金曜日。香谷くん、朝。
5:20
リビングの明かりがついていた。
もう俺に名前で呼ぶ資格なんてない。
「さ、」
声をかけようとして気づいた。
もうだれもいなかった。
代わりに一枚の紙が置いてあった。
『香谷くんへ
おはよう。先に出ます。
』
やっぱりな、、、と視線を落とす。
しかし続きがあった。
『ケーキぜんぶいただきました。ありがとう。おいしかった♪』
は、、?
ホール丸ごと?んなまさか、
と思ったが、ご丁寧に洗って立てかけてある昨日ケーキが鎮座してた皿が。
『ちなみに香谷くんスペル間違ってるよー♪→裏へ続く。。』
は?!
まさかこの紙?
案の定英単語テストの紙。
『問5の要塞はfortress,!fourtessになってる!先生の点数付け間違い!!ずるい!』
はいはいはい、
要塞なんて今後たぶん一生つかわねーだろ。
『今後一生使わないからいいじゃんとか思ってないよね!』
、、、、、すみません、思いました。
『大文字にすると、、▲○□☆※△、、、、、』
、、、、、杏、
たぶんそれ
いずれにしても一生使わなくね?
「、、にしても5:20時点でいないってどこ行ったんだよ。」
妙に明るいのも気になる。
なのに、
『じゃあ今日また学校で。』
なんでこの一言を信じてしまいたくなるんだろう。