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狩人の変わった生活  作者: 満たされたい心
第三章 狩人とは
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第99話 ドワーフとの会合。

 先の更新が遅れて申し訳ありません。 中々に上手く書けず、手間取ってしまいました。







 客室に戻り、鎧を着て武器を携帯した。


 ・・早速、ドワーフ族の作業場に向かおうとしたがティナが。


「・・早足すぎっではありませんか?・・もう少しゆっくりしたらどうです?・・別に相手は逃げません。」


 少し叱られた。・・確かにその通りである。


 私は何を焦っているのだ?・・だが、それも仕方ない。


 何しろ、エッジソンという兵器。私の世界ではよく知っている名だからだ。




 ・・・城から少し離れた工業地帯、ここでは様々な道具が開発されている。


 人々の生活を助ける物や武器を強化と開発をしている。・・そして、ここで働く者の大半がドワーフである。


 ・・・身長は約百五十センチ、豪快なヒゲを生やし、髪もボサボサ、着ている服は工場などで見かける作業服。

 ・・物語に出てくる格好そのものである。


 ・・・ここまでくるとエルフもいるのか?と思ってしまう。


 ・・案内してくれたメイドが近くに居るドワーフと話している。・・しばらくすると奥から一人のドワーフがやって来た。

 ・・着ている服は作業服だが、どこか上の者と感じさせる印象を与える。


 ・・・ドワーフが。


「・・初めまして、ワシはここを取り仕切っているドワーフのルルドと申す。・・お主らのことは城から来たメイドから話を聞いている。・・まぁ立ち話をなんだし、奥で茶でも飲もうではないか。」


 そう言って奥に案内された。


 ・・・中に入ると、作業机が多く、宝石を加工し、装飾品を作る作業場の雰囲気である。・・・そこにある来客用と思しき、テーブルと椅子がある。

 ・・私とティナはそこに座った。・・・対面するようにルルドも座った。


 私が周囲を見ているとルルドは。


「・・はははっ、応接室にしては物が多いと思ったか?・・・ここは物作りに専念したい場所でな、客を迎える場所が全くない。・・・唯一、まともなのがこの装飾現場だけだ。・・・悪いな。」


 そう言って申し訳なそうに言う。


 私は。


「・・いえいえ。こちらが押し掛けたようなものですし。・・それに、こういった場所は初めてで新鮮な気持ちです。」


 お世辞言葉を言ってみた。


 ・・・こういった会話は中々に慣れない。そう思っているとお茶が運ばれてきた。・・紅茶である。


 ・・ルルドは。


「・・・いやはや、我々のおもてなしは酒を出すのは流儀だが。さすがに朝からはダメのようだ。」


 そう言うルルドに私は。


「・・お気になさらずに、俺は酒を飲む時は夜のみだと決めております。・・・むしろ助かってます。」


 お礼を言う。ルルドは安心した顔をした。


 ・・紅茶をすすった後、私は。


「・・さてと、本題に入ってもいいですか?」


 この確認にルルドは頷いた。


 私は続けた。


「・・あなた方が開発したというエッジソンという兵器。・・なぜ、エッジソンと名前を付けたのですか?」


 この質問にルルドは。


「・・まぁ、変わった名前だと思うだろう?・・・だが、この名前にしたのには意味がある。・・何しろ、あの四足歩行の兵器を作る方法を教えてくれた人物の名を付けたからな。・・・百年ほど前になるか、ワシがまだ、鍛冶士として工房で働いていた頃。・・」


 その言葉を聞いた私は。


「・・え?百年前に鍛冶士?・・・ドワーフって長生きなのか?」


 小声で言う私にティナは。


「・・・知る限りでは三百年は生きてるドワーフもおります。」


 小声で答えてくれた。


 ・・・地球でも似たような物語もあるが、似ている所が多すぎる。


 ・・今度調べてみるか。


 ・・そう思い、ルルドの話を聞いた。


「・・・当時のワシは帝国の田舎で働いての。・・何人かの仲間達と共に鍛冶を勤しんでいた。・・・そん時、我が一族に代々伝わる`異境の鏡`という道具があってな。・・何でも遙か遠い所と通信できる代物だ。」

「・・・しかし、あの頃は全く反応せず、ガラクタ同然だったが、あの日、鏡が光っての。・・・見てみると白髪の老人がこちらを見ていた。・・変わった服を着ていたの。・・唯一似ていたのが貴族が首辺りによく付ける蝶ネクタイだったか、それを付けていての。・・・最初は貴族か思ったが、豪華な服装でも無かった。」

