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35話 獣人と人間の問題点



人と獣人が仲良くなるのは想像以上に大変かも知れない。

獣人のみんながこの国に来てもう1月経つだろうか...


マチルダさんは彼等を気にかけてよく話し掛けてくれてるし、ルルちゃんはまだ偏見とかないのか他の人と同じように接している。

リアーナさんとウォルバンさんも、気持ちはどうか分からないが普通に接してくれているしライゼはちょっと警戒してるくらいで当たり障りなく接している。

しかし、スッダさんみたいに怖がる人やロイさんのように嫌悪している人もいるのだ。

ロイさんはお店の方ではちゃんと獣人も客として扱ってくれてるけど普段は見下すような目を向けてるし、スッダさんはビビってるし。

ミリーもロイさん寄りかな、表面上は他の人と同じように接しているけど関わらないようにしてるみたいだから。食事の時間とかずらして避けてるし。


意外だったのはルミナスさんかな。

ミリーと同じように避けてるみたいで、これはちょっとショックだった。

誰にでも優しい人だから余計にね...




獣人のみんなはそれでも他の場所よりずっといいって嬉しそうにしてくれてるけど、俺としては早くみんなが仲良くなればいいなーと思ってる。

まぁ焦っても仕方ないし、時間が解決してくれると思うからゆっくりいこうと思ってるけど。


結構細かいとこで獣人に対してイライラするみたいなんだよね、全獣人のご飯の食べ方が汚いとか(口閉じて食べれないんかな?)、時間にちょっとルーズだったり物をちゃんと片付けないとか個人のことに干渉してくるとか...



...なんつーか獣人って田舎者っぽい人達なんだと思うんだよな。

うちのじっちゃんばっちゃんが住んでるのって山村でさ、のんびりした人達だから都会の人はイラついたりするんだよ。俺と蜜柑は慣れてるけど。

いや、人間よりもっと酷いよ。やっぱ動物の部分が残ってるからかな?

最初怯えてたのも慣れたら平気みたいで、ちょっと軽蔑の目でみられるくらいじゃ気にしないでフレンドリーに話し掛けたり、人目があってもあんま気にしないでマイペースだったり。


特にやっかいなのはチュチュとチュッチュかな。

アパートを任せたミリーから「アパートの備品を勝手に持って行ったり、返すのが遅かったりする」と苦情を言われてしまった。

二人に注意したら「ネズミ族にとって物はみんなのものだからよく分かんないけど、気を付けるね」って。

家族の多いネズミ族には特にプライバシーって考えがないみたいで。

個々の家とかないから相手の許可も取らず勝手に入ったり、トイレとかも鍵かけないと開けたりするらしい...

トイレのドア開けて普通に話し掛けられるとか... 恐すぎる...


最初服を着せたときは恥ずかしがってなかった?

動物って警戒心強いもんだよね? やっぱり動物と獣人は違うってことか。

ここまで酷いのはなくなってきたみたいだけど、それでもほら、ストレスって蓄積しちゃうからまだ腹が立つみたいで...


気を付けてはくれてるみたいだけど...難しい問題だよ。

獣人達からすれば気をつけて改善してるのになんでそんなにグチグチ言ってくるの? ってなるし、人間から見ればまだ沢山嫌な部分あるってことだし。


いや~ほんと難しい問題です。






「やぁやぁそこの美しいお姉さん、オイラとお茶でもどうッスか?」

「結構です」

「じゃあ食堂でなんか食います? 俺っちが奢るッスよ!」

「結構です」


新人アパートを歩いていたら掃除をしてるミリーに絡むトトを見付けてしまった。

美人に目がないトトがルミナスさんやリアーナさんに声を掛けているのはよく見掛ける。

...お陰でその苦情も多い。


「トト、あんましつこいと嫌われるぞ」

「あっ柚希さん! 柚希さんも一緒にご飯どうッスか? 3人で食べれば楽しいッスよ!」

「じゃあ一緒に食べようぜ。俺と二人で!」

「え~、男だけじゃむさいッスよ!! 女の子もいないと!」

「じゃ蜜柑も誘うか?」

「う~ん...... うん、それもいいッスね! じゅあ蜜柑さんも誘って3人で行くッスよ!」


なにやってんだと呆れつつ話し掛ければなぜか俺も誘われたので、二人で食べようと言えば嫌だと言われた。

なので蜜柑も巻き込んでみた。

もれなく神も付いてくるから3人じゃなく4人だぞ?

蜜柑はトトの好みじゃないからナンパはされないが、トトはよく女性を褒めるから神が歯ぎしりしてうざいんだよな...

ミリーが俺に目礼してきたので頷いておく。苦労を掛けて申し訳ない。


「またねお姉さん!! 今度お茶しようねー♪」


そう言って元気に手を振るトトを見てなんかドッと疲れた。



トイレのドア開けて話し掛けられるって...恐すぎる‼

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