放課後
あっけらかん。
なんだ。
周り道したららくしょーじゃん。
あたしバカじゃないから、
興味本位で頭を出して覗くなんて
馬鹿なまね、
しないしね。
「こんにちはー。」
おっちゃんがいる。
「こんちは。」
「私の自転車見にきたんですけど、、、」
「おじょーちゃん、うちで修理だしたかい?」
オジョーチャン?
「あっ、「かたに」で出してると思います。」
「かたに?」
あーっ
できれば察していただけると!
「こんくらいの長身の男の子で、」
「、、、、、」
うー、ん?って顔しないでよ!
「髪こんくらいで、黒髪で」
「、、、、、」
「さらっとしてて、」
「、、、、、」
「足が細くて長くて」
「、、、、、」
「色白で」
「、、、、、」
「あっでも眉毛濃ゆいかも。」
「、、、、、」
「や、目切れ長だから、そー見えるだけか、」
「、、、、、」
「あっでも二重??」
「、、、、、」
、、、、、。
「つまり、
イケメン!」
「そう!」
って、
ちがーーーーーっう!!
ここに来てないの??
???
あまりにもぐちゃぐちゃで、
『はいひんかいしゅー』行きとか。
ひゃぁーっ!
あたし自転車買い替えるほどお金ないよ?
「そういや、昨日隣に客が来てたな。」
となり、、
、
となりぃいっ?!
「この!!松井優作っ!!て聞こえた。」
かたにくんだぁぁぁぁ。
あっーもう、
なんで
となり
行っちゃうの???
「あのばあさんがえらく騒ぎ誉めてたから、
よっぽどまじめな子なんだな。」
、、、、、、、。
そうだ。
香谷くんはイケメンだし、ほどよくマッチョだが、
制服いじってないし、
別に髪セットしてる感じさえないし、
て、
眉くらい剃ってるくらい?!
あーーーっ
この世には油取り紙さえ不要な人間がいるのね。
って
つまり
あたしは隣に頭突っ込まないといけないわけ。
おのずから
あ、
みづから?
しかも
頭だけじゃなくて爪先からてっぺんまで。
しかも、!
「ちわーす、あっしのチャリありますか、
修理してくれますか?」って、
声まで。
のぉぉおーーーーーーーーーーーっつ!!
とりあえず油取り紙、
じゃなかった、
ビオレクレンジングシート!
アイライン落として、
あ、
リップもだめ?!
もーっ
ファミレスのおっさん拭きしなきゃだめ??
ぎゃあっ
ダメーーッ!!!
いずれにせよ、
眉は生えてこないやんっ!!!!!!
あ、
眉毛はおっけー?
いやいや、松井優作は特別やん。
もっー
やっぱ技術部に頼めば良かった!
無料の上に
電動サイクルやん!!
「こんちはー」
お?
、
おっ?!
「ばあさんの喜びようによると、
松井優作やな。」
いるーーーっ!!!
ぎゃーーーーーーーーーっ!!!
いる?!
いるっ??!!
っ!?!
ほ、本物?!
って!
おちつけ、あたし。
ただのどーきゅーせい。
同じがっこの。
第一、眉毛濃くないし!
松井優作、
チャリ屋に来ないし!
ただちょっとにらまれただけだし、、
そう!
今日午後12:40に2−6の教室で鍵を返しに来た私に対して、
「何しにきたんだこいつ。勘違いすんな」って顔で睨んだ人物がいるだけ!!!!!!
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。
ぎゃっーーーーーーーっつ!!!!!!!
ムリ!!!
頭突っ込むなんて無理!!!
ぜったい、
無理!!!!!!!!
かたにくんに睨まれたら、
まじ、
「蛇に睨まれた」気分!!!
(あっーなるほど!こーゆう時に言うのね、!)
しかもその上にコワいおばあさんに眉毛がないって(隣に立ってる人には言わないのに!!)言われて、
化粧ーどーのじゃなくて、顔がなってない(!)って言われたら?????
、
キャントアラーイブ。
「ほれ、行ってこいな。」
ドン。
どん?
ガターーーーーーーーッン!!!!!!
「だいじょっぶかっ!?じょっちゃん??!!!」
佐井田杏、人生(享年16)でこんなにおじさんを恨めしいと思ったこと、
ありません。
そして
やっぱあたしは、
「おじょーちゃん」じゃあない。
だってこのかっこ。
痛すぎて、
顔、
あげらんない。
ってことにして、
このままうずくまっていい?
あーーーーーーーーーーーーーーっ!!
、、、、、、、、、。
「ぶっ!、、
あははは!!
佐井田さん、
、、、
だいじょぶ?」
ぶふふふっ
って、
おい!
全然心配の色が見えない。
そこ笑うとこじゃあないっしょ。
こっちは小学一年生以来に膝擦りむいてるってのに!(怒)
「佐井田さん」
「パンツが見えそう」
「ぎゃっ」
なんですとーーーーーーっ?!!?!?
「い、いま、、み、っ?!?!」
「うん、」
ガクッーーーーーーーっ
フツーの顔で、
それー????
「見えなかったよ」
、、、、、。
あぁ、そこで句読点はぁ用いるべきじゃないよ、香谷君、、、。
「膝擦りむいてる??」
うん。
だからさっきからそーいってるじゃん!!!
(こころのなかで!!)
、。
あれ?
て、
心配してくれてる??
