表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/31

誰も知らない木曜日

人の恋路にあたまっつっこむやつなんて豆腐の角に当たってしんじまえ、



といわれるように、





二人の仲を裂こうなんて滅相もないし、

学年1位を争う人気の男子と付き合うほどの器量も、やさしさも、性格のよさも、機転も、頭のよさも持ち合わせてはいない。


勇気果敢なチャレンジャーでもない。


だからといってうじうじ悲観して引きこもる偽善者にもなりたくない。






だったら


どうしたらいいーーー?










ーーーいつものことだよ、


佐井田杏。




すべての気持ちを沈めて、きれいに流してしまえばいいーーーーーーー。










嘘。


綺麗事だ。






(こころがわりしてほしい。)


(わたしにふりむいてほしい。)


(ずっととなりにいてほしい。)




いいえーーー


(わたしにはむり。)



(こんなあさましいこころのわたし。)



(なんてみぶんふそうおう。)




ごっちゃになって堂々巡り。

真っ赤な気持ちと真っ青なこころが入り混じって。



醜い色







わたしには


とうてい

偽善者にもなれない。










ただーーー





ただ


その中で


はっきりと浮きだってることがある。





『香谷くんが泣くのは見たくない。』








だって泣くって



笑うより、怒るより、ずっと 





強い声。





わたしに分かるのは



「いつもとちがう」



ただそれだけ。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「なぁ、

お前、

いいんか?」



「あぁ。」



「後悔するぜ。」



「しないよ。」



「、、即答だな。」



「決めてたから。」



「、、、


そうか。





そういうとこ、


お前らちょっと似てんな。」




「、、、。」




「決意は固いの、ね?」



「、、ああ。」





「わかった。」










「なぁ、ひとつだけ

言っていいか。」




「、、、。」




「あの噂、



佐井田さん知ってたよ。」




「そうか、それは、


『役に立つ』な。」

「だろ?じゃあ、」


「、ああ、じゃあまたな、高橋。」




「おい、待てよ、まだ時間あんだろ?」


「悪い、次また移動だから、


またな。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