表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/136

97 地下に潜む危うさ

「確かにここで休むのは危険です。鉱山病の恐れがあります」


「鉱山病?」


ビアトロの指摘にアクレイが聞き返す。


「主に鉱山や洞窟の中に長くいるとかかる病です。

頭痛を引き起こし、最悪倒れてしまう。大地の妖精の悪戯とも言われています」


ビアトロの説明を聞いたアクレイやルアンスが渋い顔になる。


「むう、それなら入り口近くで見張りを立てながらのほうが良さそうだな」


「あたしはどっちも嫌よ。早く酒場への道を見つけましょうよ」


野宿前提の流れになり始めたのを察したリュレルが声を上げる。


「そうだな」


そう言いながら彼らは探索を再開する。


しばらくして、彼らは入り口から降りてきた斜面の真下、死角になっているところにある横穴に気づく。


「こんなところにも」


松明で横穴の奥を照らしてみるが、灯りは奥まで届かず、かなり深いのがわかる。


穴の幅、高さもお世辞にもあるとは言えず、大人の背丈で天井すれすれ、横幅もかろうじて交差の行き来ができる程度。


「行ってみましょう」


「皆でか?」


松明を手に奧を覗き込んだビアトロに尋ねるアクレイ。しかし、ビアトロは首を振る。


「いえ、アクレイとルアンスはここに残ってください」


「なぜだ?」


「ここまで狭いと何かあっても短剣くらいしか使えません。それに万一を考えて退路を確保しておく必要もあります」


「分かった。確かに私の得意とする場所ではなさそうだ」


ルアンスの言葉にうなずき、ビアトロとアルザー、そしてリュレルが松明を掲げて横穴に入る。


「本当に狭いわね」


「そろそろのはずだ」


一列になって横穴を進む三人。


あたりを見渡しながら最後尾を進むリュレルのつぶやきに松明を掲げて先頭を進むアルザーが答える。


「なにがよ」


「村の内外を隔てる境となっている柵が建てられている辺りだ」


突然の言葉にリュレルが眉を潜める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