47話 ミスリルとオリハルコン
物資調達隊の活動で町では美味しい果物や沢山の材木が手に入るようになった。
果物はそのままでも美味しいけどルミナスさん達が料理に使ったりもできるし、木材もチュチュ達や個人で使っている人もいる。
それに洞窟からは宝石や鉱石が手に入る。ただ、洞窟内は外より魔物が強くて彼らでも危険なんだって。
「シャリ シャリ...そっか、果物や材木は色々使い道があるけど、鉱石は手に入っても加工ができないんだね」
「あぁ。ここで採れる鉱石はミスリルやオリハルコンなど上質なものばかりだからな。私達の技術や道具では加工できないんだ」
「重たいのを必死に持ってきたのに使えないなんて嫌よね、あのどこでも売買機を使えば売れるけど、自分達で何か作って売った方が高く売れるはずよ、そのまま売るなんて勿体ないわ」
「モグモグ、あれ運んだの俺っちなんスけど...」
森から採ってきた果物をもらい、食べながら物資調達隊やチュチュ兄弟で集まり話しを聞いていた。
リアーナの言う通りここにいる者では鉱石の加工ができないそうだ。...オリハルコンとか、伝説の金属じゃん。
ミスリルなら少し削ったりとか小さな加工はできるけど、それでも硬いから時間が掛かるらしい。オリハルコンは全く無理だそうだ。...よく採ってきたな。
だから採掘するのも大変らしく、無理やり力任せで採ってきた鉱石は欠けていたりヒビが入っていたりと状態が悪いものが多い。それでもいい値段で売れるんだけどね。
どこでも売買機で物を売るには売りたい物を商品が出てくる所に入れ、画面に表示されている[購入][売却]の[売却]をタッチすると売り物の鑑定がされて品質が何ランクの商品で幾らで売れるか出るんだ。
品質はE~Aまであって一番下のEは粗悪品で、Aは高品質なんだけど更に上の最高品質Sもあるそうだ。
そのランクで結構売値が変わってくるんだよね、んで、その売値でよければ[決定]をタッチすれば売れるんだよ。
売った商品は[どこでも売買機]の会社が管理する時間停止付きの異空間に保管されて、それを誰かが購入したらそこから購入者の元に行くらしい。
売買機で買えるものがみんなそこに入ってんだぞ、どんだけ収納できるんだ異空間収納...
...と、話しが逸れたな。えーと鉱石加工できないって話しだったよな。
「日本のダイヤモンドカッターとか使えるかな? ミニルーターとか使えば何とかなるかな?」
もっと色々あるかも知れないけど、素人の自分じゃちょっと思いつかないからな。
時計を操作してミニルーターを出現させるとみんな興味津々に近付いてくる。
しかし思ったより色々あって訳わからんぞ。家にもあったけどこんな沢山はなかった気がするし。
まぁ、あれがミニルーターなのか唯のドリルセットなのか知らないけど。だって使ったのガキの頃だしよく覚えてないよ。
「えーと...このざらざらのは研磨する奴だろ...でもこれだけで4つあるし、こっちの円いこれはダイヤモンドカッターだろ。これも似たのが3つある...」
え~マジでこんな何個もあんの? どう使うか説明書...って、写真にできること書いてあるだけだし。一つ一つ説明してほしいんだけど... どう違うんだよ!
「ほう、これにはダイヤモンドが使われているのか」
「これもそうだな、よくこんな加工をしたものだ」
「え? ダイヤモンド!?」
ウォルバンさんが興味深そうに手に取るとリアーナも頷きながら他のを幾つか指差した。
ホリーはその話しを聞き目を輝かせてそれらを見た。
さすが貴族か、見ただけでダイヤモンドだって分かるなんてすごいな。俺はダイヤモンド使ってるって書いてあるから知ってただけだしな。
「これとかざらざらしてるのは研磨用ね、この似てるけど柔らかいのはツヤだしみたい。
真っ直ぐのは彫刻するのに使うのかな、後穴あけたりとか。んでこの円いのが切断するやつ。このたわしみたいのはサビとりか」
時計を操作しネットで調べてみたけど微妙にサイズが違うやつや形が違うがのが沢山あるんだよな...
それぞれ違いがあると思うけど、あんま細かいことネットに載ってないしよく分からんわ!
「宝石をこんな工具に使うなんて勿体ないわね...」
「ダイヤモンドってこの世で最も硬い鉱石っていわれてるくらいだから。それを使うことによって他の硬いものを削ったり研磨したりできるようにしたんだよ。
と言ってもオリハルコンほどじゃないと思うけど」
少ししょんぼりして言うホリーに苦笑いしつつ説明する。
それにミスリルとオリハルコンは地球じゃ実在しない架空の金属だし、ここではどうなってるのか分かんないからな。
多分ミスリルはいけると思うんだけど...
コードレスのこのミニルーターは電池マックスみたいだからそのままミスリルをもらい回転する先端をあててみる。
んー、削れるね。
「ふむ、面白いな」
隣で見ていたウォルバンさんが顎に手をやりながら興味深そうに呟いた。
「僕やる! 僕やる!」
「僕がやるよ! 貸して!」
「俺っちも使ってみたいッス!」
つられるように周りのみんなが騒ぎだした。
うん、まぁ...そうなるよね。
「えーと... じゃあまず一番最初に言ったチュチュからどうぞ」
「わーい!!」
俺がミニルーターを渡すとチュチュの目がキラキラと輝きだした。
「危ないから回転してるとこ絶対触らないようにね」なんて注意したが、チュチュは慎重な手付きでミスリルを削っているから問題なさそうだ。耳もピンと立ってる。
元々チュチュ達が使ってる彫刻刀みたいな工具だってふざけて使えば怪我するんだし、いらない忠告だったかな。
「すごーい!! これいーなー、木を掘るのにも使えるよね」
そう言って喜んでいるチュチュの持つミスリルにはとても細かな動物が描かれている。
これだけで高く売れそう... 俺なんててきとーに削ってただけなのに。
そうしてやり方を教えながら希望者に順番に貸していった。
みんなすごい喜んでるし幾つか出して渡した方がいいかな。
ただ充電する場所がないからなぁ。まぁ、日本の家電置いてる人の家にはコンセントつけてあるけど。
使うのは工房とかだろ? そこにコンセント(配線ないのに電気が使える)を設置すればいいか。
水回りやコンロも同じく配管つないでないのに使えるし。
「ミスリルは問題なさそうだし、そろそろオリハルコン試してみようか」
「分かった」
リアーナからオリハルコンを渡され削ってみる。
...うん、少~しずつだが削れるようだ。でもこれすげー時間掛かりそう。
「すごい! オリハルコンも削れるなんて!」
「これで何か作れば大金持ちッス!!」
なんかみんな喜んでる... そっか、時間掛かっても削れるだけすごいのか。
一人納得しつつ希望者にミニルーターを配り、工房や家にコンセントを設置して回った。
鉱石削るもの検索しても出てこない(汗)
だからミニルーターにしました。うちにもあるけどほんと替えのパーツがいっぱいあって訳分からんです。




