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36話 木材工房と服飾工房



「おぉ! お座りバージョン!? 可愛い!!」

「えへへ、自信作なんだ!」

「こっちはストラップだよ!」

「おおストラップ! 丁度いい大きさ! 何個か買うよ!!」


チュチュ兄弟の工房に立ち寄ると動物の置物が増えていた。

この工房は木工作業をするのに色んな道具が必要だと思い作ったもので、他にもリリスちゃん達の服飾工房もある。

工房は灰色のシンプルなコンクリの建物で売り場もちゃんとあり、木材の出入りも楽にできるよう入り口は大きく開かれている。

その分売り場は小さく、入ってすぐ脇にある机の上に動物の置物が置かれている一角があった。

自慢気に見せてくるチュチュとチュッチュだが、それもそうだろう。

大小様々な置物は、どれも精巧でリアルに作られているのだから。


最初この工房には普通に立っている動物の置物しかなかった。

だから俺が「座ってるのとかお眠りしてるの作ったら? 後バッグとかベルトに付けれるようにしたら?」なんてアドバイスしてたのが役に立ったみたいで良かった。

お座りバージョンはみんな座りながら小首を傾げていて可愛いし、お眠りしてるのもクテーっとしてたり大の字だったり丸くなってたりで可愛い!

そのストラップまであるとは!!


問題はどれを買うかだ。

俺がにゃんこの置物を買ってルンルン気分で帰っていたとき、すれ違ったリリスちゃんやトトに「(オイラ)の種族は買ってないんですね(ッスね)」と言われて罪悪感に苛まれたことがある。

だからどれを買うのかきちんと選らばないといけないのだ。


「...えーと、このリスとこの犬とこっちのトナカイと...」

「はい毎度~♪」

「また来てね~♪」


お座りシリーズ一式を買って幾つかをベルトを通す紐に付け、チュチュ達と別れた。

え? 男なのに恥ずかしくないのかって? いや、全然恥ずかしくない!

後で蜜柑に自慢しよう!!






そうしてまたルンルン気分でお隣のリリスちゃん達の工房にやって来た。

こちらはチュチュ達の所とは違い白い壁に赤い屋根、道路側には大きな窓がありおしゃれな感じだ。

どちらの工房もデザインは本人達に決めてもらい俺が作った。

外からも店の中を覗けるし入り口のドアもガラスの自動ドアで、その可愛さが気に入ったようでよくルルちゃんが来ている。

中を覗いても沢山の服やアクセサリーが並べられてこっちも可愛い感じで、奥の部屋が工房になっている。

男の俺はちょっと入りづらい。

でも会いに来ないとリリスちゃんとラヴィが悲しそうにするので時々来ている。


「や、何も問題ないかな?」

「あっ柚希さんいらっしゃい! 新しい服が出来てるんですよ!」


ニコニコ笑顔で近付いて来たラヴィは俺の左腕を両手でギュッと抱え込み引っ張る。

えぇとあの、こういうの慣れてないんで恥ずかしいんですけど。

ラヴィは普通に可愛い半獣人の女性だから意識しちゃうんだよな、ピョンと生えたウサギ耳も可愛いし。


「あっ、柚希さん!」


そういって奥の部屋からやって来たリリスちゃんも俺の右腕を抱え込んでくるが、背が低いからぶら下がってるみたいだ。

両手に花状態? リリスちゃんは全獣人だからめっちゃ可愛いんだけど。

リスの大きくて可愛い尻尾が俺をくすぐってくるし、可愛い耳も後ろから見れて幸せです。


「もう! ほんとに柚希さんって全獣人好きですよね、こういうとき普通は私に喜ぶのに! 逆なんだもん!」

「えっ!? ごめん、だ...だってラヴィは女の子だし意識しちゃうと言うか...」

「私だって女の子ですよ!」

「!? ごめん!」


リリスちゃんを見て癒されているとラヴィを怒らせてしまった。

文句を言って頬を膨らませるその姿は可愛いが謝ると、今度はリリスちゃんから怒られる。

うわっ、今の俺の発言最低! いや、本当失礼なんだけど全獣人って異性として見れないじゃん!? だってそうでしょ、日本人なら分かるよね!?

...あぁ、言い訳なんてしても俺が最低なだけじゃん。

そんな風に俺が反省してるのに目の前の女性達はクスクスと笑ってる。

ちょっと酷くない? でも楽しそうにしてるならそれが一番です。


「これが新しく作った服です」

「柚希さんの為に作ったんですよ! 着てみて下さい」

「マジで!? ありがとう!」


二人に連れられて奥の工房に行けば一着の服を見せられ、勧められるがまま着替える。

二人が出て行った部屋で手早く着替える。


「お待たせ!」

「!! 格好いい!」

「よく似合ってます!!」

「そっかな、ありがとう」


急いで着替えて姿を見せれば二人に絶賛され悪い気はしない。

ウルファンの毛皮を首もとにそれとイノックスの革で作られたジャケット、白いTシャツ、黒いスキニーはウルファンの毛皮が足もとについている。アクセサリーには大小の牙のついたネックレス。

うん、現代日本っぽくてそれでいてワイルドな服です。

魔物の皮とか牙とか深く考えるとあれだけど、大切に使いましょう。こっちの素材で作られてるからパラメーター上がるし。


「その服は柚希さんの為に作ったので差し上げます」

「えっ、そんな悪いよ、ちゃんと代金払うから」

「気にしないで下さい」

「いやいや、」


服を譲ってくれようとした二人にちゃんと代金を払って購入した。

ニコニコ笑顔の二人に見送られるが、...えっと、上手く乗せられて買わされてるんじゃないよね??

ちょっと不安になった。



上手く買わされてる部分もあると思うけど、柚希は愛されてますよ。

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