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第七話 校長の呼び出し

力を持つ者は、必ずしも最前線に立つとは限らない。

だが、本当に危険な任務ほど、世代を越えて受け継がれていく。

これは、守る側としての“最初の一歩”だ。

校内放送が鳴ったのは、訓練が終わった直後だった。


「〇〇(主人公)くん、リクくん。至急、校長室へ来なさい」


教室の空気が一瞬止まる。

リクが小さく息を吐いた。


「……なんか、嫌な予感しない?」


俺も同じだった。


校長室は静かだった。

窓の外には穏やかな空。

だが、校長の表情だけは、その空とは正反対だった。


「君たちを呼んだのは他でもない」


校長はゆっくりと言葉を選ぶ。


「最近確認されている、“悪魔能力の暴走事件”についてだ」


机の上に置かれた資料。

そこに写っていたのは、見慣れない文字と国名。


「……海外?」


リクがつぶやく。


校長はうなずいた。


「そうだ。

悪魔を意図的に悪用している人間たちは、この国の者ではない」


部屋の空気が一気に重くなる。


「彼らは、じんまの力を“兵器”として使っている」


その言葉に、胸の奥がざわついた。


「君たち2人には、最初の任務として

その“前線に近い場所”へ向かってもらう」


「俺たち……が?」


思わず声が出た。


校長は静かに言った。


「これは試験ではない。

実戦だ」


リクが俺を見る。

俺もリクを見る。


怖くないと言えば、嘘になる。

でも——


「行きます」


気づけば、そう答えていた。


校長は、わずかに目を細めた。


「その覚悟があるなら十分だ。

君たちはまだ12歳だが……」


「もう、“ただの子ども”ではない」

校長は俺たちをまっすぐに見つめたあと、こう続けた。


「安心しなさい。

この任務に君たちだけを行かせるつもりはない」


少しだけ、肩の力が抜ける。


「今回のミッションには、

上級クラスの先輩じんまたちも同行する」


扉の方へ視線が向けられる。


「入ってきなさい」


扉が開いた。


現れたのは、明らかに“格が違う”と分かる3人の先輩だった。

立っているだけで、空気が変わる。


「一年のペアだって?

面白いじゃねぇか」


一人の先輩が笑う。


「でも勘違いすんな。

今回は俺たちが主力だ」


リクが小さくうなずく。


「わかってます」


校長が言う。


「君たちの役割は、

後方支援と状況把握。

無理に前へ出る必要はない」


……でも。


俺は分かっていた。

この任務は、“様子見”なんかじゃない。


校長室を出たあと、リクが小声で言った。


「なあ……俺たち、ただの見学じゃ終わらないよな」


俺は答える。


「多分な」


先輩の一人が振り返った。


「おい一年」


視線がぶつかる。


「命を懸ける覚悟、あるか?」


一瞬、迷った。でも——


「あります」


そう答えると、先輩は少しだけ笑った。


「いい目だ。

……ついて来い」

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