第1話 ねにゃんねねゃんねや~ん♪ ねにゃんねねゃんねや~ん♪(完)
一応ハーレムチート異世界転生物ですが、主人公は囲まれるだけ。結局闘わないかも。闘うのは女性です。ほのぼの主体の為、手当たり次第のハーレム恋愛にはなりません。メインバトルはカードゲームか、聖域での闘いになると思います。
「…ふぇ?」
目を覚ました俺は、目を擦った。
もう一回。
「ふにゃ…?」
そう言って目を擦った。
俺、さっき首締められて、死んだはずだよな。
…俺が死んだ理由、それは親父の借金のせいで以下略。
死ぬならお前が先にしね、俺はそう思った。
唯一の救いは、妹が留守だったこと。
「――愛タン元気かにゃ?」
俺は寝ぼけたまま呟いた。
周囲には、俺が今まで見た事も無い風景。
けどそんな事はどうでもいい。
「にゃぁー、愛タン、どこにゃー!にゃー!」
俺はにゃんにゃん言った。にゃんは俺の口癖で、俺は普段からこの猫キャラで通している。
理由はもちろん猫が好きだからだ。
ねにゃんねねゃんねや~ん♪
ねにゃんねねゃんねや~ん♪
「あ、電話だ」
俺は携帯を取り出した。
「もしもし?」
ちなみに、着信音は皆統一。理由は簡単。俺はこの曲がとんでもニャく好きだから。
『お、おにいいちゃん…!』
「どったの、愛タン?」
『お、おとうさん、がしんで…!』
「何だって!!」
俺は驚いた。親父が死んだ!?よっっしゃ!!つかマジか!?いやったぁああ!!あの飲んだくれ!!意外と人間味あるじゃにゃいか!
『おにいちゃん!どうしよう!どうしよっ、けいさつ!?』
「おっと、愛タン、落ちついて。多分、自殺だろ?…本当に死んでるか?」
俺は、内心ガッツポーズしながら確認した。
『…うん、首をつって…!にゃんお兄ちゃん、早くかえってきて!!』
「分かったにゃん!!…と、ちょっと今遠くにいるんだったにゃん!…愛タン、まずは110に電話だにゃん!その後、親戚の田中の叔母さんの家にゴー!だ!にゃん!おっけ?」
『お、おっけ…』
それで切れた。
この携帯、通じるな。あとは充電か?期待はできないな。先にメール打っとこ。
「にゃんて打つにゃーご?」
俺は首を傾げた。
愛ちゃんへ。
俺は異世界にどうやら来たらしい。無事に帰られる保証は無い。
だが、愛ちゃんの為に、なるべく早く帰るつもりでいる。
だから叔母さんに適当に事情を説明して、しばらく養って貰ってくれ。
そうだな、謎の力を手に入れた気がするから、二日あれば。
ガラケって最高だよな。
「よし、送信だにゃん!」
俺は電波が届くように、携帯を頭上に掲げた。
うにゃ。微妙に、時間がかかってるきがするにゃ…。
「にゃ~!届けにゃ~ん!」
振り回す。にゃ~んと送信完了!やったにゃん☆
「あのー…」
「にゃん?」
俺は振り返った。
青シスターっぽい格好の、金髪の、青い瞳の女がいた。
胸が重そうだ。肩凝らないか?
あ、俺がここを異世界だと断じたのには理由がある。
なんとなく、中世っぽいからだ。
ここはどっかの、豪華だがそれなりに狭い部屋。
省略するが、窓とか、立派な両開きの扉がある。
床は青い絨毯。俺はその真ん中に描かれた、ニャンコ魔方陣の上。
「あの、貴方が私のますたーですか?」
「あ違います」
俺は言った。明らかに人違いだ。
召喚的な事をして、ますたーは無いだろ。
「そうですか…。もう一回…」
どうやら召喚的な事の練習中らしい。
「あ、俺はこれで」「あはい」
この世界に来た俺に備わった力、それは。
危険予知能力、魔法攻撃無効能力、魔法アカ属性、アオ属生、ミドリ属性、キ属性。
炊事、裁縫、ピアノ、サックス、アルトリコーダー、体重が42.195キロ。
戦闘時における逃走成功100パ、あと乱戦時におけるクリティカルも100%。
うにゃ。…これだけあればなんとかなるだろ。
「愛タン、まってるにゃん☆」
そして俺はウインク一つ。
異世界の扉を開けた。
〈おわり〉
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