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狩人の変わった生活  作者: 満たされたい心
第三章 狩人とは
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第134話 地球の騒動。






 しばらく歩く事、三十分。


 私たちは足を止めた。


「・・・そろそろ出てきたらどうだ?」


 その言葉と同時に数人の男達が出てきた。


 ・・服はビジネススーツを着ているがその雰囲気からサラリーマンではない。武術の心得があるのかかなりの気配を感じた。・・ティナも少し警戒した。

 そこから見知った顔が現われた。


 オークションで出会った佐々木だ。


「・・・さすがは異常な品を提供されている方ですね。気配察知はそれ相応の心得があるという事ですか。」


 お世辞の言葉を述べた。


 私は。


「・・そう言うお前は何だ?ただのIT関連の社員じゃぁなさそうだな。・・・いや?日本人か?お前?」


 この疑問に佐々木は。


「・・ほぉ?何故そう思われるので?・・私は正真正銘日本人ですが?」


 少し挑発じみた言動に私は。


「・・・ただの勘だけど。妙に日本語が鈍ってる感じがする。・・日本に住んでいて鈍るなんてのは人見知りの引きこもりだけだ。・・・という事は日本とは違う国で長い事、外国語で話していたから日本語が難しくなったんじゃないかと思っただけだ。」


 直感に近い感想である。


 佐々木は笑顔で。


「・・・成る程、理性ではなく感性で動くタイプですか。そう考えれば異世界に行くという発想にも納得です。・・・お察しの通り、私はとある国から来ました。日本生まれですが子供の頃に外国に永住していましてね。そこで実力を見せ、今の地位にいます。」


 説明してくれた。


 ・・そういうことか。近年、日本で異常なまでの新商品が開発され、それが大絶賛。・・・外国にとっても知りたい話だ。

 そこで調査員を派遣し、裏オークションの出品が原因だと突き止めたという所か。


 私は。


「・・・なら、オークションで競り落とせば良いだろう?わざわざ私に接触する必要は無いだろう。」


 何故、接触してきたのかは分かるが、あえてとぼける。


 佐々木は苦笑しながら。


「・・挑発ですか?それともとぼけているので?・・まぁどちらでもいいですが。・・率直に申し上げましょう。我々と来ていただこう。・・・理由は勿論、異世界の行き方を教える為に。」


 最後の部分は殺気を込めていた。


 周りの連中も同様の気配である。


 ・・私とティナは顔を合わせ。


「・・断る。俺は強制が嫌いだ。」

「・・・私もお断りします。そんなことはあなた方が勝手に見つければいい。」


 捨て台詞を言って歩き出した。


 ・・これ以上付き合う気はないという態度で。・・・連中は私たちの行く手を阻んだ。


 佐々木は。


「・・選択権があると?」

 

 小馬鹿にして殺気が膨れていた。


 私は。


「・・・やるのか?」


 殺気を込めた。


 魔力を込めての殺気に連中は引いた。


 ・・佐々木も喉を鳴らし。


「・・・穏便に済ませたかったです。・・・正直、勝てる気はしませんが。こちらにも引けませんので!」


 その言葉と同時に襲ってきた。


 ・・・その踏み込み速度は速く。武術の上級者レベル。並の相手であれば複数襲われても勝てる程の実力はあるだろう。

 だが、私とティナは並ではない。・・佐々木の右拳が顔面に襲ってきたが私は軽く躱した。そのすれ違いに左拳を腹にめり込んだ。


 ・・佐々木は腹を抱えたままうずくまった。それを見た周りの連中が襲ってきた。


 ・・素手ではなくナイフを取り出して。


 私はそれを見ても動揺しなかった。・・・あれ以上に危険な物とは何度も戦っている。ティナも同じような顔である。

 ・・・私に向かってくるのは二人。ナイフの扱いは上手く、熟練者の動きである。


 しかし、私は魔力を右手に込めてナイフの刃を掴んだ。・・・そして、握りつぶした。男は驚き、その隙に左拳を顔面に入れた。男は仰向けに倒れ起き上がらなかった。

 もう一人は私の背後から襲ってきたが、ナイフを右裏拳で弾き飛ばし、左拳を顔面に入れた。・・・二人は気絶した。


 一方、ティナに襲ってきた二人はナイフで同時に刺してきたが。ティナは難なく躱し、素早く背後に回り、首筋に手刀の突きを入れた。

 ・・・二人は体勢を崩しかけたが、気絶はしなかった。しかし、ティナは二人の頭を掴み、拍手するかのように頭同士をぶつけた。・・・さすがに堪えたのか、そのまま気絶した。


