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本に描かれた謎の陣


僕は朝起きても特にやる事がない。

普通の貴族なら勉強や鍛練をするのだが、僕は勉強は既に済ましているし、鍛錬はやっても意味がない様に感じる。

特に魔法はうまくできる気がしない。

知識はこれでもかというくらいあるのだが、僕が魔法を使える確率はゼロに等しい。

なぜなら、魔法は本来大気中にある魔素を体内に取り込んでイメージと共に放出すると、そのイメージ通りに魔素がいろんな属性や形に変わって魔法になる。

しかし、僕の場合イメージが複雑過ぎて、魔素が魔法に変われきれずに放出されてしまうので何も起こらない。

それを踏まえてイメージを単調にしてみたが、勝手に脳内がイメージを広げてしまって結局複雑になってしまう。

なので、僕が魔法を使える確率はゼロに等しいのだ。



シャスは勉強に関しては天才だが、今の通り戦闘はとても弱く落ちこぼれとも呼ばれている。

公爵の息子の為虐められる事はないが、悪い噂を耳にする事は多々あった。


お父様は「頭が良いならそれを活かせばいい。誰でも苦手な事は必ずあるんだから、シャスは頭を使えばいいんだ。」と言ってくれるが、僕はそんな自分がとてもじゃないが好きになれない。

貴族の血縁でありながらこのざまだ。

だが、僕は強くなる事を諦めたわけではない。

僕には僕なりの強くなるきっかけが必要なのかもしれない。

そんな事を最近思っている。




シャスはあと少しで読み終わる本(魔法とは)を手に取ると読み始めた。



少しするとシャスは最後のページを読み終えた。

シャスは最後のページをめくると仰天した。


本の1番最後の所にシャスですら知らない陣が描かれていたのだ。

シャスはすぐさまセバスを呼ぶと「セバス、この本の出所はどこだ?」


「シャス様、少々お待ちを。今すぐ調べて参ります。」


セバスはすぐさまこの本の出所を調べに行った。



セバスは調べに行ったかと思うとすぐ戻ってきた。


「シャス様、そちらの本の出所はエルフィア王国でございます。」


「エルフィアか…あそこならあり得るかもしれない。」


この時、シャスの中で本に描かれていた陣とエルフの国であるエルフィア王国が繋がった。


魔法について書かれていたこの本。

最後に描かれているのも魔法に関係する何らかの物だ。

これを解き明かせば僕と魔法の架け橋となるかもしれない。


僕は今すぐにでもエルフィア王国に行きたいのだが、生憎明日は貴族のパーティーがあるので、公爵家の息子である僕は抜けるわけにはいかない。


行けるとしても明後日以降だろう。

シャスはすぐさま行きたいのは山々だがその気持ちを押し殺して、気が紛れるように他の本を読んだ。





次の日、シャスはいつもより豪華な服を着て家を出た。

今日はパーティーの日なので少し暑苦しいが我慢する。

はっきり言って僕はパーティーがあまり好きではない。

公爵の息子だからといって言い寄られたり、この年齢で結婚を申し込まれることもある。

まぁ大体は親の為にとかだろう。

そういう考えは嫌いではないが、流石に好きとまではいかない。


僕は馬車の中で本を読みながら適当に時間を潰した。

クロール領から王都まで馬車だと約3時間程かかる。

その間、ずっと本を読む事は今の僕には出来なかった。

本を読んでいても、何をしていても、昨日の事で頭がいっぱいで落ち着いていられなかった。


結局、僕は考えるのをやめて寝る事にした。













読んで頂きありがとうございました!

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