ペットが精霊だった件について
序章
部活の帰りの途中、車に跳ねられた。
突然だった―と思う。
世界は誰かを基準にして回るわけでも、回せるわけでもない。
自分が生まれて、今日まで都合良いようには出来てなかった。
誰もが主人公に憧れる。心では中心は自分であるべきだとおもう。
でも今日は皆に注目される訳だから喜ぶべきなんだろうか…。
自分の状態がわからない。跳ねられたのは間違いない。
痛みは不思議と無い。雑音が遠くに聞こえる。頬を叩かれてる気がするが、
感覚ほぼないみたいだし、反応もできそうにないっぽい。
これが臨死体験? ってやつなのか。
走馬灯見てないから意識はあるのかな。
これ植物人間ってやつ?
あぁ… 眠たくなってきた。
他の事を考えよう
やり残したこと、何かあるっけ?
お母さんには迷惑かけちゃったなぁ
ごめんね。
お父さんは会った事ないけど、一応ごめん。
ぶんちゃんはどうなるんだろ。
鳥にしては珍しく毎日一緒にお風呂に入ってたっけ。
お母さん面倒みる時間ないだろうから捨てられちゃうのかな?
逃がすのも法律? でダメだし。
そこは息子の代わりだと思ってお母さんを信じるか。
天国から見守ってるよ・・・。
あとは何かあるかな。
てか、死んだにしては余裕あるんだけど
これが実際の死を経験した者しか体験できない真の走馬と―。
『お目覚めでしょうか―。』
『お世話にさせて頂きました、ぶんちゃんです』
頭に声が響く。
気が付いたら森に居た。
どでかい大木が立ち並ぶ。
なんか変だ。静かで、土の匂いすらない。そう、現実味がない。
どうなってる。どうなってるんだ。
夢? 僕は夢を見てたのか?
『私のお願いを聞いてくださいませんか?』
『一緒に旅をしましょう。私からの恩返しです』
理解ができない。
今この周りの状況
響き渡る声、変な汗が出てきた。
僕は誰だ?
高1の高瀬悠馬、母子家庭で、彼女無し、友達もまだなし、親友はぶんちゃん。
『はいっ! 私です』
『目の前いますよ‼』
『落ち着いてください‼‼』
さっきまで気を使ってたのだろうか、今は強烈に声が聞こえる。
目の前…。目の前には一匹の鳥が居た。
コッチをみながら首を左右にまわしながら僕を見つめている。
『改めて、ようこそ!』
『私達が住んでいた―。精霊の溢れる世界へ』
小説描くのは初めてです。
先輩方を見習いながら自由に書きたいと思います
よろしくお願いします!