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狩人の変わった生活  作者: 満たされたい心
第三章 狩人とは
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第102話 仕事と鍛冶。






 地球での一泊が終り、異世界に戻った。


 ・・転移をし、帝国に戻った私は祭りの時に手伝った孤児院に向かった。


 ・・鰹節の作り方を伝授しに。


 ・・何故なら、祭りの準備をしていた時。私は子供の一人に`どうして役に立ちのだ?`と聞いた時である。


 その時、子供は悲しそうな顔で。


「・・・前に、僕たちの飼っていた家畜たちが柵を破って街の人達に迷惑を掛けたことがあるの。・・兵士のおじちゃん達が全部捕まえてくれたけど、露店とかお外に出ていた物を壊しちゃってたの。・・・ヨルネお姉ちゃんが全部弁償してくれたの。・・・だから、少しでも恩返しがしたくて。」


 そう言いながら泣きそうな顔をしていた。


 私は宥めながら思った。・・・この子達は自分を育ててくれた人に対する恩がとても強いことに。・・そうなると、ただ手伝いで終わらせるのは気が引ける。

 何人かの子供達に聞くと家畜と薬草以外何もしていない。


 子供でもできる仕事は中々見つからないのは世界が違っても同じだった。


 ・・・だが、地球から戻ってきた私には子供でもできる仕事を発見した。


 私とティナは孤児院に到着。


 すると、子供達は私たちの顔を見るや一斉に近寄ってきた。


「・・ああ!お兄ちゃんにきれいなお姉さん!!・・今日はどうしたの?」

「・・何?何?・・何か話してくれるの?」

「・・来てくれてありがとう!・・何もないけど。・・」


 思い思いを口にした。


 そんな子供達に私は。


「・・今日はな、君たちにある料理を教えに来た。」


 その言葉に子供達はお互いに顔を見合わせ、そして、つぶらな瞳でこっちを向いた。


 ・・脈ありのようである。・・私は調理場に向かった。


 ・・使う材料は、小麦粉の生地、しょう油、鰹節、ネギ。これだけである。


 ・・・まず、生地をのばして包丁で太麺に切っていく。・・次に麺をお湯に浸す。その間に、お湯に鰹節を入れてダシを取り、鰹節を取り除いた後、しょう油で味付けし汁を作る。・・ゆであがった麺をどんぶりに入れ、汁を入れた後、細かく刻んだネギを入れて完成。


