7話 アパートのお披露目です
「うわー!!」
アパートの中に入ると誰もが感嘆の声を上げる。
エントランスは広々としていて正面に階段が、左右は廊下になっている。
入ってすぐ左に俺達の部屋の管理人室があって、ここから小窓ごしにやり取りができる。
左右の廊下だか左の短い方は管理人室で向かいがトイレと風呂で、奥は食堂だ。
右の廊下は部屋が向かい合って2部屋ずつ、計4部屋あって、各部屋にはトイレと風呂が完備されている。
それから監視の為にここや廊下、食堂などにカメラを設置し、入り口などには警報機も設置している。
ちょっとした高級マンションみたいだよな。
みんながわいわい騒ぎながら楽しそうに扉を開けて見て回る姿を見ると微笑ましい。
うん、良い仕事したな。
「これなんだろ?」
1人が階段脇のデッドスペースにある物に気づいた。
ここに置いてあるのは[どこでも売買機(服飾)]という、欲しい商品をお金さえ払えばすぐに手に入れることができる長細い機械で、色々な種類があるがこれは服や布団などが買える。
券売機のような見た目の大きな物でタッチ式の液晶画面があり、立ったまま操作できる。
下には大きな取り出し口が1つあってそこから購入した物が出てくる。
俺はそのことをみんなに説明した。
「へぇー便利な物があるんだなー」
「でもお金なんて俺達持ってねーよ」
困ったように口々に言い合う様子を見て俺は大事なことを言ってないことに気付いた。
「それについては仕事をみんなに割り振ってお給料を出すつもりだから心配ないよ」
「えっ!? 雇ってもらえるの!?」
驚いた声が次々に上がる。
中には「安い賃金で奴隷のように働かせるんじゃ....」とか不安そうな言葉も混ざっていた。
そのことに苦笑いした。
「みんながここで生活できるように畑を耕したりそれを売る店を作ったりするつもりだよ。
まぁ、最初のうちはこっちで面倒みるからそんな気負わないでね」
神からもらったこの時計があれば何でもただで手に入るけど、それじゃ人として駄目になるだろう。
いずれは彼等自身の力で生活できる、ちゃんとした町にしていきたい。
「オラ、昔は畑仕事してたからやらせてくんろ!」
「えっと、名前は?」
「スッダだ」
30代後半~40歳くらいの男性が言った。
スッダさんというその男性の心意気は有り難いがまだ痩せているし顔色も悪い。
「んじゃスッダさん、元気になったら畑仕事をお願いするよ」
「オラは元気だぞ?」
「そんなに痩せてよく言うよ、もっと元気になったら頼むからさ」
俺がそう言えば困惑しながらも「分かっただ」と頷いた。
「皆も暫くはのんびりして、もっと肉付きがよくなったら仕事頼むから。そんときはお願いね」
俺が全員に向けてそう言えば、驚いたように目を見張ってからコクコクと頷いてくれた。
それからそれぞれの部屋に案内した。
みんな自分の部屋を見ては歓声をあげていたので、作ったこっちとしては嬉しいかぎりだ。
アパートの説明とか難しい。
どこでも売買機の説明もだけど、他にも売買機シリーズ出てきますが形や大きさも違います。
自分で分からなくなりそう…