31話 カプセルの3人
アパートの住人が寝静まった頃、俺は病院にきていた。
回復カプセルに入れた三人の様子が気になり見に来たのだが...
「かっ、神!! まじ大変!! 神!!」
「うっさいわボケナス!」
「にゃんことわんことうさちゃん、いなくなってる!」
「そーか」
「そーかじゃねえ!!」
俺の呼び掛けに姿を現した神は非常に嫌そうな顔をしていたが構わず俺は言う。
が、しかし神は全く興味がなさそうだ。さすが糞神!
この回復カプセルって治療が終わると中の人が目覚めちゃうし勝手に出てこれるのが難点だ。
ウォルバンさん達のときもそうだし。
見張り...っていうか看護師か医者みたいな人をここに置いた方がいいのか?
今までにも畑仕事や訓練で怪我した人っていたけど、俺や蜜柑が連れてきて治療してたからな。
ここにある医療機器は自由に使っていいよって言っても、みんな恐縮して使わないんだよ。
この程度なら放っておけば治るとか言ってさ。
とにかく困った。もしこの国の中から外に出て行っちゃってたら絶対魔物に殺される!!
治療したといっても全回復なんて無理だから、Sランク相当の魔物から逃げ切るなんて不可能だろ!
「すぐに彼らを探そう!!」
「そうか、まぁ頑張りや」
「お前も捜すんだよ!!」
取り合えず病室内を見て回るが誰もいない。隠れてるかとも思ったんだけどいないか...
その後も嫌がる神を無理やり手伝わせ捜したのだが見付からず、夜も遅いがみんなにも手伝ってもらうことにした。
行方不明の三人は盲目で両腕のないわんこと、片足片腕尻尾のないにゃんこ、耳のないうさぴょんだ。
回復カプセルでどのくらい治ったのか分からないが、そんな遠くに行けるわけがない...
まだきっと無事なはず... そう思ってたのに...
「ほれ、連れてきたで」
蜜柑に事情を話したら一瞬で解決しました。
寝ていた蜜柑を起こし捜索協力を依頼→神に「見付けられないかな?」と蜜柑が聞く→「よっしゃすぐ連れてきたる!!」って神は答え→消えたと思ったら三人連れて現れた。
...え? 俺達の苦労ってなに?
「おっ、俺達をどうする気だ!?」
にゃんこの獣人の男が二人を庇うように前に出て威嚇していた。
すごい警戒した様子の三人は毛を逆立てている...いや、二人は半獣人だから毛はそんなにないんですけど。
にゃんこの獣人なら女の子がよかった...ってそうじゃなくて。
えーと、どうしようか...
「大丈夫だよ、ここの人間優しいから」
「そうそう」
「大丈夫!」
「恐くないよ」
「そうッスよ! ご馳走いっぱい食べれたし家族にも挨拶させてくれたし、綺麗なお姉さんも沢山いるッスよ!!」
「はぁ、こ...、はぁ、この老いぼれには...はぁ、きつかったわい」
ネズミのチュチュ君が安心させるように優しく声を掛けてくれると他の獣人のみんなも同意してくれたのだが...
トト、お前は... 確かにリアーナさんとルミナスさん超美人ですけどね。
カーさん、そんなになるまで三人を捜してくれたんだね。
みんなのお陰で三人は少し警戒を緩めてくれた。
話しを聞くと、どうやら三人は犬の鼻や猫の夜目と耳を使って俺達の追跡から逃れていたようだ。
獣人すごいな。
それに、障害のある者を連れて逃げるのは大変だっただろうに、見捨てたりしなかったことに俺的好感度急上昇ですよ。
「元気になったみたいだしお腹空いてない? ご飯用意しようか?」
目覚めたばかりだけどずっとご飯も食べていないのだ。
お腹が空いているかと思ったのだが、三人は驚いて顔を見合わせている。
「大丈夫。ここのご飯は美味しいよ」
「うん、美味しい!」
「早く食堂に行って食べさせてもらうといいッスよ!」
他の獣人も後押ししてくれるので彼らも頷いてくれた。
それに夜遅いのにルミナスさんがご飯を用意してくれるそうで、三人とルミナスさん、それから俺は食堂に行き、後のみんなは就寝だ。
三人共美味しそうに食べてくれて良かった。
自分でキャラ達に歩けない、腕や足がない、目が見えない、とかの設定をつけたのにそのことをよく忘れてしまいます...
うっかり歩けない蜜柑が歩いてたりするんだよ、後で気付いてビビる。




