表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/136

7 掃討

森の奥で彼らが遭遇したのは悪戯子鬼ケルツと呼ばれる小型の怪物。


背丈は人間の子供くらい、顔は尖った耳と鼻が特徴、手には棍棒、防具は粗末な布を衣服として肩や胴を革製に見える鎧で覆う程度。


彼らは『歪み』と呼ばれる力によって下級の妖精が変貌した姿と言われており、歪みのあるところには必ずと行っていいほど現れる。


だが、それ故に彼らの特徴についての情報は広まっており、彼らは元となった妖精達の特徴に準じた個性、弱点を持っている。


例えばこうした平地や森に現れる悪戯子鬼ケルツは森の妖精族「深森痩精セレルフォ」の特徴が残っており、鉄に弱い。


そして悪戯子鬼ケルツ達が身につけている棍棒や鎧もケルツたちとともに生まれた彼らの一部と言ってもよく、故に鉄の武器には全くの無力。


故に悪戯子鬼ケルツ達が振り上げた棍棒はアクレイたちによっていともたやすく斬り飛ばされ、返す刃で鎧ごとケルツ自身も斬り伏せられる。


それを見た悪戯子鬼ケルツ達は力の差を悟ったか、おののき我先に逃げ出し始める。


三方に散り、追うアクレイ達。


しかし、逃げ出した悪戯子鬼ケルツたちを阻むものがあった。


それは縄に繋がれたいくつもの蹄鉄。


蹄鉄は元々家畜を妖精から守るよけのお守りとしても使われていた。


それを繋いでぶら下げた縄で悪戯子鬼ケルツたちの退路を塞ぐ壁にしたのである。


悪戯子鬼ケルツ達に迫るアクレイ。


振り返り、応戦しようとした悪戯子鬼ケルツ達、だがアクレイの踏み込みのほうが早い!


吸い込まれるように振り下ろされる鉄の刃。


肩から脇腹にかけての一太刀。


血しぶきのように黒い霧をあげてのたうち回るケルツを一顧だにせず、アクレイは残ったケルツ達に斬りかかる

一撃、二撃、更に一撃。


一息の間に繰り出された軽やかな剣にケルツ達は為すすべもなく倒される。


アクレイは血糊を払うかのように剣を一振りしてから鞘に収める。


一方、アルザーやビアトロ達もまた、危なげなくケルツたちを仕留めていく。


「悪いな、『歪み』が消えたらまた戻ってきてくれ」


アルザーはそう言うと最後に残った悪戯子鬼ケルツに槍を突き立てる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