赤磐の泉
岡山県東部に、赤磐市という町があります、
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むかし、むかし、そこは、山間の静かな村でした、
そこの山の麓の小さな家に、いつも仲良しの、お爺さんと、お婆さん、二人が暮していました、
ぽかぽか陽気の、春の日のことでした、
お婆さんが、朝のご飯の支度にと、谷のほうに、山菜を取りに出かけました、
しばらくして、お婆さんが、山菜を待って、家に帰ってきました、
ところが、お婆さん、すっかり様子が違っているのです、
お爺さんは、腰をぬかして、驚いきました、
「シチ!」、「シチだね!」、お婆さんの名前を,『シチ』と呼びます、
お婆さんがすっかり若くなって、帰ってきたのです、
お爺さんと、結婚した時のような、若々しさです、
「どうしたんだ!、すっかり若くなっている!」、
お爺さんは、気が狂ったような声で、お婆さんに尋ねました、
「やっぱり!」
お婆さん、声も、すっかり若返っています、
「不思議なんだよ、見て、お爺さん、ホラ」
お婆さんは、着物の胸をはだけ、おじいさんに見せました、
眩しいくらいの若々しい、プルンとした、乳房です、
昔は、鏡がありません、
お婆さん自信も、自分の乳房を見て、触って、あらためてビックリ、
「北のほうにある大きな赤い岩の下から浸みている、泉の水を、飲んだら。
急に、身体が軽くなって、疲れも取れ、シャキッとしてきたんだ」。
「おじいさんも、あの赤岩の下の水、飲んできなさいよ」。
すっかり、若返った声で、お爺さんに勧めました。
「おう!、わしもその水を飲んでくるよ」
「今すぐ、行って来る」
あわてて、おじいさんが出かけて行きました。
お婆さんさん、と言っても、若い娘さんのように、すっかり若返った、お婆さんですが、
いそいで、朝ごはんの支度をして、お爺さんの帰りを待っていました、
結婚した頃のお爺さん姿を思い出し、
結婚した頃のお爺さんの元気を思い出し、
お爺さんの帰ってくるのを、ワクワクしながら、待っていました、
懐かしい、お爺さんと初めて恋をしたころのような気持ちが蘇ってきました、
ところが、お爺さん、
なかなか、帰ってきません、
待ち遠しくて仕方ありません、
お婆さん、すっかり、乙女の時のような、心に変わってしまっているのです、
もう、待ちきれません、
お婆さんは、赤岩の泉に、おじいさんを捜しに行きました、
お爺さんは、どこにもいません?
泉のそばで、赤ちゃんが、泣いています、
お婆さん、赤ちゃんを、そっと、抱き上げました、
じっと、赤ちゃんの顔を見て、
どこと無く、お爺さんの面影が強く残っています、
お婆さん、あきれてびっくり、
「お爺さん、この赤岩の水、飲みすぎなんだよ!」。
※、岡山県赤磐市のどこかに、こんな泉の水が湧いているかも知れませんよ。