけたステータスと話すという事は彼らについて何か……知ってるんですか?」

「彼らは生み出された生命体……国際資源技術発掘部開拓科所長、ジンメール達の黒船計画の為に生み出された兵士ですよ」

「生み出された生命体? それに黒船計画とは?」

「一個一個説明しましょう。まず私達の世界は元々緑光暦という暦を使ったこことは別の世界の生まれでした。そこの世界はここの世界よりも比較的その、科学が発達していましてね。私の専門外の分野でも言葉で再現できないのがアレですが相当に発達をしていましたよ。記憶媒体、食料保存技術、航空航宙技術……」

「航宙って……何ですか?」

「宇宙……どう説明していいのか分かりかねますが……真っ暗なところですよ、なんといったらいのでしょうか、人間にとっては生身でいけない深海のような場所です」

「成程」

「だがしかし、技術の進歩した文明というのは資源の枯渇をするんですよ。どうにも宿命から逃れられないことなのですが、我々の世界では世界の隅々までを開拓してしまい、天然資源が足りなくなってしまったのです」

「ふむ」

「そこで私は再生エネルギーというものを研究していたのですが、国際資源技術発掘部開拓科所長のジンメール……私の元上司ですが、あの女は、資源がないなら他の世界から奪えばいい、そう結論を下したのです」

「成程……」

「私も研究のことになれば多少周りが見えなくなることはあります、でもあれはいくらなんでも他の世界からの略奪を正当化するのは人間としておかしいものだとそう私は思います」

「……上司を、恨んでいられるのですね」

「私のところでは一周が7日周期でしたが、週6日勤務で昼2時出勤、翌日5時退勤とかふざけてるとおもいませんか? ……おまけに住宅手当もつかないし通勤手当も月に1万……そうですね、こちらの単位ではエルカタルでしたか、それすら寄越さないんですよ」

「それは酷い……」

「コンプライアンスの欠片もなくて若い人間に死んでくれと言っている態度も憎いですが、ジンメールのやり方はさらに私服を肥やし我々に還元させようとするものでは無かった……それに尽きます」

「そうですか、だからこちらの世界にこられたと」

「……えぇ。彼らのこちらの世界での所業を知っておられるでしょう? だから私は彼らと戦うつもりでこちらの世界に亡命したのですよ。あんなものが存在していい訳がない、そう思いましてね。やり方が気に食わないんです。富んだ者達は富んだ者達でそ知らぬ顔をしていますからね。逆恨みとはいえ、許せないんです」


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