43話 新しい家2
ウォルバンさんの謹慎は5日後に解除された。
リアーナさんから義足を付けての長時間活動禁止など言い渡されてたけど、部屋の中でご飯も食べないでじっとしてるだけの生活だったからよかった。
正直見てるこっちの方が耐えられなかったし。トイレとかどうしてたんだろう...
義足が合わない今は長時間使わないってこと以外に解決法がない。なのでこれは仕方と思う。
ウォルバンさんは残念がってたけど。
何気にあの人、すげー義足気に入ってるよね。
獣人のみんなだけど、今はそれぞれアパートから出て暮らしている。
前に言ったけどチュチュとチュッチュは木材工房、リリスちゃんとラヴィは服飾工房を持っていて、それぞれそこの住居スペースで暮らしている。
カーさんは病院に駐在できるように生活住居を増設してそこに住んでる。相変わらずみんな怪我をしても治療してくれないがカーさんの様子を見に遊びに行く者は多い。
トトには女性達が一緒のアパートに住むのを嫌がるから一軒家を建ててあげた。
「い、いいんだ。いつか俺っち、嫁さんとここに住むから」なんて一人寂しそうに呟いていた。
ネアは住居アパートに住んでいる。猫だからか最上階の3階に。
でもさ、3階の窓から出入りするのは止めて下さい。上から降ってくるのも壁登ってくのも見てて心臓に悪いから。
イルはネアと同じ住居アパートの1階に住んでいる。目が見えないのに普通に暮らせるんだからすごいよね。
ホリーはなんと見張り台改造して住めるようにしちゃってた。あれ? 鳥って雄が巣を作るんじゃなかった?
「柚希なら遊びに来てもいいのよ」なんて、俺の顎を喉から上にスーっと撫でながら言われて焦った。ルミナスさんが怒ってくれたからよかったけど。
うん、思い返すとなんか俺獣人からすげー人気あるんだけど。
チュチュとチュッチュもイルも毎日俺のとこ遊びに来るし、リリスちゃんやラヴィは遊びに行かないと拗ねちゃうし。
俺こんなに動物に好かれやすかったけ? ...あっと、また失言... 気を付けてはいるんだけどなかなか難しいな。
ルルちゃんもなんか張り合ってかよく遊びに来るし。
そんなモテモテの俺を見て蜜柑は「どうなっても知らないからね!」なんて焼きもちやいてるし可愛いもんだ。そりゃーお兄ちゃん取られるみたいで嫌だよな、ムフフ。
...おい神、その汚物を見るような目で俺を見るのはやめろ!
そろそろ次の浮浪者探すんだろ、さっさと行くぞ!
「今回は蜜柑も連れてくからさっさと準備しい」
「え! 本当!? やった!」
「は? なんで蜜柑も?」
蜜柑に過保護な神が浮浪者達の悲惨な姿を見せるようなことをするなんて信じられない。
しかも路地などに行くことが多いし変な奴がいるかも知れない危険な場所だ。
今までそれを避けて連れていかなかったのに何で今回は連れて行くのかと疑問に思うと同時に頭がイカれたのかと驚いた。
蜜柑は嬉しそうにニコニコしてるが俺は反対だから神を睨んだ。
「今回は浮浪者集めとちゃうで。ま、行けば分かる」
「は!? ちょっ、どういう...」
睨む俺を呆れた顔で見る神が続けた言葉に驚いてどういうことか尋ねるが、俺が言い終わる前に転移していた。