「・・・その老人はこちらを見ては、`成功だ`と大喜びしていた。そんで、`私の名はエジソン。・・天才発明家である。`とか、すごく興奮していたのは覚えている。・・・その後は何か長話をしていたようだがよく覚えていない。・・確か、`霊界通信`だとか、`見た目は普通だな`とかよく分からんことを言っていたな。」


 そう言って紅茶を飲んだ。


 ・・・間違いない。霊界通信という言葉で確信した。


 ・・・トーマス・エジソン。


 ・・・地球のアメリカの歴史に存在する発明家。・・数々の発明を開発し`発明王`と呼ばれる偉大な人物。・・・確か、晩年では霊界通信機を開発に専念していたという。

 ・・成功したという話は聞いていないが、もし、成功していても誰にも言っていない可能性がある。


 ・・彼の人生は成功と失敗が交互に起きたことでも有名である。


 ・・・宣伝すれば間違いなく奪われる。そう思ったのだろう。


 ・・・私は。


「・・・とすると、そのエジソンという方があの兵器を開発するヒントでも貰ったのでしょうか?」


 この質問にルルドは。


「・・最初は農業用に作ろうとしていたが二足歩行ではバランスが悪くて無理だった。・・・だが、その男にここの技術を教えたら、`もっとすごい発明ができる。`と言い出しての、一旦、鏡から消えた。」

「・・・それから何日かして、再び鏡に映っての。・・ある設計図を出してきた。・・それが四足歩行の兵器だ。・・・最初は両手は何も持たない形でな。・・・しかも、電気で動く代物だ。」

「・・・エジソンは、電気にかなりのこだわりを持っていたな。・・何を話しても、電気という言葉が出ない会話はなかった。」


 昔を懐かしみながら語った。


 ・・・それは当然かも、電気、それも直流送電に拘りを持っていて、交流送電のニコラ・テスラと電流戦争を起こすほどである。

 ・・・かなりの高齢でも長いこと研究していた物は捨てる事はできなかったということか。


 ・・私は。


「・・しかし、あの兵器は確か、蒸気機関で動いてると兵士が言っていましたが。・・何故、蒸気に?」


 この質問に苦い顔をしたルルドは。


「・・あぁ~~~。・・最初は、雷の魔術で動かす設計で作ったんだが、欠点があってな。・・・出力が全然安定しないんだ。・・・術者が搭乗しても動かすだけで大量の電力が必要でな。・・・動くことはできるが数歩動くだけで魔力切れ。・・とても世に出せない代物だった。」

「・・・しばらくは設計図ごと封印していたが。・・・それから五十年かな。・・ワシの噂を聞いて王都から使者が来ての、ここで働くことになった。・・・ここの技術は蒸気機関という、ジェームズという人物が開発したとか。・・まぁ、その人は突然どこかに消えたらしいがな。」

「・・・ワシはこの機関であの兵器を動かせるんじゃ無いかと思っての、試行錯誤を重ねてついに完成したのだ。・・・だが、上の連中は戦う兵器を望んでいての。ワシが作った兵器は戦いには不向きと言われた。・・・どう戦闘向きにすればいいのか分からなかった。」

「・・その時、グリネ王女が火縄銃という武器を持ってきての、それを兵器に取り付けろと命じられた。・・・ワシは、それを分解、解析し。・・・巨大化と量産に成功。・・・完成したそいつにエッジソンと名付けた。・・・戦闘兵器に付けるのはどうかと思ったが、彼の考えがあっての物だ。・・・だから、名付けた。」


 そう言って紅茶を一気飲みした。


 ・・・なるほど、力不足故に動力を変えたと言うことか。・・考えたら当然である。


 ・・動かすにはそれ相応のエネルギーが必要。・・どんな物でもだ。


 ・・・エジソン氏はこの世界が霊界で、無尽蔵に溢れる世界だと思ったのだろう。・・・その気持ちは分かる。

 ・・私も最初の頃、この世界は未知で溢れていると感じたからだ。


 ・・・私は紅茶を飲んで。


「・・・中々にいい話を聞かせていただきました。・・・後、不躾なお願いですが。・・この工場内を見学してもいいでしょうか?」


 このお願いにルルドは。


「・・別に構わんぞ。・・ヨルネ王女様からのお達しでもあるからな。・・好きに見て回るがいい。」


 許可を貰った。


 ・・私は笑顔でお礼を言い、工場内を歩き回った。・・・特に、武器開発を重点的に見ていた。・・・蒸気機関で鉱石を加工、精製し。・・ハンマー打ちでの製造。


 ・・・その技術は地球でも滅多に見ることはできない。


 ・・私はこれからの鍛冶作業の参考になると考え、勉強していた。


 

 私はこの時ほどドワーフの技術を見ていて良かったと思った。・・・まさか、あれに関わることになるとは。・・・





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