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狩人の変わった生活  作者: 満たされたい心
第三章 狩人とは
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第112話 異変と再会。

申し訳ありません。更新するのを忘れていました。







 一夜を明け、朝日が昇った。


 隣に寝るティナを起こして、外に出た。・・・天気は曇りだが、時々太陽が見える。・・一雨降る事はない。


 ティナは。


「・・・朝食はいつもの陣中食にしますね。」

 

 そう言って手早く準備を始めた。


 ・・・味噌玉を溶かし、味噌汁を作り。・・・乾パンに塩を適当に振って出来上がり。・・野外での食事は質素且つ早く済ませるに限る。

 食べ終えて、鉄の小屋を`物質変換`で丸い鉄に変え、そのまま放置した。


 ・・誰かが持って行くだろう。・・・無責任な事を思って調査を再開に出発した。


 と言っても見て回る所は昨日の時点で回った。後は、少し、歩いてギルドに報告しに行くだけである。・・・すると、リザードマンの集団が歩いて行くのが見えた。

 数は三十。さすがに分が悪い。隠れてやり過ごす事にした。


 ・・・集団は槍を手に北の方に向かって行った。


 見えなくなったのを確認した私は。


「・・・あいつら、国境線の基地に向かっているのか?」


 そう思った時、ティナは。


「・・・ですが、方角が少し違いますね。・・・基地はここから北東方面のはず。・・あの集団は真っ直ぐ北に向かっています。無論、王都方面ではありませんが。」


 そう言いながら中古の羅針盤を見ていた。


 ・・・これには前々から知っていた。共和国では船乗りが使っているのを見てたし、旅をしている時、ティナがよく方角を確認していた。


 ・・・私は。


「・・・基地以外で魔物の巣窟に行く道でもあるのか?」


 考えられる可能性を言ってみた。


 ティナは少し考えて。


「・・有り得ない話ではありません。魔物しか知らない通れない獣道があるかもしれません。・・・この事はギルドに報告するべきでしょう。」


 今回の調査の中で一番の情報である。




 王都に戻った、私たちはギルドに報告しに行った。


 聞いた受付嬢は。


「・・・リザードマンの集団が北に。・・・分かりました。・・調査お疲れ様でした。」


 そう言って報酬金、小銀貨十枚を受け取った。




 ギルドから出た私は。


「・・・よからぬ事が起きなければ良いけど。」


 この呟きにティナは。


「・・すぐには起きないでしょう。上位魔物は知能がある分、学習します。・・国境線の戦いでかなり手痛い傷を負わせているはずです。・・例え戦力が増強しても、しばらく戦いはないと思います。」


 今の状況を分析を述べてくれた。


 この考えには賛同できる。国境線の戦いは人間は勿論、魔物の被害も多い。・・人間側はエッジソンを前面に出し、威嚇している。だが、実際の戦力としてはかなり乏しく、人員不足である。兵器があっても戦いにはならない。


 要は見かけ倒しの配置である。


 私は。


「・・そうだな。気にしていても仕方ない。今は、何をするべきか考えるべきだな。」


 結論を述べた。


 ティナも頷いてくれた。・・・そうなると、思い出した事がある。


 私は。


「・・そういえば、フレイムアリゲーターの火の魔石。・・・あれを指輪かペンダントに加工すれば、火の威力は上がるか?」


 この考えにティナは。


「・・上がります。・・魔石は肌に触れるか武器に付ける事で効果を発揮します。・・・私には不得意の属性ですので、シンスケが使ってください。・・ただし、大きすぎるのは制御が難しく、魔力の消費が大きいです。・・・最大で拳大ほどがちょうど良いのが魔術師達の総意です。」


 説明してくれた。


 ・・・なるほど、以前、サーファーボードに付けた風の魔石を砕いたのは正解だったという事か。そうと分かれば行動あるのみ。

 ・・・拠点に戻り、倉庫から火の魔石を取り出し、作業を開始した。


 王国の家に行きたいが、距離もあるし、早く作りたい衝動が強い。ここにも作業に必要な道具は最低限、揃えてある。

 ・・・まずは指輪を作る事にした。


 火の魔石を三カラットに小さくカットし終えた。次に`物質変換`で石をオリハルコンに変え、指輪の形にした。・・・アダマンタイトは目立ちそうだから止めた。・・・次に威力を更に上げるつもりでルーン文字を刻む。

 最初の頃は太陽を表す文字を刻んだが、今回は更に松明、日中、贈り物。を表すルーン文字を刻んだ。


 ・・何となくだが、威力は上がるはずだと思った。・・・刻むのは手作業でした。


 ・・・魔力を込めたノミとハンマーでおこなった。・・・この方法はマンガやゲームで見て、できるかもと思ってやり始めた。・・・作業する事一時間。思ったよりも難解であった。


