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話を聞きます。


「救急箱持ってくる。」


「どうなってんだよ。こいつは一体?」


「説明はあと!とりあえず手当てしなくちゃ。」



黒田に手伝ってもらいながらなんとかノームの手当てを終わらせた。

幸い深い傷などはなかったため、手当てはすぐに終わった。


夏輝がノームを毛布に寝かせ、救急箱の片づけをしていると、黒田が一つ咳ばらいをした。



「で?そろそろ説明してもらえるか?夏輝。」


「あ、ごめん。私もよくわからないんだけど…」



夏輝は片付けの手を止め今までの経緯を簡単に説明した。



「なるほど。とにかくこいつに話聞いてみなきゃ始まらねえな。」


「そうだよね。目覚めるまで待とう。」



ノームは疲れていたのかすやすやと眠っている。

無理に起こすのもかわいそうなので、自然に目が覚めるのを待つことにした。



30分程経っただろうか。

夏輝と黒田はコーヒーを飲みながらノームの様子を見ていた。

するとノームがもぞもぞと動き、目がゆっくりと開いた。



「あ、目覚めた?大丈夫?」


「うん、大丈夫。君が助けてくれたんだね。ありがとう。」


「どういたしまして。」


「おいちび助。お前は一体何者だ?」


「わっ!」



黒田が出てきた瞬間、ノームは驚いた声をあげ毛布の中にもぐってしまった。



「ちょっとクロ!怖がらせないでよ!」


「え、俺普通に聞いただけなんだけど…」


「クロは身長でかいから威圧感があるの!ごめんね、怖くないから顔見せて?」



怖がらせないようにできるだけ優しく声をかけると毛布から顔がぴょこんと出てきた。



「…悪かった、怖がらせるつもりはなかったんだ。何もしないから安心してくれ。」


「…僕こそごめんなの。僕はフェン。妖精の国から来たの。」


「私は相良夏輝。こっちのでかいのはクロ。」


「でかい言うな。黒田竜二だ。フェン、どうして傷だらけで倒れていたんだ?」



問いかけるとフェンは慌てた様子でバタバタと動き出した。



「そうだった!大変なの!えっとえっと…」


「落ち着いて、大丈夫だから。何が大変なの?」



慌てて上手く言葉が出ないフェンに落ち着くように言うが、相当焦っているようで全然落ち着かない。



「フェン、これ飲んで落ち着け。」



そう言って黒田が差し出したのは紙パックのいちご牛乳だった。



「どこから持ってきたのそれ。」


「ん?さっき俺が買ってきた。」



フェンはそれを受け取り一口飲んだ。

なんだか目がキラキラしている気がする。

気に行ったのだろうか、あっという間に飲み干してしまった。



「ありがとうなの黒田。」


「どういたしまして。落ち着いたか?」


「うん。」


「話せる事からでいいから教えてくれる?」



フェンから出た話は想像以上、そして非現実的なものだった。



「妖精たちが住む妖精の国がコンピューターに乗っ取られそうになっているの。」


「コンピューターに乗っ取られる?どういうこと?」


「もう少しわかるように説明できるか?」


「えっとね、最近妖精の国の力が弱まってきているの。そこに漬け込むようにコンピューターがやってきて、国を奪おうとしているの。なんでもコンピューターの力が大きくなってきたから、自分たちが住む場所を探していたみたいなの。」


「大きくなったって?」


「…恐らくコンピューターの技術が進化したってことだろう。最近は特にネットの普及とか、AIがどうとか言われているだろう。」


「あ、なるほど。」


「まだ全部を奪われたわけじゃないけど、きっとそれも時間の問題なの。奪われる前にどうにかしないと。」



フェンはまたそわそわしだしてしまった。



「じゃあフェンの怪我はコンピューターに?」


「うん、僕がいたところが襲われて。でも魔法使いさんが来てくれて僕を逃がしてくれたの。」


「魔法使いってのは?」


「妖精の国のリーダーなの。強くてかっこいいの!でも僕を助けるために…」


「どうなったの?」


「わからない。僕に助けを呼んできてって言って僕を魔法で遠くに逃がしてくれたから…」



フェンは泣きそうになっていた。



「こんなこと、会ったばかりの二人には頼みにくいんだけど…魔法使いさんを、妖精の国を助けるのに手を貸してもらえないかな!」



フェンはそれを言うとついに泣き出してしまった。



「おいフェン泣くな。」


「そうだよ泣かないで。何ができるかわからないけど、魔法使いさんと国を救いに行こう!」


「…いいの?」


「ここまできて無理ですなんて言わないよ。それに大切な人を失うのは誰だって辛いから。」


「…俺も手伝うぜ。」


「え?クロも手伝ってくれるの?」


「この話の流れで断るバカがいるか?それに夏輝だけじゃ危なっかしい。」



黒田は夏輝の頭に手を置くと笑みを浮かべた。

夏輝はすぐに手を振り払い、顔を背けた。少し耳が赤くなっているのを見逃さなかった黒田はフッと笑った。



「妖精の国に行くにはどうすればいいんだ?」


「森に入口があるの。案内するの!」


「わかった。準備するから少し待ってて。」


「俺も一回帰るわ。すぐ戻る。」



一度黒田と別れ、妖精の国に行く準備をする。


少しして、準備ができた三人は妖精の国の入口がある森へと足を進めた。


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