〜ステータスの再見〜
凹凸のない体を布で拭き終わり、人狼に貸して貰った服を着ようする。
黒い長袖のインナーのような服なのだが、サイズがあまりにも違うせいで、格好の悪いドレスのようになっていた。
かぶるように首を通し、服を着る。袖は長すぎたので捲り上げた。
下着を履いてないのにスカート状態の服を着せられいる為、ものすごくスースーする。
湖に近づき、日によって反射する湖面を鏡代わりに使う。
パッと見、完全にジブリ映画、魔女の宅急便の服装そのものであった。
湖面に映った自分の姿を見て、先程は顔にみとれていて気が付かなかったが、とある事に気がつく。
あれだけ傷だらけでボロボロだった体に、全くもって傷跡が無いのである。
多分あの人狼が回復魔法やらなんやらで、直してくれたのであろう。この世界の回復魔法はこれほど凄いのか…
1人で関心して、裂傷が酷かった部分などに目を向けたりしていた。
そういえば回復魔法で思い出したけど、なんかバックアップシステムなる物がステータスを表情してくれたな。
あれって今もできるのか?
そんな事を考えたその瞬間に、聞いた事のある無機質な声が頭の中に入る響いた。
《可能です。ステータスを表示しますか? yes/no》
うぉ!反応早!怖!
もしかしてこいつ常に俺の思考を読んでるんじゃないのか?
ちょっと怯えつつ、取り敢えずyesと念じる。
《確認しました。ステータスを表記します。》
目を開けている状況だと何も見えないが、瞼を閉じると眼前に、電子機器で打ったような文字列が現れた。
名︰無し
種族︰イノセンス 年齢︰10 職業︰重犯罪奴隷 性別︰女
HP︰11/11 MP︰4/4 力:9 持久力:10 敏捷:21 知力:30 魔力:20
状態︰重犯罪奴隷の呪い 記憶喪失
使用魔法︰キュアLV1 スラッシュLV1
スキル︰システムLV1 忌み子LV1 痛覚軽減LV1 言語翻訳LVMAX 吐き気軽減LV1
称号︰《重犯罪者》《忌み子》《死刑囚》《転生者》《無垢なる者》
状態以上が軒並み消えていた。しかし1番厄介そうな、[重犯罪者の呪い] がまだ健在していた。しかしHPは全開、外傷や病気などは全て消えていた為健康であると言えるだろう。
あとは殴られた時に貰った、痛覚軽減や吐き気軽減がのっていた。言語翻訳はLV1でMAXのようだ。
それ以外が特に変わったことはなく、大して面白い変化もなくなっていたので残念であった。
普通転生モノといったらここらへんで、チート能力の1つや2つ欲しいものだが…
可能性があるのは、[忌み子]ぐらいか?
草原に寝そべり、小一時間1人唸りながら自分のスキルを考察していた。