 何度かの失敗でようやく完成した。


 最後に、この指輪に魔石を付ければ完成。左人差し指に嵌めた。・・違和感はない。手袋を付けても問題なかった。・・後は、実戦で試すのみである。・・そう思い、ティナと一緒に王都の外に出かけた。




 歩く事、一時間。


 人気の無い場所に到着。


 まずは、火の魔石単品で発動した。火の玉の威力は中々で、大岩に黒い焦げ跡を付けた。普通なら焦げ跡は付かない。・・・さて、次は指輪の威力を測る時である。

 別の大岩に向かって火の玉を発射。


 ・・・その威力はさっきの単品は勿論、今までの火の玉とは比べものにならない大きさ。


 当った大岩は砕け、その後ろにあった大岩も砕きながら通過していった。・・・やがて、遠くで爆発音がした。地面に激突したのだろう。


 ・・呆然とする中、ティナは。。


「・・・まぁ、やり過ぎだとは言いませんが。・・・味方に当てないように注意しておきましょう。」


 私の右肩に手を置きながら言った。


 ・・・その通りである。味方殺しの異名は御免被る。




 ・・・王都に戻り、拠点でのんびりしようと思ったとき、拠点の前に三人の人影があった。


 その内、二人は知っている。・・・グラドとサクラである。もう一人は村娘風の衣装だが、どこか高級感を出していた。

 その顔を見たとき思い出した。以前、王国の城の中でお会いしたオリビア王女である。・・・しかし、男の顔は忘れて女の顔を覚えているとは。・・・我ながら色欲である。


 私たちの姿を見たグラドは。


「・・・お久しぶりですね、シンスケ君、ティナ嬢。・・相変わらずの美しさと元気そうで何よりだ。」


 挨拶してきたので私は。


「・・お久しぶりです。共和国以来ですね。・・・使節団に王族が来たと聞いたのですが、護衛任務を受けてこちらに?」


 この質問にグラドは。


「・・まぁそうだな。帝国には今後の事について交渉に来たのだ。新皇帝であるヨルネ様は技術提供を広める事に賛同しているからな。・・・独占すぎるのは不信を招くからな。・・前皇帝は広める事は争いが激化するとお考えだったのようだ。・・・ヨルネ様なら上手く広めてくれると確信している。」


 腕を組みながら説明してくれた。


 ・・・確かに、全てでは無く、生活に必要な技術を広めれば民達も楽になるだろうし。軍事は広める事はないだろうが、国同士で上手くバランスを取れるよう、妥協していくだろう。・・・まぁ、私には関係ない話だが。


 私は。


「・・・俺たちに用があるのでしたら、中に入りませんか?」


 そう言うと、グラドは。


「・・そうか。それは助かる。・・王女様が話を聞きたいと言っているのだ。」


 そう言うとオリビア王女は。


「・・あなた方の活躍。是非聞きたいのです。」


 かなり嬉しそうな顔であった。


 ・・とりあえず、中に入れる事にした。五人に茶が行き渡り、王女様がグラドから共和国の不死者騒動を聞いているからその先を聞きたいとおっしゃたので帝国に入国した後の話をした。



 ・・・ギルドからの国境線の依頼。・・・国境線の基地での日々。・・・新兵器が到着し魔物たちとの激戦。・・・ミノタウロスとの戦いやケンタウロスになったローデルの事。・・・王都から来た伝説の魔物、ベヒーモスの討伐。・・・王都での暮らし。


 全てを話し終えた後、グラドは。


「・・そうか、ローデルの奴が。・・・一時とはいえ仲間として戦った者が魔物に変わり果てるとは。・・・哀れな。」


 悲しそうな顔をした。


 最悪な性格のリーダーがあまり憎んでいないという事か。


 この話を聞いたサクラは。


「・・・しかし、妙な話ですね。・・・人間が魔物になるなんて聞いた事ありません。・・・何者かが協力したのでしょうか?」


 そう言った。


 ・・・確かに、あの時は衝撃が強すぎたので深く考えなかったが。ローデルが自力でなるのは不可能。・・とすると魔術師、それもかなり高位な存在が手を貸したと考えるべきだ。

 ・・最も魔術師の性格はかなり外道だと思う。


 何しろ、人間を魔物に変えるなんて発想。普通はしない。・・・強くしたいのなら人間のままにしていたはず。わざわざ魔物に変える必要は無い。


 ・・となると、人体実験に利用されたと思うべきだろう。


 そう思っているとオリビア王女は。


「・・・ですが、その何者かが分からない以上。ここで考えても詮無き事。・・・いずれ新情報が入ってくるかも知れません。」


 結論を言った。


 ・・王女の言う事はご尤もである。正体不明の敵を考えても仕方ない。だが、相手がこれで終わるとは思えない。・・・何か新しい事を仕掛けてくるかも知れない。

 もしかしたら、教会や共和国で起きた事件にも関係しているかもしれない。・・・そんなドラマやアニメの展開があると思い、少し嬉しそうな自分がいた事は誰にも言わない。





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