幕間 戦いの終り。
こうして三つの戦場は終りを告げた。
人間側も魔物側も被害は甚大。
エッジソン隊の半数は大破し、残りは動くことはできるが、戦闘復帰は時間が掛かる程の損害。兵士達並びに冒険者達も多くの死傷者が出ていた。魔物側は、上級魔物のロックオオカミが壊滅状態にし、ゴブリンガーディアン、グレートオーガも半分は死んだ。サイクロプスは倒すことはできなかったが、かなりの深手は負わせた。
一方、個別で闘っていた二人。
ティナは、目立った傷は顔だけで、他はない。鎧も所々汚れや傷はあるが、支障は無い。だが、魔力はほとんど無くなっており、しばらくは戦闘続行は不可能。・・シンスケの元に向かった。
シンスケは、スキル`激動`の効果が切れ、魔力は無くなり、その場に倒れた。しかし、もっとひどい所はある。ダンメスに掴まれ、投げ飛ばされた時、骨の何本かはヒビが入っている。・・更には、受け止める時、あばらが一本折れていた。だが、シンスケはそれに気付かず、今まで闘っていた。・・高揚しすぎて痛みを感じていなかった。
誰もが、闘えない状況。・・此度の国境線の争いは、しばらくは無いだろうと誰もが思った。・・七匹以外は。
上空から見ていた七天魔。
その顔は皆、満足そうである。・・これ程の戦いは久しぶりの傍観であるからだ。
そして、最後の仕上げに帝国に向かった。