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狩人の変わった生活  作者: 満たされたい心
第三章 狩人とは
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幕間 七天魔 その六。








 こうして初日の戦いは終わった。


 しかし、まだ終わっていない。魔物たちとの戦いを。


 そして、それを見ていた連中も。






 七天魔サイド。



 大陸で最も高い山の頂上。


 ・・・そこに到達した人間は一人もいないとされるほどの魔境。


 しかし、そこには七匹の魔物が揃っていった。


 `竜王バムハル`は。


「・・此度の戦いはどう思う?諸君?」


 この質問に`叡智レドルザ`は。


「・・正直に申しますと。ふざけた行動だと思います。」


 その言葉はここにいる全員一致の考えである。


 ・・・この者達も好き放題しているが、一つだけ絶対の掟がある。


 それは国を滅ぼしてはいけない。


 ・・・人間一人に対してちょっかいをかけるのはいい。退屈しのぎになる。しかし、国全体を攻撃するようなことはしない。


 ・・・特に、バムハルは調停者。


 世界のバランスを見るのが大昔からの役目。


 本人も退屈しのぎに何かをするが、基本的には不干渉をする。`七天魔`を設けたのも、バランスを取る為には他方からの意見が必要だからである。


 `千毒ラテス`は。


「・・しかし、何故このような事をするのでしょう?人間達を滅ぼして何をするのか?」

 

 この疑問に`海将ダイオス`は。


「・・・何も考えていないとは言えませんな。あれだけの軍団を指揮しているのです。無能というわけでは無いでしょう。」


 この答えに`運命ルムビ`は。


「・・・じゃぁさぁ~~~?一体何がしたいのぉ~~~?訳が分からないわ?」


 この疑問に`剣魔シドール`は。


「・・・もしかしたら、支配する気ではないでしょうか?・・・人間達を導く王たちを殺し、自分たちが人間達を支配する。」


 この憶測にレドルザは。


「・・・・・考えとしては間違っていないかと。もし、人間達を滅ぼす気なら王都だけというのはおかしな話です。」


 全員が頷いた。


 今まで黙っていた`堕落ハリーネイア`は。


「・・・それで?竜王?・・私たちはどうするの?」


 何時になく真面目な質問にバムハルは。


「・・・もう少し様子を見よう。・・今は人間達が奮戦しているようだ。・・・それにあの異世界人も国境線で戦っているようだ。」


 ルムビは。


「へぇ~~~。・・・あの人間がねぇ~~~。・・ねぇ~~~少し協力的なちょっかいをかけるのは?」


 この質問にハリーネイアは。


「・・それはおもしろそうねぇ~~。私の力で後押しをすればおもしろいことにならない~~?」


 何時もの口調になったハリーネイアにラテスは。


「・・・確かに面白そうだ。・・どうですかな?竜王殿?」


 バムハルは。


「・・・却下だ。一年前に人間と接触し力を貸したのは、その人間を始末する前提での話だ。だが、異世界人に力を貸すのはダメだ。・・・我々の存在を知っているとはいえ、善意を感じさせてはならぬ。・・・魔物と人間の関係は変えてはならない。」


 その言葉に全員沈黙した。


 ・・この世界で魔物と人間は相容れぬ関係。狩るか狩られるか。


 それを壊すことは世界が許さない。


 レドルザは。


「・・・ではどうします?・・・異世界人が元凶を倒すのを見ておきますか?・・仮に倒せても他の国々が無事ですむとは思えませんが。」


 この質問にバムハルは。


「・・・その時は、対処するだけだ。もし、倒せなくても・・・」


 そこから先は言わずとも分かるような雰囲気を醸し出していた。






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満たされたい心
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