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狩人の変わった生活  作者: 満たされたい心
第三章 狩人とは
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幕間 七天魔 その四。







 青い炎が展開する空間。


 その中心に円卓のテーブルがあり、囲むように座る七匹の魔物。`七天魔`。


 この一年間、この者達が大きな事件を起こしてはいない。やってきたことと言えばバレないようにコソコソと己の趣味や仕事をしていたのみである。


 `竜王バムハル`は。


「・・では会議をおこなう。・・まずは`叡智`よ。貴殿のやって来たことを。」


 `叡智レドルザ`は。


「・・・私がやったことは半年ほど前にナイトゾンビの性能テストをしていました。教会の事件で暴れさせたとき、まだ不具合があることが発覚。・・・すぐにメンテナンスをしてまともに動けるようになったのが半年前。・・・人間に悟られないように魔物の巣のみを襲っていましたが。・・・まさか動くとは思いませんでしたよ。・・まぁ、兵士相手にいい戦闘蒐集もできましたので。」


 薄笑いを浮かべていた。


 これを聞いた`千毒ラテス`は。


「・・・うらやましい限りですな。・・・私の方は館で新薬をいくつか作ったのは良いですが。・・・良い素材の実験体が中々手に入らない。・・・入るとすれば近くにいる盗賊団や指名手配のゴロツキ。・・・秀でた才能もスキルもない所か魔術すらない。・・・実験しても発狂して死んでしまうことが多い。研究が進まない。」


 ため息をついた。


 その時、`堕落ハリーネイア`は。


「・・・大変ね。科学者肌は。・・・私のように気ままでやるときはその場かぎりにすれば良いのに。・・あの王女のようにね。」


 妖艶の笑みを浮かべた。


 ・・・王女グリネ。・・・ハリーネイアの仕返しというべき苦痛や苦労を味会わせる為だけに利用された。


 ・・`運命ルムビ`は。


「・・ほんとよねぇ~~~。あれやこれやと色々とやって。・・全てが失敗じゃぁつまんないというか。イラつくだけでしょう~~~?・・・よく飽きずにできるわねぇ~~~。」


 退屈そうにあくびをした。


 ラテスは。


「・・・その場限りと言いましてもね。いざ行動するとき手が足りないとか道具が足りなければ成功する事ができませんよ。現にあの時、我々が手を貸さなければ成功率が低かったとご自身が言ったではありませんか?」


 呆れ口調にハリーネイアは言葉を詰まらせた。


 ・・・苦い顔した彼女を見てラテスは。


「・・・そう言えば。あの王女をベヒーモスに変えた時。復活させたと言っていましたが。今もいるので?」


 興味津々の言葉にレドルザは。


「・・・あぁ。蘇らせたのはいいのだが。・・・かなり弱っていてな。エサをろくに食わず、環境も悪かったのか衰弱死した。血液だけは何とか生きている内に採取できたのだが。・・・強固な体は適した場所での育成で初めて手に入るらしい。文献が少なすぎて情報不足でした。」


 残念そうな顔である。


 `海将ダイオス`は。


「・・・伝説の魔物も等しく死ぬか。・・・そう言えば、各国で王位継承が全ておこなわれたそうだ。・・代替わりした者達は中々の切れ者だそうだ。今後の活動も見直す必要があるかと。」


 この提案にバムハルは。


「・・それについては同意できる。・・・替わったことで我々のことも伝えられているだろう。先のような操りやすい人物はいない。・・・放った刺客や魔物を観察する程度で様子見と行こう。」


 この案に`剣魔シドール`は。


「・・・放つのであれば私の方から送ってもいいが。」


 この言葉に全員が目を向けた。


 レドルザは。


「・・珍しいですね。あなたがそんなことを言うとは。・・・里で何が起きたので?」


 この質問にシドールは。


「・・そういうことではない。奴はあれだけ力を手にしたが、まだ再戦をする気が無い。遠くから見たが何か悩んでいるように見えたのでな。・・それだけだ。」


 思いもよらない親切心である。


 バムハルは。


「・・気持ちは嬉しいが。ミノタウロス族を考えれば良い案とはいえん。・・他に魔物はいないのか?」


 シドールは考えてた。・・・そして。


「・・・ならば、食用に飼っている`サラマンダー`を仕向けるか。あれでも人間に脅威だからな。」


 妥協案を出した。


 あの魔物か。・・確かに強いが知能は無い。うってつけである。


 バムハルは。


「・・それでいい。・・時にお前達に聞きたいが?・・メスティの神殿に行っている者はいるか?」


 この質問に全員首を横に振った。


 ダイオスは。


「・・・メスティといえば、私の前任者だと聞いていますが。・・かの神殿に何か?」


 この質問にバムハルは。


「・・・最近になって妙な力が動いていてな。あそこに入れるのは我々のような強い力の持ち主か死の気配が強い者のみだ。・・だが、気配の場合はほとんど死人も同然。何もできない。とすると・・・」


 その言葉で全員は納得した。


 ・・・死人といえば腐死者だが、意思はない。


 沈黙の中、レドルザは。


「・・・確かに。そんな場所に何かすると言えば我々だけだ。聞くのは当然。しかし、あの神殿に用があるとすれば私か千毒殿のみ。当然、私は行っていません。知識はありますが、独学ですよ。・・千毒殿は?」


 話を振った。


 ラテスも同様に。


「・・同じく。あそこは魅力的ですが。危険な所もあります。」


 これらを聞いたバムハルは。


「・・・とすると。我々の知らない所で何かが起きたということか。・・・各自、充分に警戒してくれ。」


 この言葉に全員が頷き、会議は終わった。





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