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狩人の変わった生活  作者: 満たされたい心
第三章 狩人とは
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幕間 七天魔 その三。







 蒼い炎が周り囲む部屋。


 `七天魔`が全員そろっていた。


 ・・・帝国での一件でしばらくは自重する方針で決まり、会合は開催されないと思われていたが、`千毒ラテス`から面白い報告があると聞き、急遽集まった。


 報告し終えた後ラテスは。


「・・・教会の教皇はヨルネ同様、かなりの独占欲があると思われます。これを利用しない手はないと思われます。」

 

 この言葉に`海将ダイオス`は。


「・・しかし、千毒殿。・・先の一件で我々は動きすぎた。これ以上は目立ちすぎると思われるが?」


 この疑問は当然である。


 ・・表だって行動する事は禁止されている。`運命ルムビ`は。


「・・ダイオス。そんなお堅い事は無しにしようよ~~。・・面白いのならやるべきじゃな~~い?」


 遊び気分で言う。


 この言葉に`堕落ハリーネイア`は。


「・・ルムビには賛成だけど。・・相手はおじいさんでしょう?・・・気乗りしないな。」


 やる気の無い返事である。


 ・・・サキュバスは基本、若い子にしか興味は無い。


 `剣魔シドール`は。


「・・・千毒殿。海将殿の言う事には一理ある。・・我々の介入は何としても隠さなければならない。・・帝国の王女を魔物に変えたのもその一環であろう。」


 もっともな意見である。


 ・・隠す気があるからこそヨルネ王女を始末するのは必然。・・・存在を公にしないのは絶対のルール。・・・それだけである。


 ・・`叡智レドルザ`は。


「・・・私としては賛同したい。・・新実験が成功したのでね。・・実戦の情報が欲しいと思っていたよ。」


 この言葉にラテスは。


「・・実験というと例の腐死者ですかな?・・・私に言ってくれればいくらか協力しましたのに。」


 笑みを浮かべた。レドルザは。


「・・腐死者と言っても貴殿が研究しているものとはいささか違いますよ。・・・私のは完全なる死者蘇生。・・・`死操メスティ`がやっていた事ですよ。・・リスク無しのね。」


 悪い笑みを浮かべた。


 腐死者は死んでいる者が動く。・・・と言う定義だが、腐死者になるのは大概生きている間に呪いを受けるか危険な薬物を注入される事。

 ・・それにより生きた者が苦しみ、死んだと同時に腐死者になる。


 ・・しかし、メスティは完全に死んだ状態の死体を動かしていた。


 ・・・それこそ死者蘇生と呼ぶに相応しい。レドルザはその実験をしていた。・・・メスティがいない今、咎める者はいないからやりたい放題であるが、一つだけ問題があった。


 ・・素材となる死体は強固でなければいけない。・・幸い、良い死体が手に入ったが為に実験ができたのである。


 ・・・`竜王バムハル`は。


「・・皆の意見がわかる。・・今回の自重は私からの提案だ。覆す気はない。・・だが、そんな人間がいるのを放置するのは勿体ない。直接では無く間接的に介入できる方法はあるか?」


 この質問に皆は黙った。


 ・・・情報が少ない状態ではいい案が浮かばない。


 そんな中、ルムビは。


「・・・そう言えば、教会で怪しい実験があるとか聞いた事ような・・・」


 思い出したように呟いた。


 それを聞いたラテスは。


「?!それはどういうことですかな?・・・・詳しく教えていただきたい!」


 真剣な顔つきでルムビに詰め寄ろうとしていた。


 それを見たルムビは。


「!!ちょ、ちょっとまって~~!!そんな顔で近づかないで~~~!!キショい!!!」


 露骨に嫌がった。


 それも仕方ない。デカくリアルなハエの顔が近づいたら気持ち悪いだけである。


 ・・ラテスは少しヘコんだが気を取り直して。


「・・おほん。・・で?先ほどの話だが。」


 この質問にルムビは。


「・・・ん~~~。これは私の能力を付加した人間の部下からの話だけど。・・何でも教会の上層部が教皇の命で実験しているとか~~。」


 うろ覚えで答えた。


 当時のルムビは異世界人を困らせる為に利用した人間。そいつらの話など半分しか聞いていない。


 それを聞いたラテスは。


「・・ふむ。信憑性は薄いが、デマで終わらせるには悩む情報だ。・・・少し調べてみたい。許可を貰いたいのだが。」


 この質問にバムハルは。


「・・・いいだろう。ただし、真実だと分かったらすぐに報告せよ。単独での行動は厳禁だ。」


 念押しした。


 ラテスは少し残念な気持ちである。分かった瞬間に行動しようと思っていたからだ。


 そんな中レドルザは。


「・・竜王殿。・・・その時が来たら私の実験体を動かしたいのだが。よろしいかな?」


 この質問にバムハルは。


「・・・ふむ、まぁいいだろう。・・・きっかけを作る機会にもなるかもしれない。」


 少し考えて答えた。


 状況は小さな事でも変化するもの。・・・実験体が暴れれば教会は冒険者を雇う可能性がある。つまり、異世界人が絡むという事。・・バムハルは少し楽しみを抱いていた。


 ・・・その時、ダイオスは。


「・・であれば、今回は私の出番は無いようだ。・・帝国から教会までの道筋に海は無いからな。」


 不参加を表明した。


 納得のいく理由である。


 ・・続いてシドールは。


「・・私も参加は控えよう。・・ミノタウロスが連続で暴れれば大きな事が動いてると思われかねない。」


 不参加を表明した。


 ・・これには皆は少し納得した。ミノタウロスは武人だが、争いは積極的にしない種族だと人間に認識されているからだ。


 ・・続いてハリーネイアは。


「・・私もパス。・・・異世界人が絡むかもしれないけど。じいさんが対象じゃぁ~~。気が乗らないわ。・・・見物させて貰うわ。」


 不参加を表明した。


 この理由は納得しない。働けと思う皆であった。


 ・・・続いてルムビは。


「・・私は参加しようかな~~。一応情報提供したし。・・・場合によっては私の能力も使うかもしれないしね~~~。」


 参加を表明した。


 ・・これには少し驚いている。気分屋が情報提供した程度で協力などどういう心境の変化か?


 ・・・六匹の言葉を聞いたバムハルは。


「・・では今回の教会に対する行動は、ラテスからの報告待ちにする。・・・当然だが、参加する者は出席を。・・・不参加の者は出席するかしないかは個々に任せる。・・・では閉会とする。」


 その言葉と同時に黒い霧が全てを包み、何も残らなかった。



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