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30話 新入り歓迎会をします



俺達が帰ってきたのは夕暮れで、少し町を案内してからスッダさんに呼ばれ夕飯を取りに食堂に行った。

スッダさんちょっと怯えてたな...そんなに獣人って恐いか?

そんで町を案内したときに畑の様子やアパートについて、それから周囲の魔物のことを説明した。

色々見て楽しそうにしてたみんなだけど、ここの魔物がSクラスが多いことを話すと、「魔物なんてオイラ達獣人には楽勝ッスよ」とはしゃいでいたトトも、まだ余裕そうだったみんなも固まった。

うん...ごめんねこんな危険な場所で...




食堂に着くとロイさんとミリーの姿がなかった。

別に食事の時間は自由なんだけど大体みんな昼と夕飯は揃えてるし、他のみんなが揃ってる場にいないってのはあえて避けたのかなーと...


「今日は新入りの御祝いだからね、いっぱい作ったからどんどんお食べ!」

「わっ、すっげー美味しそう!」


マチルダさんとルミナスさんが食事を運んできてくれる。

彼等を歓迎する為にみんな集まってくれてたんだな。仲良くなろうとしてくれるのがすっげー嬉しい。

獣人のみんなは小声だけどお礼を言って、マチルダさんも嬉しそうににっこり笑った。

ルミナスさんも笑ってるけど、なんか違和感が...


蜜柑と神はいつもの席に、俺は獣人達のいるテーブルに座った。

そうすると全員がじっと俺を見てくるから仕方なく代表して、


「えっと皆さん、祝の用意をありがとう。こうして新しい仲間の歓迎をみんなで出来ることが嬉しいです! そんじゃみんな、美味しく食べよう! 乾杯!」

「「「乾杯!! 頂きます!」」」


みんなで手を合わせて食べ始める。

「美味しいー!」と、獣人のみんながニコニコしながら食べている。

リリスちゃんなんて頬袋にいっぱい詰めて...可愛い。

みんな落ち着いて食事をしているようで安心した。朝みたいにがっつかれると、見てるこっちとしては吐くんじゃないかと気が気じゃないからね。

それにしても俺ってこういうことに緊張しなくなってきたな。慣れてきたんかね?


「「「ご馳走様でした」」」

「とっても美味しかったッス!」

「そりゃ良かった。あたしゃここで食事係りをしてるからここに来ればいつでも食べられるよ。お金は貰うけどね!」

「みんなが働いてお給料を貰うまでは俺達の方でお金は出すから心配しないでね」


食事が終わりお行儀良くお礼を言うみんなと、元気にお礼を言うトトに茶目っ気を混ぜて笑うマチルダさん。

一応みんなを安心させるように当面のお金を払うことは言っておく。


「お仕事ってどんなものがあるんですか?」

「ん? 料理人に農家に魔物退治...とアパートの管理人かな... まだ随分仕事の種類が少ないな」


リリスちゃんの質問に答えながら仕事の種類の少なさに驚く。

ネヴァル国で9人、今回増えたのが8人だから国の住人は17人になったのか。

もっと仕事増やさないと仕事のあてがなくなっちゃうか?

店だって一応野菜や肉なんかは売ることも出来そうだけど、ちゃんとみんなが買ってくれるか分かんないんだよな。

商人のロイさんは今回ここにいなかったし、正直獣人を嫌ってそうなんだよ。

獣人と一緒に仕事するのも商売として接するのも厳しいか?

ルミナスさんに対してもロイさんはあんまり良い感情もってなさそうだし...


「みんなの得意なことって何かな?」

「得意なこと? えと、木登りとか?」


何か仕事のヒントになることがないか質問してみるとチュチュが答えてくれる。


「僕達ネズミ族はちょこまかした動きやジャンプ力とか自慢ですよ!

木で彫刻作ったりもしますし僕達は仕事として色々な種族の彫刻を作って売ったりしてました!」

「私はリス族ですから木登りが得意です! 高い所の木の実取りなら任せて下さい!」

「オイラはやっぱり荷運びッスかね? 人間とこでもそういうのばっかりやらされてたし! ...ってかいつの間にか足が治ってるんスけど!?」

「私はやっぱ飛ぶことかしらね? 鷹族だし目はいいのよ、でも奴隷としては人間相手の性行為しかさせられなかったけど」

「わしはこんな老いぼれだからのう、何ができるか...」


チュチュに続いて次々に答えてくれるが、チュッチュやリリスちゃん達小動物組のピョンピョンはやめて下さい、可愛過ぎです。

それにトトよ、足は回復飴舐めたときには治ってたはずです。

そしてホリーさん、なんて答えたらいいのか俺には分かんないです。

でも人間恨んでそうだな...

カーさんはいいんですよそんなお仕事なんて。のんびり余生を過ごしてほしい。


さて、チュチュ達兄弟には木で何か作ってもらうのがよさそうだな。

んでトトはそんな木や、いずれ採る予定の鉱山の石や魔石の荷運びを。

でもその為にはここの魔物をどうにかしないといけないんだよな...

そんなことを考えていると横から声が聞こえた。


「伐採は何とか私達でもできるが運搬はトト殿に任せたい。

それにこの辺りの森林には実がなっているものも多い。そういったものはリリス殿に採ってもらう方が効率がいいだろう。

私達でも採れるが大した数ではないし、魔物退治の途中で食べていた程度だからな。

それと護衛も私達でできるが、正直もう少し戦える人間がいた方が助かるが」


声の主はリアーナさんだ。

彼女も俺と同意見のようだが木の実を採ったりしてたのか、ってか木の実のなる木なんてここにあったのか。

確かにリアーナさんとウォルバンさんだけでは戦力が心許ないだろう。

これは俺が活躍するフラグか!? そんなことを考えていたのだが...


「獣人ならばすぐに強くなれるだろう、もしよければ私達と一緒に訓練しないか?」

「マジッスか!? お姉さんみたいな美人に教わるなんて最高ッス!」

「そうね、下らない奴隷なんてやらされていたせいで大分鈍ってるし、少し鍛え直そうかしら」


なんて彼女達だけで会話は盛り上がっていた...



代表して挨拶するなんて私には無理です!

すごいぞ柚希、見直した!

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