 ・・日本名産のうどんである。・・・子供達とティナに一品ずつ配膳した。


 ・・・最初は`何これ?`と思いつつ、器用にフォークで食べた。・・すると、子供達はすごい勢いで麺をすすっていった。

 ティナは子供ほどではないが、夢中で食べていた。


 ・・汁まで全部飲み干した後。子供達は。


「・・美味しかった!!・・これ何?」

「・・食べたことのない味だった!・・これを教えてくれるの?!」


 質問攻めである。


 私は子供達を落ち着かせて。


「・・まぁまぁ待て。・・作り方を教えるのはこれに使った鰹節という材料だ。」


 そう言って、鰹節を見せた。


 子供達は初めて見る物に凝視していた。


 ・・・私は説明を続けた。


「・・こいつはカツオという魚から作った物だ。・・・作り方を教えるから全員、外に出てくれ。」


 そう言って中庭に子供達と一緒に向かった。


 ・・私は、持ってきた道具を使って、本で調べた通りの作り方を子供達に教えていった。・・・皆、熱心に聞いていた。教える方もの気合いが入るというものだ。


 地球の子供達は教えても話半分しか聞かない者達が多く、社会に出れば何でもできると勘違いしやすい。そんな連中との会話は辛かった。

 ・・・この世界でも大人の冒険者は地球と変わらんが、子供は素直である。


 ・・全てを説明し終えた後、一人の子供は。


「・・・このかつおぶし?を作るのにどれくらい掛かるの?」


 この質問に私は。


「・・そうだな。・・最低でも七日はかかる。・・大丈夫か?」


 この言葉に子供達は一斉に頷き。


「・・大丈夫。平気!!」

「・・どんなにかかってもやってみせる!!」

「・・ありがとう。お兄ちゃん!!」


 それぞれ気合いを入れた声であった。


 私は一安心し、最初の工程だけを一緒に作った後。・・後は寝かせては燻製の繰り返しを子供達に託した。


 ・・・孤児院を出た私とティナはそのままの足で王国に転移した。


 ・・次は鍛冶場でヒヒイロカネを武器に作る作業である。・・・私は、炉に火を入れ、ヒヒイロカネを焼べた。

 ・・・そこからハンマーで形を整えつつ、焼きを入れ、ハンマー打ちを繰り返していった。


 ・・それから三時間。


 ・・ロングソードの形まで加工した。・・冷や水に入れ、熱を取り除いたら、透き通るような白銀でありながらその透明度は凄まじく、まるで泉の如く透き通っていた。


 ・・`解析`をしても強度はアダマンタイト以上。軽さは金よりも軽い。


 ・・素晴らしい出来である。・・柄の部分は`物質変換`で調整し、完成である。


 私は家に居るティナの元に向かい。


「・・ティナ。ベヒーモスの素材で剣を作ったのだが、使ってみないか?」


 この質問にティナは。


「・・あの素材で?・・しかし、あれは黒っぽかったはずですが?」


 この疑問は当然である。


 私も作る前は黒かったのに、焼き入れを繰り返していくうちにどんどん白くなっていったからだ。


 ・・私は。


「・・製鉄最中に白くなっていったのだ。・・不思議としか言い様がないが。・・とにかく一度、試し切りしてみないか?」


 疑問を棚上げし、無理矢理話題を変えた。


 ・・・ティナもそれ以上何も言わずに、剣を取ってくれた。・・外に出て、手頃な木に向かって剣を横一文字に振った。

 ・・すると、木はあっさりと斬られ、倒れた。


 ・・剣に目立った外傷はなく、刃こぼれもなかった。・・惚れ惚れするくらいの強度である。


 ティナは。


「・・・これは思っていた以上にすごいですね。・・・魔力を込めずにこの切れ味。・・・ちょっと魔力を込めてみますね。」


 そう言って魔力を剣に集中させた。


 ・・すると、剣が少し赤くなっていき、近くの木を横一文字に振ると、真っ二つ所か剣圧で大気が震えた。

 ・・・これはやばい。


 ・・その気になれば風圧だけで数人吹き飛ばせる威力である。・・強いが扱いが難しい。


 ・・ティナは驚きつつ。


「・・凄まじい威力ですね。・・扱いには充分に注意しないといけませんね。」


 そう言って剣を鞘に収め、返してきたが私は。


「・・・その剣はティナの為に作った。・・・勿論、今の剣を捨てるとかそう言う意味ではない。・・ティナの装備は少ないからな。・・万が一、剣が折れた場合の為だ。・・短剣では心許ないだろう?」


 以前、狭い場所用に短剣を作った事がある。


 ・・・それを踏まえても武器はもう一つ必要だと感じた。・・まぁ、これ以上はさすがに多すぎるけどな。


 ・・しばらく考えた後、ティナは。


「・・・そうですね。いくらオリハルコンの剣とはいえ絶対に折れないとは限りません。・・シンスケの剣が壊れた例もあります。・・・ありがたく受け取ります。」


 そう言って大事そうに抱えた。


 ・・・その仕草は短剣を与えた時とは比べられないほど可愛いかった。・・見惚れてしまうほどに。


 ・・それを察したのかティナは気を取り直していつもの姿勢に戻った。


「・・おほん。・・・それで、シンスケの剣はどうするのですか?」


 分かりやすい咳払いをした。


 ・・・私は平静を保ちつつ。


「・・ああ。これから同じヒヒイロカネで作るつもりだ。・・その後は、日本刀と防具を`物質変換`で変えるつもりだ。・・・良かったら、ティナの鎧もアダマンタイトに変えようか?」


 この質問にティナは。


「・・そうですね。・・では、そちらの作業が終わったらお願いします。」


 そう言って家の中に入っていった。


 ・・・ずいぶんな早足。・・よほど恥ずかしかったのかな。・・・私は鍛冶場に戻り、作業を再開した。


 ・・・・あれから四時間。


 ヒヒイロカネの剣が完成。・・日本刀の構造も玉鋼五十%、発火合金三十%、レニウム十%、ヒヒイロカネ十%。

 ・・日本鎧の構造をアダマンタイトに変換。


 ・・・私の装備は完了した。・・家に入り、ティナの鎧をミスリルにアダマンタイトを加えた。


 その過程で白銀の鎧が灰色に近い物になった。


 ティナは。


「・・別に色に拘りはありませんから。気にしないでください。」


 私の顔色が分かったのか、安心する返答してくれた。


 ・・・私は一息入れた後、時間を見た。・・時刻は夕方五時。・・なんだかんだで一日は潰れたようだ。


 私は。


「・・今日は、ここで休もうか。・・帝国に戻るのは明日にして。」


 この提案にティナは賛成してくれた。




 ・・・夜。


 夕飯は魔物の肉を使った焼き肉を食べた。


 ・・・そして、夜が更けていく頃、ティナは緑色の鎧を着ていた。・・私は物置から十字架の磔台を出した。

 ・・・いつものようにティナを磔にし、その体を、鎧ごと堪能した。


 ・・・今回はムチは使わず、魔物の鳥から採取した羽ほうきでくすぐりを開始した。


 ・・手でやるよりも繊細で、柔らかい感触にティナは我慢できずに大笑いした。・・私はその声を聞きながらくすぐりを続けた。

 ・・・普通なら止める所を続けるのは、苦しむ姿を見るよりもイジメたいといういたずら心が大きかった。


 ・・・涙目になるティナを見て、さすがに止めた。


 ・・肩で大きく呼吸するティナに私は。


「・・・まだまだ、これからだよ。」


 あごに手を添えて悪い笑みで言った。


 ・・・ティナは虚ろな瞳で。


「・・・優しく、お願い、します。」


 乱れる息でお願いしてきた。


 その言葉で私の理性は吹き飛んだ。


 ・・・一晩中、ティナをくすぐり続け、囚われた女騎士のようにムチや痛み以外のプレイをたっぷりと楽しんだ。





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