最大の地獄
魔王城
「おい、アルナ少しこっちに来い。」
「はい。魔王様。」
「お前は中々いい体をしている。少し夜のお供をしてくれ。」
「しかし、魔王様それは法に引っかかる行為です。 いくら私とてそれはできません。」
魔王国では一夫多妻が法律で禁止されており、魔王はその中でも最もこの法が厳しく適用されている。
その理由は古代の魔王は自分の国を大切にしていて侵略などをあまりよく考えていなかったので、強いものが増え力で統治する様な国にはしたくなかった。
その為、強いものは子を2人までとし妻も1人だけというこの法が作られた。
そんな法を破る行為をメイドであるアルナが了承するはずはなく、魔王の誘いを断った。
「いいから。俺の言う事を聞け!」
魔王は少しイラついたのか、乱暴にアルナを捕まえると自分のものをアルナの中に押し入れた。
「なっ、魔王様! やめて下さい! お願いです!」
「分かった………とでも言うと思ったか? ここまでやって辞めるわけないだろう。」
魔王はそう言うと一層動きを激しくした。
アルナは魔王を突き放そうとするが、力の差が大きく魔王はびくともしない。
結局最後までやられたアルナは気絶し、数日後アルナのお腹には新しい命が誕生した。
こうして産まれたのがエルナである。
アルナはいつも、魔王との関係がバレない様に振る舞っていたのだが、魔王はそんなの関係なしにアルナを犯し続けた。
魔王にとってアルナは単なる道具でしかなかった。
魔王は自分が危うくなれば切り捨てればいいが、アルナは意見した所で誰も味方にはならない。
もう、昔の様な魔王国はここにはない。
今、ここには腐りに腐った魔王国しかなかった。
そして、エルナが産まれて約8年の月日が経った。
アルナはエルナの事を周りには外の魔族との子供という事で通して、何とか隠していた。
魔王の様子は相変わらずで、アルナはこのままではバレるのも時間の問題だと思い行動を起こそうとする。
しかし、そんな時ある配下にこの事が勘付かれた。
アルナは一刻も早く魔王城を出ようと試みるが、時既に遅し、この事は王都中に知れ渡りそれを知った魔王の行動はとても早かった。
魔王はアルナが寝ている間に襲って来たと、頭のおかしいデタラメをでっち上げ、アルナとエルナを追放した。
だが、これはとても不思議な事である。
普通ならば死刑でもおかしくない行為なのだが、時期のお陰で死刑は免れた。
その時期というのは魔神ディザスの血肉の時期と創造神エリアの安寧の時期である。
血肉の時期は罪を犯したものは全て殺し、その血肉を捧げる。
安寧の時期は反逆罪と殺人罪以外のものは誰も殺さずに平等にやり直す機会が与えられる。
今はその時期のうちの創造神エリアの安寧の時期だった為追放だけで済んだ。
しかし、アルナにとってはそれこそが最大の地獄だった。
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