「おじょうさん、奥にバンソーコーあるから、まっておきなさい。」
ぎゃっ、忘れてた!!
おばーさん!!!
「はいっ!」
「うん。返事は大変よろしい。」
やれやれ、
バンソーコーじゃなくて、
ビオレクレンジングシートを、、、。
ってそれじゃあ、間に合わなーい。
かばんにあったけ?????
「じょっちゃん、ごめんなー、悪気はなかったんだ。んなにびっくりすると思わんでよー。きゅーきゅーばこ俺もとってくりゃあ。」
「ありがとうございます、、、。」
じゃ、なくて、ビオレクレンジングシートを!!!
ってあったけぇーーーー?????
「、、、、何探してんの?」
ぎゃっつ!!!!!!!
佐井田杏(16)すべてを忘れてました。
現在危機的状況。
①睨まれた香谷くんに現在真向かいで顔を合わせていること。
②躾に厳しいおばあさんにたぶんあと十数秒後にまじかで対面すること。
「はい。」
へ、
ハンカチ??
「それかそこでぬらして来ようか。」
ぁあーーーーなるほど、そうすれば、
蒸らしタオルがわりになるねぇ、、。
って
ちがうわよ、佐井田杏!!
たぶん香谷君はそれを傷口に使えといっているのよ!
きゃあ!
これって女の子憧れのシチュエーションじゃない!?
すんげーーー。
よかったー。
ビオレクレンジングシート探してるってばれなくて。
(しかもあたしハンカチ持ってないし。)
「ぎゃ!!!!」
いったぁああーーーーーーーっい!!!!
「ちょっと!」
香谷くんいきなり何すんの????!!!!!
「さっきから「ぎゃ!」ってさけんでばっかり。」
きぃっーーーー!!!
にやにやしてわらうな!
ひとのふこーをわらうな!
って、
改めて見ると、
いったーーーーーーーーーーーっい!!!!(泣)
「ところでさ、」
!
でた、!
この顔!
ちがうんだっって!!!
あたしは鍵を誰にもわからないようにこっそり返しにきただけなんだって。
別にスポーツ大会のサッカーの優勝戦でキャーッ先ぱーいっ!とか叫んでる一年の女の子とかとは違うの!
ちゃんとこっそり靴箱に入れたげたでしょ!!!
「なんで昨日言わなかったの?」
「へ?」
なにお?
「教科書。
今日、生物あったんだろ。」
「、、、、、、、、。へ?」
「昨日、なんか言いたげだったのに、言わなかったじゃん。
俺、勘違いしてTシャツとか、、、、。
今日こっそりうちのクラスまで借りに来てて初めて気づいた。」
「ちゃんと今度は言えよ。」
、、、、、、、、、、。
いや、着るのも必要だったけどね、。
って、
へ?
まさか
まさか
それで
それで
あのかお????
二アリーイコール、ライトアンサー
かんがえうるりゆうその4よん!
『単にあの顔が常。』!!!
よかったーーーーー。!
刑務所にも退学にも停学にもならなくて。
あたしのぼうそーもたまにはいいほうに転ぶ。
てかたまじゃなくて、
これが、
初めてじゃない?
「なあ、聞いてる?」
「で、あと、あれ、」
まてよ、
ってことは、、、、!
「、くつばこに、、、、わざわざ??」
くっくっくっくっ
おい!!
あたしの今日の生物の時間をつぶして考えてやった方法なのに!!!
「だって気づかれたらまずいでしょ!!!」
第一一番の原因はあんたのその顔だっつーの!!
「気づかれずに返す方法ならあるじゃん。」
「たとえば?」
反論。
「俺が佐井田さんに鍵を返すなら、
「これ、落ちてたよ。」って手渡すけど。」
むむ。
まだ反論できるぞ。
「でも、鍵だけじゃ誰のかわかんないじゃん。」ってなんでにやついてんの!
「水性マジックで、「4組佐井田」って書いとく。」
さらっと答える。
「んなの、あたしがばかみたいじゃん!て、誰ん家のか分かったら、鍵の意味がないじゃん!」「でも、国語の教科書の裏にはマジックで書いてたじゃん、「4組佐井田杏」って、おっきく。」
香谷君がさらににやにやして笑う。
もっーーーーっ!!!
なんで今日はこんなについてないの?????
「ほれ、バンソーコー。」
でかっ!!!!
それはたぶんバンソーコーとはいわないんじゃ、、、。
びたっっ!!!
シっ
しっみるうぅううぅ。
あーなんで
あたしの
周りの人はこんならんぼーなひとばっかなんだろう。
あぁ〜!あたしがおーざっぱだからか!
「じゃあ、今日は帰ります。」
「ぁあ、また明日おいで、松井くん。」まついじゃないよ、おばーちゃん、、、
って、
あ!
「えぇと、自転車は、、、。」
「まだ、直ってないんだって。また明日俺が来るよ。」
「そーなんだ、、、、。」
「じゃあ、また。」
はっ!
今、おもいっきり目が合っちゃった、、、、、、、。
おばーちゃんと。
「あんた、」
ひぃぃぃぃぃ、、、、、、、。
「はい」
「もっちょっと、野菜たべんと。にきびができとし、肌も唇も荒れとる。」
「ぉお、おれんとこのきゅーきゅーばこにはいっとるぞ、新品のニベアリップクリーム。ほれ、使え。」
「、、、、、。」
わたしにも
せっきょーしてーーーー。(泣)