 ・・・全滅したかに見えたが、突然、銃声が響いた。


 振り向くと、佐々木が拳銃を構えた。・・・自動拳銃のようだ。


 佐々木は。


「・・・これ以上、抵抗する気なら。・・そちらの美しい人を撃ちますよ?・・正直、殺したくないが、秘密を知る人は一人で充分。」


 かなりの殺気と怒気を込めていた。


 私は庇うように行動しようとしたがティナが。


「・・・大丈夫です。あんな物、恐れる事はありません。」


 余裕の顔である。


 佐々木はその態度で。


「・・後悔しなさい!!!」


 発砲。


 ・・銃弾の速度は人の目で捉える事は不可能。アニメやマンガでは避けるシーンはよくあるが、現実には絶対に有り得ない。


 ・・・しかし、ティナは発射される前に。


「・・空間察知。」


 呟いた。


 ・・そして、右に軽く移動するだけで避けた。


 佐々木は驚いていたが私は驚かない。・・・何故なら、これこそがティナが習得した新しいスキルの効果だから。


 ・・・スキル`空間察知`。


 術者の半径五メートルの空間内では小さい蚊であろうと、その数と場所を性格に把握する事ができる。・・・つまり、目に見えない速さの物であろうと空間内に入ればどこに向かってくるのか予測する事ができる。

 ただし、あくまでも予測できるだけで避けると防ぐには術者の身体能力次第である。時間制限は今のところ無いが、魔力は常に消費し続ける。


 ・・・ティナの力量は異世界では上級。地球ではトップレベル。・・・銃弾を避けるなど容易である。


 この一年。ティナは毎日のように祈り続けた。


 `もっと強く、役立ちたいと`


 ・・・そして、一ヶ月前。遂に習得に成功。・・・彼女自身は勿論、重要人物の護衛にも充分に役立つスキルである。


 佐々木は。


「・・・これが、異世界の力という事か。」


 拳銃から手を離し、地面に落ちると同時に膝も落ちた。


 ・・・戦意喪失。私たちは帰ろうとしたとき、周りから黒服達が現われた。・・警戒したが見知った顔があった。


 黒服の一人が。


「・・失礼。・・黒田さんから電話です。」


 iphoneから声が出た。


「・・甲川さん?・・どうやらご無事のようですね。・・ビルから出たあなた方を尾行する人影があると報告を聞きましてね。応援を向かわせたのです。・・・後はこちらで対処します。」


 締めくくる前に私は。


「・・一ついいですか?・・こいつらの処遇は穏便に利用されるので?」


 沈黙が流れた。


 黒田は。


「・・・・・あなたが不利になる事は絶対にありません。・・知らないでしょうが、日本の有力者達はあなたの味方です。」


 それと同時に電話は切れた。


 ・・・黒服がiphoneをしまうと同時に黒服達は佐々木達を連行していった。


 二人だけになった場所に私は。


「・・・さてと、帰るか。・・・家に着いたら、寝るか?それとも・・」


 続きを言う前にティナは。


「・・・してください。・・嫌な気分のままの眠りは悪いですから。」


 赤面しながら答えた。


 ・・・家の方にも衣装と道具はある。




 自宅に到着すると、自室に向かった。


 ・・・部屋で準備をしていた時、ティナが入ってきた。


 服装は黒いラバースーツに首輪を付けていた。・・ティナは十字架の磔台に向かい、手足を拘束した。・・・動けない事を確認し、私は体中を手で触りまくった。


 スベスベだがゴムの匂いがする。・・・ティナは笑うのを必死に堪えている。


 そんな姿に私の欲は上昇し、振動を与える機械と胸鎧を用意した。・・・まず、機械を胸に当て、その上から鎧を着けた。

 レベルは弱に設定。・・・そして、スイッチを入れた。


 鎧からわずかな音が響く。


 ティナは。


「!あっ。・・う、うぅ・・くっ。・・・」


 苦しくも笑いを堪える表情であった。


 私はそれを見ながら体中を触った。・・漏れる声。・・苦悶の顔。・・もがく手足。


 私の興奮は頂点に達し、レベルを強にした。


 鎧から激しい音が響き、ティナは。


「!!!あぁ!!・・っははっははは!!!も、もう!!と、とめ・・・」


 嘆願の言葉に私は。


「・・・もう少しだけ聞かせてくれ。」


 そう言いながら抱きついた。


 ティナは笑いながらも。


「・・そ、そんな。・・・ず、ずるいぃぃぃ。・・」


 涙を流しながら諦めたような顔をしていた。



 その夜はティナの声と温かくも汗のにおいが染みるゴムの香りを嗅ぎながら過ごした。







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