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1 森中での攻防

木漏れ日差し込む穏やかな森の中。


しかし、命あふれ、賑やかなはずのそこは静寂に支配されていた。


鳥も動物も虫達もまるで何かに怯えているかのように、息を潜めている。


だが、そんな静寂を破るかのように大気が震え、思わず耳を塞ぎたくなるような咆哮が響き渡る。


息を切らせながら、木々の合間を白い外套をはためかせて駆ける一人の人影。


それを追いかける人とは似て非なる異形の怪物。


顔は醜く歪み、肉と筋肉でいびつに膨らんだ体格を持つ大男。


怪物の手には棍棒、白装束の人物の手には一振りの剣。


逃げる白装束の前を大木が遮る。


右か左か、一瞬の迷い。


しかし、その迷いが両者の距離を縮める。


追いついた怪物が棍棒を振り上げ、相手の脳天目掛け勢いよく振り下ろす!


それに気づいた白装束は振り向きざま剣を振り上げる。

一瞬の交差。


固いもの同士がぶつかる鈍い音が起き、ややあって何かが草が生い茂る地面に突き刺さる音が聞こえる。


白装束は、頼るべき武器を失った。


しかし、辺りを見渡し自らの剣のありかを確認する余裕はない。


白装束は顔をしかめながら先ほどまで剣を手にしていた右手をさすりながらさらに後ろに下がろうとして足を下げようとするも、彼は自身を妨げる存在を再確認し、歯ぎしりする事しかできない。


見上げると勝ちを確信したか、怪物の表情がにたりと笑っているように見える。


白装束の男の頬に一筋の汗が流れる。


怪物は棍棒を振り上げる、が何かに気づき視線を反らす。

男もつられて視線を移す。


そこにはこちらに向かって軽快な足取りで走りこんでくる別の人物。


それは身軽さを重視した革鎧を着込んだ若い男。


怪物の視線が一瞬それたその瞬間、白装束の男は反対方向に飛び出す。


それに気づいた怪物が思わず振り返るが、その合間にもう一人が踏みこんでくる。


怪物がそれに気づき更に振り返ろうとした瞬間、剣が怪物の脇腹に突き刺さる!

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