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狩人の変わった生活  作者: 満たされたい心
第三章 狩人とは
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幕間 七天魔 その五。







 青い炎が円形状に並ぶ部屋。


 大理石の円卓に座る`七天魔`。


 かの異世界人が現われてから怠い雰囲気が楽しい場所に変わった。


 しかし、今回は皆、真剣な表情である。


 `竜王バムハル`は。


「・・集まってもらったのは他でもない。近頃起きている異変。魔物たちの失踪と静寂について。」


 この会議内容に`運命ルムビ`は。


「・・失踪~~~??・・どこにもいないって事?・・・そんなことがあり得るのぉ~~?」


 何時もの口調で喋った。


 バムハルは。


「・・事実だ。今までいた場所から消え、冒険者ならびに街道の道行く者達に被害が全く出ていない。・・奇妙な事象だ。」


 ため息をついた。


 `叡智レドルザ`は。


「・・私からも進言があります。・・共和国の森で運用していたナイトゾンビが突如消えてしまいました。」


 この言葉に`千毒ラテス`は。


「・・それは単に討伐されたのでは?・・死霊系は討伐した後、灰となって消えるのでは?」


 この疑問にレドルザは。


「・・それも考えた。しかし、納得できない部分がある。・・・ナイトゾンビが倒されたのなら人間達の間で騒ぎが起きる。何しろ、悩ましていた存在を倒したのだから。・・だが、偵察した結果。そんな話は無く、今でも調査しているそうだ。」


 ラテスは沈黙した。


 討伐したのなら調査をする必要は無いからだ。


 `堕落ハリーネイア`は。


「・・・ねぇ~~?もしかして、面白いことが起きる予感でもあるのかしら~~~?」


 何やら楽しそうに発言した。


 バムハルは。


「・・そうかもしれないが、そうでないかもしれない。・・・此度の件には兵力を増強しようとする動きがある。・・それも魔物を使ってのな。・・人間達の中にそんな力がある奴がいるのか?」


 彼らは考えた。


 ・・・魔物を操る力。


 人間が持つなど聞いたことが無い。


 しかし、レドルザは。


「・・確か、数十年前に帝国が研究していたはずです。最初は人間でやってみたようですが、適正が合わず、失敗の連続。・・・その為に一体の魔物を使っての実験をしたそうです。それ自体も珍しい個体だったと。」


 これに対して`海将ダイオス`は。


「・・珍しい?・・どのように珍しいのですか?」


 この質問にレドルザは。


「・・ゴブリンのメスです。」


 これには全員驚いた。


 何故なら、ゴブリンにメスなど有り得ない。ゴブリンの繁殖方法は人間かそれに類似する魔物のメスを捕まえて交尾するのが基本。


 しかも、生まれてくるのは全員オス。


 ハリーネイアは。


「・・ゴブリンのメス?・・有り得ないでしょ?・・・何でそんなことが?」


 驚きの質問にレドルザは。


「・・そればかりは不明です。・・当時、私は人間に化け、その研究をする研究員として働いていました。とある研究員がどこからか調達したかだと。・・・私にとっても貴重な実験体。逃す手は無いと。」


 懐かしそうに語る。


 `剣魔シドール`は。


「・・ということは、そいつが何らかの原因で暴走したと?」


 この質問にレドルザは。


「・・最初の頃はそうだった。しかし、時が経つにつれ徐々に制御していった。これは帝国が手を引いた後、私個人が観察した結果だ。・・他にやることは無かったのでな。・・・それをふまえても今回の件で突然、暴走したとは思えん。・・・竜王殿の言うような兵力増強をしているのは別の何かだと思う。」


 否定的に説明した。


 皆が考えているとルムビは。


「・・・あのさ~~。それってこの間言っていた`メスティの神殿`と関係あるのかな?・・だって、時期的にも合うような感じ~~。」


 本人はろくに考えもせず、取りあえずのことを言った。


 それを聞いたレドルザは。


「・・・あり得るかも知れない。・・・確かに、時期的にも場所的にも帝国であることは間違いない。もし、そこで研究した者が野心を持っていたのなら可能性がある。・・・思い出したぞ。確かあいつ催眠魔術を研究していたな。・・・腐死者を利用して魔物を操る研究を。・・その資料があって物にしたのなら・・・」


 この考えにダイオスは。


「・・だとすれば此度の件に我々とは違い、秩序が全くないとしたら・・・」


 皆が同じ考えをしているとバムハルは。


「・・・これは無視できんな。」


 そこから会議は続いた。






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満たされたい心
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