香谷くんの夏期講習
「お前何点だった?」
「79。」
「やりぃーっ、俺82!」
「総合何位だよ。」
「えーっ模試のこと?」
「俺、14位。」
「いーっやなやつ!」
「、、お前から話振ってきたんだろ」
「なんで俺こんなやつと友達に、って
あっ!
佐井田さーん!!
、、
って
、、行っちゃった。」
「だれ?呼んでたの。」
「俺と同じ中学ん子。」
「へえ、珍しい、、
お前
あぁいう子がいいんだ。」
「ああ、しかも振られた。」
「振られたぁ?」
「はあ、、、
まじどーしよー、俺。」
「どうしよーもなにも、
諦めろよ。」
「、、諦め切れねー。」
「お前、、、
、
まじか。」
ーーーーーーーーーーー
「お、あれ、今当たった人、この前の?」
「だよ。」
「、、、
今の日本語訳わかった?」
「いや、てか
安西先生が高1の問題ってたじゃん?さすがに
これは、、」
『名声。それが私が望む全て。』
『、、ですか?』
『せ、正解!』
「すっげー、、
さいださん、
だっけ?」
「だろー?
だけどいくら俺が言っても英会話クラブ入ってくれないんだー。」
「お前まさか、、
振られたってそっち?!」
ーーーーーーーーーーー
「かたにーーっ!いくべーー!!
早く行かないと花火間に合わない。」
「今行く!」
(あ、やべ、辞書ない。
テーチャー片山んとこに置き忘れたかな。
あっ、あった!
、、、、ん?)
『ディオールワットアイウォント、、、』
?
だれかいる?
、、、
、っ
!!
女の涙は反則だ
なんだ。
ませた表現だ。
しかも相手の年齢は明らかに「女の子」。
なのに
そうじゃない。
それが正しい表現に思えた。
『女』
初めて異性に対して使った
人称。
あれから花火はあんま好きじゃない。
散り際が、
あんま好きじゃない。
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「ほんとにいいの?」
「うん、」
「、ありがとう」
「うん」
「すきだなーこの色、
、、
オレンジがかったこの色」
「、、、それに、望むすべてだもんな。」
「へ?すべて?」
「いや、
なんでもない、
こっちの話。」
いや、
違うな。
これは
俺が望む全てだな。